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労働法入門 の商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

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2021/05/09
  • ネタバレ

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労働法に関する幅広い知識の習得のために読了。 入門書というタイトルの通り、労働法について本格的に学んだことのない方や、企業勤めだが会社の規則などになんとなく従ってきた方、などにオススメである。 まずは「労働」とは何か?から始まり、その起源や歴史的背景を読み解く。大切なのは、現代の労働法に続くまでの血筋の中には、産業革命時代の工業化に伴う労働法のエッセンスが含まれていること。これが、現代の企業内での労使関係やパワーバランスの不均衡などにも繋がっている。 そして、現在の個別ごとの労働法の特徴や、内包する問題点を炙り出している。国家 - 集団 - 個人の3点から観察した時に、特に日本の労働法はアンバランスさが際立つ。理由として、日本固有の終身雇用制・年齢を重ねるに連れた昇進制度などを前提とした企業文化が存在する。労働法に求められる役割は、企業-個人の調和を保ちつつ、より良い職場環境の実現と企業発展である。そのためには、従来の日本の企業文化に囚われ過ぎないような、新たなアプローチが必要である。

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2023/09/30

水町勇一郎『労働法入門』岩波新書 読了。良質な入門書。労働者として働くならば、これらの知識は武器になる。共同体を重視する日本の労働関係の特徴により、持ち腐れな側面もあろう。自らの権利を積極的に主張できる環境にある労働者が増えれば、よりよい社会の在り方に近づくのではと思うわけだが。...

水町勇一郎『労働法入門』岩波新書 読了。良質な入門書。労働者として働くならば、これらの知識は武器になる。共同体を重視する日本の労働関係の特徴により、持ち腐れな側面もあろう。自らの権利を積極的に主張できる環境にある労働者が増えれば、よりよい社会の在り方に近づくのではと思うわけだが。 2011/11/13

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2017/12/11

ようやく読み終わりました。概ね一週間以上もかかって、よくわかったのはいかに物を知らずにいたか、ということでした。読んだからといって理解できているわけもありません、これは改めて勉強しなきゃいけないな、ということで、読み終わったけれどまた読む、という意味で積ん読にしておきます。 勉...

ようやく読み終わりました。概ね一週間以上もかかって、よくわかったのはいかに物を知らずにいたか、ということでした。読んだからといって理解できているわけもありません、これは改めて勉強しなきゃいけないな、ということで、読み終わったけれどまた読む、という意味で積ん読にしておきます。 勉強、しなきゃダメだね、もっともっと!

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2015/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 全体的に少し難しく感じる部分もあったが、わかりやすく段落が分けられていた。 本自体の大きさは、文庫の小さい本に比べ、縦が少し長い。 日本と、アメリカやヨーロッパの特徴を比べるので、他国の労働法も多少学べた。  アメリカや、ヨーロッパでは、雇われて働いている人を、「労働者」という言葉を使う。 日本では、会社という共同体の中に入る「会社員」だ。 そう、日本では企業共同体への人的帰属関係が強い。 協調性が高いと言えば聞こえはいいが、社内で従業員同士の輪から逸れている人は、差別されたりする。 そして、個人が組織の中に埋没してしまい、会社の言われるがままになる面がある。  身近な事柄も書かれているので、わかりやすく知りたい時には、使えそうだ。 例えば、採用・労働差別、昇進・昇格・降格、人事異動、男女雇用機会均等、 育児休暇、その他の休暇・休業、労働時間など。  労働組合に加入している人や、周りに労働組合がある人にも、参考になる。 これからは、自己責任が問われる時代だけあって、こうした労働法を知って、会社のいいなりにならないようにしたい。

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2015/01/06

【著者紹介】水町 勇一郎(みずまち ゆういちろう、1967年11月15日 - )は、日本の法学者。専門は労働法。東京大学教授。 【どんな本?(帯より抜粋)】働くことはどういう意味をもつのか。 働くことをめぐってさまざまな問題を抱える労働者に、労働法はどう役に立つのか。 採用・人事...

【著者紹介】水町 勇一郎(みずまち ゆういちろう、1967年11月15日 - )は、日本の法学者。専門は労働法。東京大学教授。 【どんな本?(帯より抜粋)】働くことはどういう意味をもつのか。 働くことをめぐってさまざまな問題を抱える労働者に、労働法はどう役に立つのか。 採用・人事・解雇・賃金・労働時間・雇用差別・労働組合・労働紛争などの基礎知識をはじめ、欧米諸国との比較や近年の新しい動きも満載。労働法の根幹と全体像をやさしく説き明かす、社会人のための入門書。 【ここがオススメ!】 ・その名の通り、労働法(労働に関係する諸法)の入門書。特に、大学等で労働法を学んでいない一般人向けに書かれており、非常に取っ付きやすい。なぜなら、個々の労働法の説明ではなく、そもそもの労働法の考え方・背景、全体像を示しているから。 ・欧米諸国(アメリカ、フランス、ドイツなど)と日本の労働法を比較することで、日本の労働法の特徴が浮かび上がる。(当たり前なのだが、) 労働法(法律)って各国によって異なることに気づく。 (入社時の差別を強く規制する欧米に対し、日本は緩い。 ・法律おもしれえかもって思える本。 その国の社会をあらわしているのな。 【一部内容紹介】 ◆日本の労働関係の特徴 ①日本の労働関係の人間的・共同体的性格 Q.働く人と会社の関係は、「労働と賃金との交換契約」か、「会社という共同体への人的帰属関係」か。日本は後者が想定的に強い。 それは、終身雇用(長期雇用慣行)を中心とした日本的雇用システムのあり方を密接に関わる。(定年まで雇用、余程のことがない限り従業員を解雇しない) 日本は、就職 というより 就社。 職業に対して就くというより会社に就く。 欧米…労働者(worker)、被用者(employee)という言葉に対し、日本は会社員という言葉。(最近は従業員か) ②日本は、就業規則に重きをおく アメリカは個別の交渉による労働契約、ドイツフランスは、労働組合との団体交渉による労働協約 に相対的に重要な役割。日本は、就業規則にほぼすべての労働条件が記載。変更内容が合理的であれば、変更に反対している労働者がいても労働者全体を拘束するもの。 □.労働法の法源(法源…権利や義務を根拠づけられるもの)  強い①→④弱い ①法律(強行法規) … 労働基準法、最低賃金法、労働契約法、育児介護休業法など  ②労働協約(規範的効力)… 労働組合法16条   ③就業規則(最低基準効)… 労働契約法12条 ④労働契約… 明示(・黙示)の合意、民法など

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2013/09/11

非常に分かりやすく、分野も網羅的で、背景から今後の展望まで描かれていた。 ただ「かく規制されている」だけではなく、「なぜ規制されているか」まで説明してくれる。 新書としては重いが、教科書を読むよりは遥かに手軽。入門としては最適だと思う。

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2013/02/01

とてもわかりやすく書かれていたので、その口調に引きこまれて読んだ。 これとセットで濱口桂一郎の「新しい労働社会」を読みたい。 でも結局、結論として「日本人の法意識」に収斂されてしまっていったので、その「法意識」をどう形成するかにもページ割いて欲しかったな、と思う。

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2013/01/16

1/16読了。著者は東大の社研教授。そもそも労働法が生まれた歴史的背景から始まり、比較法的に日本の労働法制について概説しています。また、主要な判例法理は網羅し、最新の判例動向もフォローしているほか、労働者が困ったらどうすべきかを手ほどきしたり、今後の労働法はどうあるべきかを問題提...

1/16読了。著者は東大の社研教授。そもそも労働法が生まれた歴史的背景から始まり、比較法的に日本の労働法制について概説しています。また、主要な判例法理は網羅し、最新の判例動向もフォローしているほか、労働者が困ったらどうすべきかを手ほどきしたり、今後の労働法はどうあるべきかを問題提起していますので、新書ながら盛り沢山の内容になっています。お手軽に労働法全体を見渡したい方や労働法を本格的に勉強する前の一冊としてもオススメです。

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2012/12/02

労働法の入門書。日本の労働法の成り立ちについて、日本の労働慣行との関連から解き明かされる。また、雇用慣行の変化に伴う今日的な労働法上の課題についても検討されている。 国家による労働者の基本的権利の保護の要請、多様化した個人の選択や決定を重視する要請、そして、国家や個人の限界を補...

労働法の入門書。日本の労働法の成り立ちについて、日本の労働慣行との関連から解き明かされる。また、雇用慣行の変化に伴う今日的な労働法上の課題についても検討されている。 国家による労働者の基本的権利の保護の要請、多様化した個人の選択や決定を重視する要請、そして、国家や個人の限界を補完する「集団」の役割の重要性。これら3つのバランスをとりながら、労働法の改正が行われることが必要となる。

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2012/09/27

社労士の勉強の為に読んだ。過去の歴史が書かれていて法ができていく過程と背景がわかり参考になった。国によって労働に対する視点が違っている。大前提は自由意志による契約。しかし、弱くなりがちな立場の労働者を守るため法の強制力が働く。 ①解雇の原則  アメリカ=いつでも理由なく解雇できる...

社労士の勉強の為に読んだ。過去の歴史が書かれていて法ができていく過程と背景がわかり参考になった。国によって労働に対する視点が違っている。大前提は自由意志による契約。しかし、弱くなりがちな立場の労働者を守るため法の強制力が働く。 ①解雇の原則  アメリカ=いつでも理由なく解雇できる。  フランス、ドイツ=解雇の経営判断については、会社の判断を尊重。  日本=解雇に対して、かなり厳しい規制が加えられている。 ②労働者、使用者の概念にも労働基準法、労働契約法、労働組合法で違いがある。 ③これからの労働法の姿  国家(法律)、集団(組合)、個人の3つがよい関係性をもってよい方向に進んでいくことが必要。

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