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居場所の社会学 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2021/04/12

この社会に対する違和感と暫定的な解決方法 モヤモヤする社会 社会人になってから1年が経った。社会人って労働者ってイメージだったけど、一般的な「社会」という虚像に放り投げられている人のことを言うんだって体感したよね。この1年はこの社会の現実にひどく困惑させられて、そしてそして結果的...

この社会に対する違和感と暫定的な解決方法 モヤモヤする社会 社会人になってから1年が経った。社会人って労働者ってイメージだったけど、一般的な「社会」という虚像に放り投げられている人のことを言うんだって体感したよね。この1年はこの社会の現実にひどく困惑させられて、そしてそして結果的に社会との向き合い方を考えなければならない1年となった。 学生時代と社会人の1番の違いは、「考え」に至る因子、つまり価値観が全く異なる人たちと強制的に一緒にいなければならないか否かだと思う。学生時代は無にできた関係性が社会人ではそうでなくなる。その人たちとの上手い付き合い方、時には「自分を変えること」を強いられる。その事に気づかずに苦しむ社会人初心者は最近多いよね。上司とうまくやれないとか人間関係がきついとか。それもデジタルネットワークによる多様性が生んだものなんだと思う。 「自分を変えること」これは生きる上で非常に大事なスキルだと思うんよ。好きなこと、転職、行動力といったワードが飛び交う最近のキャリア社会ではあまりスポットライトは当たらないけど、大事なはず。いわゆる柔軟性だよね。 居場所の社会学 このスキルが大事だなって改めて思ったのは、阿部真大さんの「居場所の社会学:生きづらさを超えて」という本を読んだのがきっかけ。この本はリタイア男性、フリーターの働く場、家族や恋人との関わり方、就職難、ヤンキー社会といった社会課題を「居場所」という切り口から論じることで、多くの人が気楽に生きられる社会を実現しようというものである。今の複雑な社会を生きる全ての人にとって、知っておくと楽なことが書かれているけど、特に新社会人、ちょうど1年ぐらい働いて人間関係に悩まされている人に読んでほしいな。これからの社会を生き抜くヒントが散りばめられており、肩の力が抜け少し楽になれると思う。 新社会人にとっての職場の居場所問題 この本では、居場所に問題を抱えた時、個人や組織ができる対応策を2つ述べている。1つは「意見をぶつけ合って、自分が変わりながら新しい居場所を作る」積極的な解決方法。もう一つは「仕事をマニュアル化することで出来るだけ人との関わり合いを避け、ひとりの居場所を作る」消極的な方法。でも、社会からはみ出してない人にとっては後者は難しいよね。だから多くの人が前者の解決方法を取ることが多いと思う。 そこで大事なのは、「自分も変わる」ってこと。自分が変わらなければ周りも変わらないし、新しい居場所も見つけられない。これって結構難しいんだけど、できるようになるとだいぶ楽になる。 その時に必要なスキルの例として筆者は「聴く力、相手を受容する力」をあげている。うん、納得。聴く力ってほんと生きる上で大事。一番大事なスキルなんじゃないかと思う。モテる人とか人気者って、あらゆる人の居場所を作れる人なんだろうなぁなんて思った。 変えることと変えないこと 居場所の問題を積極的に変えていくならまずは「自分が変わらなければならない」。そしてぶつかることを恐れてはならない。たぶんこの2つをできる人って限られてると思うけど、今の状況に妥協点を見出せない頑固ものはこれをやるしかないと思うってのが今の答え。変わるのって大変だけど、楽しいことでもあるよね。どんな人物になるんだろうって考えるとわくわくする。でも、この時自分の芯になる部分は変えてはいけないと思うんよ。これを変えちゃったら何のために生きているかきっとわからなくなっちゃう。変わることは大事だけど、変わらないことも大事。この社会は矛盾だらけです笑。さぁ、今日も楽しんでこ!

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2016/09/04

中高生向けの読み物という印象を受けた。内容は社会学に詳しくない一般人でも軽く読める。著者の過去の経験に基づいた日常的な事柄を分析して、居場所の作り方を考えている。 ただ、全体的に著者の主観が強すぎるように思う。専門的な内容や意見を求めて読むには向かない。

Posted byブクログ

2015/02/10

ふむふむと納得できる論点もあるものの、コンフリクト、スティグマなどなど、カタカナが多くてすんなり入ってこなかった。 なんとも、雑多でまとまりにかけるなぁと思ったいたら、幾つかの論文を元にしているのですね。 大学に進学したばかりの頃、周りは友達と居るのに自分は一人という状況がたまら...

ふむふむと納得できる論点もあるものの、コンフリクト、スティグマなどなど、カタカナが多くてすんなり入ってこなかった。 なんとも、雑多でまとまりにかけるなぁと思ったいたら、幾つかの論文を元にしているのですね。 大学に進学したばかりの頃、周りは友達と居るのに自分は一人という状況がたまらなく辛かった、なんとかしようと、無理やりサークルに入って行ったことなんかを思い出しました。その変などりょは確かにながつつしなかったので、どちらの経験も本書が指摘するとおりですね。 ちょっと期待が大きかっただけに、ビミョーな読後感。新しい知見に出会えたという感じにはやや欠けます。

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2014/07/18

タイトルに「社会学」が付くのはちょっと違うような感じがします。まだ学問と呼べる論理にまで達していないように思います。 しかし、居場所を確保する上での参考にはなります。特に、本書は『居場所がほしい人』ではなく、『居場所を提供する側の人』が読む内容です。 気になったのが二つ。 一つ...

タイトルに「社会学」が付くのはちょっと違うような感じがします。まだ学問と呼べる論理にまで達していないように思います。 しかし、居場所を確保する上での参考にはなります。特に、本書は『居場所がほしい人』ではなく、『居場所を提供する側の人』が読む内容です。 気になったのが二つ。 一つは『マニュアルでコミュニケーションを減らすことで居場所を確保する』という点。コミュニケーションを取りたがらない人にはもってこいの策として挙げていて、マックでの成功事例も出していますが、マニュアルで完全にコミュニケーションが断てるのか疑問です。著者もそれについては懸念していますが(介護等はマニュアル化が難しいのでできませんが……と著者は言っています)、ちょっと楽観的すぎていて、引っかかります。 もう一つはヤンキー文化について。 地元のヤンキーが祭りを盛り上げる役をすることで地域に貢献し、社会的なつながりを維持できるようになる云々と言いますが、そもそも学生時代に暴れ回った人間が、地元公認のやんちゃな大人として受け入れられるというのは、真面目で普通に過ごしていた人間にとっては不条理極まりないことで、ちょっと内気で弱気な子は(普通の子もそうですが)ヤンキーに萎縮して肩身の狭い思いで学生時代を過ごしたというのに、そのヤンキー達が地元で勝ち組になるなんて、感情的には許しがたいでしょう。これじゃあ地元に残った人は、『一生ジャイアンと付き合わなきゃいけないじゃん!』て嘆きたくなるでしょう。 なので、個人的にはヤンキー文化が衰退して万々歳、ざまぁみろと言いたくなります。幅を利かせて生きてきた人間を擁護する気にはなれません。 というか、普通の人ですら社会で生き抜くのが厳しいのに、ヤンキー文化が衰退するのは自然な流れだと思います。 以上の二点が気になったところですが、総評として、僕の評価はAにします。良書と普通の間くらいですね。

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2013/12/10

表紙とのギャップ。 日本のバンドにみる社会学が意外と面白かった。高校の日本史の授業で吉田拓郎の歌詞にある主張についてやったっけ。

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2013/06/24

「自閉症の人間にはマクドナルドのバイトが効果的」というのは面白い話だ。確かによさそうな感じはする。裏を返せば、マックのバイトで人間疎外を感じるようなら自閉症は脱する事ができるという事か?精神疾患にも種類はあるだろうが、機械的作業に放り込むといのは多少荒療治かもしれないが、アリかも...

「自閉症の人間にはマクドナルドのバイトが効果的」というのは面白い話だ。確かによさそうな感じはする。裏を返せば、マックのバイトで人間疎外を感じるようなら自閉症は脱する事ができるという事か?精神疾患にも種類はあるだろうが、機械的作業に放り込むといのは多少荒療治かもしれないが、アリかもしれない。 居場所に関する各命題(検証が甘いという批判もあるかもしれないが)に関して、章毎にチャート説明されているのはわかりやすい。最終的には命題6の「誰といなくても、そこは居場所となりえる」を自己正当化(スティグマ化しない?)できるかどうかがポイントかなと思う。要は孤独に耐えらえさえすれば、最低限の社会保障がある限りとりあえずは生きてはいけるハズだから。 J-POPの考察は多少言い古された感はあるが、当初AKBは反社会的な負け組みソングを歌っていたというのはイガイだった。あとこれからはバンプの時代との事(聴いた事無いのでよく知らない)だが、たしか秋葉事件の被告がよく聴いていたのがバンプだったような。著者はバンプは普遍的といっているが、聴いてみようと思わない自分には関係ない世界というかステージが違うのかな?って気はする。

Posted byブクログ

2012/10/24

ちょっと前の本だと思ったら去年の本だった。「職場のマニュアル化」という考え方が面白かった。職場をマニュアル化すれば、周りとのコミュニケーションが遮断され、労働者は職場でも一人の居場所を確保できるというのである。この考え方が印象的だったのは、一般的には職場の人間関係をいかに良好にす...

ちょっと前の本だと思ったら去年の本だった。「職場のマニュアル化」という考え方が面白かった。職場をマニュアル化すれば、周りとのコミュニケーションが遮断され、労働者は職場でも一人の居場所を確保できるというのである。この考え方が印象的だったのは、一般的には職場の人間関係をいかに良好にするか、やり過ごすかということが語られがちだからである。本書では、上記の方法を含む複数の対策を組み合わせて、それぞれの生きやすい居場所を確保することを推薦している。私は自分の居場所にしたいと思う場所では、本書で対策のひとつとして提示されている「周囲とのコンフリクトを解消させていく事で自分の居場所を作る」という方法を使いたいと思うが、お金の為と割り切って働く職場ではマニュアル化された職場で生きたい。。後半では、JPOPから見る社会、労働観の違いが書かれておりそちらも興味深く読んだ。(ミスチル、BUMPなど…)これからも労働についての本は読まざるを得ないと思うが、この本から現在の労働環境を打開したいという思いが伝わって来て励まされた。同志!

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2012/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

居場所というのは見つけられると安定だけど、自分の居場所を作ることで誰かの居場所が居心地の悪いものになったり、それを守ろうとすることによる弊害もあり、一筋縄ではいかないものです。しかしながら行き詰まった時に、少し客観的に捉えて気持ちを楽にするためのヒントがこの本には詰まっているかな。社会構造上の問題を一人でクリアできるわけじゃないけど、ちょっと視点を変えてみるというか・・・。 「臨界点の居場所」をイメージしておくってところは全く同感。例えば今、会社員の人がクビになった場合に、どういうふうに生計を立てていくのか、一旦ゼロベースで自分の価値を見直して、それに見合った生活をデザインしていくというのは、雇用が不安定になっている時代では重要だと思うのです。

Posted byブクログ

2012/03/15

コミュニティに関する社会学的考察。 というかは新しい労働環境に対応していくためにはといった内容だった。 日本の雇用形態の変容に伴って、日本人はどのように自分にとっての居場所を形成していけばよいのか。 それについて示唆を与えてくれるものである。 個人的にはもう少し分量があっても...

コミュニティに関する社会学的考察。 というかは新しい労働環境に対応していくためにはといった内容だった。 日本の雇用形態の変容に伴って、日本人はどのように自分にとっての居場所を形成していけばよいのか。 それについて示唆を与えてくれるものである。 個人的にはもう少し分量があってもよかったと思う。

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2012/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好きな社会学の本が増えました。 その名も「居場所の社会学 生きづらさを超えて」。 この本は、非正規労働者が増えている日本社会に対し、非正規労働者または非正規労働者市場にいない人々のためのメッセージ本である。 人は、誰かと一緒にいるとストレスを感じると同時にひとりでいる孤独な時間に対してもストレスに感じる。 けれど、自分に無理して居場所を作る必要はない。 また時としては真剣に語り合おうとしなければ作れない居場所もある。 それぞれに居場所の形がある。 近代家族のシステムが崩壊しつつある(ほぼ崩壊している)日本社会にとって「職場」と「家庭」に依存する人間関係(居場所依存)は自分の居場所をなくすリスクが高い。 職場は必ずしも信用できる存在とは言い切れないし、結婚相手がマニピュレーター(結婚後に夫婦以外の人間関係を断ち切ろうとする人)かもしれないし。 一生付き合える友達を大切にしたり、趣味とかやりがいを極めることが今の日本人に必要なことだと思う。 第三の居場所を作ることが今の日本社会を生き延びるための術なのではないだろうか。

Posted byブクログ