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ショック・ドクトリン(上) の商品レビュー

4.2

40件のお客様レビュー

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2014/02/07

書評の禁句を使わせてもらおう。「とにかく凄い」。序章と第一部「ふたりのショック博士」だけで普通の本1冊分以上の価値がある。CIAのMKウルトラ計画で知られるドナルド・ユーイン・キャメロン(スコットランド生まれのアメリカ人でカナダ・マギル大学付属アラン研究所所長。後に世界精神医学会...

書評の禁句を使わせてもらおう。「とにかく凄い」。序章と第一部「ふたりのショック博士」だけで普通の本1冊分以上の価値がある。CIAのMKウルトラ計画で知られるドナルド・ユーイン・キャメロン(スコットランド生まれのアメリカ人でカナダ・マギル大学付属アラン研究所所長。後に世界精神医学会の初代議長〈※本書ではユーイン・キャメロンと表記されている。なぜドナルド・キャメロンでないのかは不明〉)と、マネタリズムの父にしてシカゴ学派の教祖ミルトン・フリードマンがどれほど似通っているかを検証し、同じ種類の権威であることを証明している。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/02/blog-post_7.html

Posted byブクログ

2013/11/22

遅ればせながら上巻を読み終えた感想。本書を貫いているテーマは「新自由主義と暴力」。新自由主義的な「改革」は格差と貧困を必ずもたらすので、そこから国民のたたかいが起こることは必然。そうしたたたかいを前にいかに国営部門の民営化や非正規雇用の拡大などの新自由主義的「改革」をやるか。答え...

遅ればせながら上巻を読み終えた感想。本書を貫いているテーマは「新自由主義と暴力」。新自由主義的な「改革」は格差と貧困を必ずもたらすので、そこから国民のたたかいが起こることは必然。そうしたたたかいを前にいかに国営部門の民営化や非正規雇用の拡大などの新自由主義的「改革」をやるか。答えは力による弾圧である。本書ではチリやアルゼンチン、ブラジル、インドネシアなどの国でかつておこなわれた独裁政権下での虐殺と、それぞれの国の経済顧問を務めたシカゴ学派の果たした役割について具体的に詳細に記述されている。こうした国ぐにでシカゴ学派の実験がおこなわれ、それはひとつの「ショック療法プログラム」としてパッケージ化され、中国の天安門事件、ロシアのエリツィンクーデター、南アフリカ共和国での民政移管期の混乱などを引き起こしたと指摘している。 しかし、当時は独裁政権下での暴力と新自由主義的経済政策は無関係とされていた。(あらゆるカテゴリーをバラバラにとらえ無関係とする社会システム論が果たした罪は大きい) チリのピノチェト政権下で囚人となっていた前政権の国防相レテリエルは亡命後、シカゴ学派の犯罪性について告発。するとレテリエルはワシントンDCで車に仕掛けられた遠隔操作爆弾によって殺される。この爆弾テロにはアメリカのCIAが絡んでいることも明らかになった。(まるでハリウッド映画!) そして、国内での労働組合の活動家や、民主的活動家などはじめ数百万人もの人々が行方不明とされた。まさに世代の消滅を特徴とする国家テロだった。このあたりはスターリンによる大テロルとも共通している。 このように新自由主義は、不正を正そうとする人びとや、民主主義を擁護する人びとを徹底的に弾圧することと一体不可分になっている。 今日本ではTPPの推進、原発再稼働のねらい、雇用破壊、集団的自衛権などと一体に、秘密保護法案が審議されている。こうした新自由主義と暴力に対して粘り強いたたかいが必要だと強く思った。

Posted byブクログ

2013/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世間に大きな衝撃を与え深い混迷と退行の中で巧妙にイデオロギーを押し付ける「ショック・ドクトリン」。かつての独裁政権から9.11後のアメリカまで世界各所にその影響が見られる。ショック。ドクトリンの根底を流れる哲学にはミルトンフリードマンなどの「シカゴ学者」たちの大きな力が働いている。 上は世界各国のケーススタディーを提示しているだけなので解決法を探りたい人は下も読まないとならないね。

Posted byブクログ

2013/05/13

膨大な世界的悪事、惨事便乗型資本主義の実体の数々。 上巻は「シカゴボーイズ」の説明が詳しい。 新自由主義の成り立ちは、シカゴ大学のミルトン・フリードマンが提唱した過激なまでの市場原理主義から始まる。このシカゴ派の経済理論からグロバリゼーションが声高に唱えられ、多国籍企業、投資家...

膨大な世界的悪事、惨事便乗型資本主義の実体の数々。 上巻は「シカゴボーイズ」の説明が詳しい。 新自由主義の成り立ちは、シカゴ大学のミルトン・フリードマンが提唱した過激なまでの市場原理主義から始まる。このシカゴ派の経済理論からグロバリゼーションが声高に唱えられ、多国籍企業、投資家の利益と密接に結びつき、貧富の格差を増大させた。さらには自由の制限や監視、監禁を行うコーポラティズム国家化をもたらす。(日本もイマココあたり) 各国に変化をもたらすときは、紛争や惨事のときがきっかけとなる。 1964年ブラジル 1965年インドネシア 1976年アルゼンチン 1982年イギリス 1989年中国 1993年ロシア

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2012/09/28

新自由主義、シカゴボーイズ批判。面白いけど、長い。 自分の好きなジェフリーサックスが悪者に描かれててて、まぁ実際そうなんだろうけど、ちょっと複雑。

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2012/06/17

フリードマンやジェフリー・サックスについて、こんな整理がある事を知らなかった。官から民へという流れが生み出す繁栄は、パーフェクトではない。これが日本で起こることも、あり得る話に思えてきた。 政治の力は恐ろしい。

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2012/05/02

自然災害などのショックに便乗し、強烈に市場原理主義の経済を導入する。 これをショックドクトリンと定義づけて、論を展開するが、あまりにも強烈すぎる。 一つの側面でしかないのでは、、と思いながらしか読めなかったので残念ながら共感はできなかった。

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2012/05/18

民営化や規制撤廃は経済活力を伸ばす金科玉条だとおもっていが新自由主義というイデオロギーのもと混沌の中で一部に富が集中するというのならそれは経済システムの正しい進化形ではない。むしろケインズの唱えた開発主義のほうが弱者保護のもとより知性化された形なのではないか。 そしていま日本はま...

民営化や規制撤廃は経済活力を伸ばす金科玉条だとおもっていが新自由主義というイデオロギーのもと混沌の中で一部に富が集中するというのならそれは経済システムの正しい進化形ではない。むしろケインズの唱えた開発主義のほうが弱者保護のもとより知性化された形なのではないか。 そしていま日本はまさに惨事のただ中にある。帝国主義の後継なのだろうか貪欲な資本主義の嫡子に蹂躙されないこと・政治が護国のもとに進められることを切に願う。

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2012/03/13

やっと上巻を読み終わりました。 小泉郵政改革の頃までフリードマンや新自由主義に付いて知らないで居た事が恥ずかしいです。

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2012/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

朝日か日経の新聞書評がきっかけ。待たずに借りられるO図書館から。 上巻2分の1でストップ。フリードマン市場主義、脅迫的に自由化を迫るアメリカ流経済戦争の仕組みを整理する。

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