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アフガン諜報戦争(下) の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2022/03/14

上巻、下巻とあわせ久しぶりにこんなに長いノンフィクションを読んだ。 読破に約1ヶ月。 次はシークレット・ウォーズを読んでみる。

Posted byブクログ

2019/12/30

『倒壊する巨塔』、『決断の時』、『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言 』、『Growing Up Bin Laden Osama's Wife and Son Take Us Inside Their Secret World』につい...

『倒壊する巨塔』、『決断の時』、『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言 』、『Growing Up Bin Laden Osama's Wife and Son Take Us Inside Their Secret World』についで、9.11理解(なぜ起こったのか、なぜ起こるのを止められなかったのか)のために手に取った本。 その中でも、この本は間違いなく9.11に至る20年ほどの流れを多角的かつ中立的に描いている。ソ連、アメリカ、パキスタン、アフガニスタン、ターリバーン、アルカーイダ。それぞれのアクターが諜報で結びつき、しのぎを削る世界。 9.11は突発的な出来事ではなく、ソ連のアフガン侵攻から脈々と続く当該地域における無秩序と、空に対する大国の無関心が招いた結果であることを改めて確認。 また現地CIAの警告情報を、CIA幹部を含む米国政府上層部がどのように受け取り、対処したのかという点については、昨今の「安全対策」への意識の高まりのなかで、企業に働く者として身につまされる思いで読んだ。 翻訳者3人はそれぞれ中東(南アジア)・米国で勤務経験もあり、非常に読みやすい日本語だった。 残念な点は2点。翻訳者がそのようなバックグラウンドを持っているからこそ、関連する地名や人名の日本語表記にもう少し気を配ってほしかった。また、原注が下巻にまとめてあり、上巻を読んでいる際は非常に不便な思いをした。

Posted byブクログ

2016/09/18

米国、パキスタン、サウジの各情報機関と、イスラム戦士、タリバン、アルカイダとの攻防を、公文書と証言から緻密に再現し、検証したノンフィクションの白眉。ピュリツァー賞受賞!

Posted byブクログ

2015/02/14

9.11前夜、マスードが倒れるまでの9.11の背景を 圧倒的な情報量で描く。 それだけに終章で繰り広げられる総括に漂う絶望感、 悲壮感は並大抵のものではない。 終わらない戦いの時代にいることを、強く感じさせられた。

Posted byブクログ

2012/01/17

9.11のテロの映像は衝撃的でした。 本書の原作はこの9.11テロを受けて書かれたものであり、旧ソ連のアフガニスタン侵攻以前からアフガニスタンの北部同盟のマスード司令官がアルカイダの自爆テロで暗殺されるまでの間、アメリカが如何にアフガニスタンやイスラム世界に向き合ってきたかを解説...

9.11のテロの映像は衝撃的でした。 本書の原作はこの9.11テロを受けて書かれたものであり、旧ソ連のアフガニスタン侵攻以前からアフガニスタンの北部同盟のマスード司令官がアルカイダの自爆テロで暗殺されるまでの間、アメリカが如何にアフガニスタンやイスラム世界に向き合ってきたかを解説しており、2005年にピュリッツァー賞を受賞したノンフィクションです。 邦訳版の本書はそれから6年の時を経て、9.11の10周年を前に上下巻2冊セットで販売開始されました。 上下巻共に分厚く、内容も詳細なものとなっており、本書を読めば、アメリカはアフガニスタンやイスラム世界にどの様に向かい合ってきたか、そしてそのアメリカは相手にどの様に受け止められてきたかに関する、深い視点からの新しい見方が得られるのではないでしょうか。 文量も多いのですが、下巻のほぼ半分は本文の注釈に使われているなど、実質的には1.5冊となっていますし、また何よりも(恐らく少なくとも現時点では)邦書に他に類をみない程、詳細な解説がなされていますので、アメリカのテロとの戦いはどの様に始まったのか、イスラムテロリストの源流は?を日本語文献で知りたいという方には必読の書籍ではないかと思います。 さて、前置きが長くなりましたが、以降、本書の内容について簡単にご紹介したいと思います。 上記しましたが、本書では、旧ソ連のアフガニスタン侵攻以前、イラン革命によりカーター政権下のアメリカがイランから撤退させられた事に始まり、アフガニスタンの有力な反タリバン、反アルカイダ勢力・北部同盟のマスード司令官がアルカイダの自爆攻撃によって暗殺されるまでを取り上げており、それぞれの時代におけるアメリカ、旧ソ連、パキスタン、サウジアラビア、イランなどの国内情勢やそれらの国を取り巻く国際情勢、各国政府内部の動き等が解説されています。 内容は豊富でその全てをここで(簡単なものであっても)到底ご紹介することは出来ませんが、本書が解説するイスラム勢力とアメリカなど資本主義国家との今も尚続く戦いの切っ掛けとその歴史は以下の様な物になるかと思います。 冷戦時代、米ソ両超大国はヨーロッパ方面に注力しており、その為、両国ともイスラム世界の専門家が極めて乏しかった。 その様な中、現場における諜報活動の結果がソ連全体を動かし、ソ連指導部も回避したかったアフガン侵攻に至った。 アメリカはそのソ連のアフガン侵攻に対して、現地のアフガニスタンやイスラム世界に対する理解が乏しいまま、あくまで米ソ対立と言う視点のみに基づく反応を示した。 そして、その結果、アメリカやアメリカから働きかけを受けたサウジアラビア等から膨大な資金等がパキスタンを経由して反ソ連イスラム勢力に流れ込み、ソ連のアフガン撤退後にはそれらのイスラム勢力が反米活動へとシフトしていった。 これを警戒する動きはアメリカ政府内部にもあったが、アメリカ国内のアフガニスタンに対する関心の低さにより適切な対応に結びつかず、また、アフガニスタン国内において有力な対タリバン・アルカイダ勢力となるはずであったマスード率いる北部同盟への適切な援助も行われず。 そして、劣勢に追い込まれた北部同盟は自爆攻撃によってその司令官マスードを失ってしまった。 対タリバン・アルカイダ作戦を実行する際に生じる様々な法律上の問題やクリントンに対する弾劾、歴代政権内部の意見対立、秘密工作の内容暴露と言ったCIAのスキャンダル等、複合的な要因も積み重なり、アメリカは繰り返し、繰り返し、その後の歴史が大きくアメリカ有利に変わったであろうターニングポイントを逃し続けた様子が冷静な文章で綴られており、その客観性によりかえって文章の迫力が増していました。 本書の締めの言葉でもある、マスード訃報に接したハミド・カルザイが発した「なんと不運な国だ」。 この発言が指している不運な国とはアフガニスタンである事は間違いがないでしょうが、本書を読み終えた今、思わず「その国とはアメリカのことではないか」と・・・ 時間に追われたからなのか、正直、本書(初版)の文章の中に翻訳が粗い感じがする箇所やこれはタイプミスなのかと思った箇所などがありましたが、それを考慮しても十分すぎる内容です。 現在を生きる私達にとって、直接間接の違いこそあれ、超大国アメリカの行く末とは無関係ではいられないのが現実です。 そして、そのアメリカが囚われた"アリ地獄"であるイスラムテロ勢力との戦い。 この戦いが始まった原因を知り、今後の見通しを持ちたければ本書は必読です。

Posted byブクログ