詳説“統帥綱領" の商品レビュー
「統帥綱領」の存在を初めて知ったのは「目黒警察署物語―佐々警部補パトロール日記」(佐々淳行)だったと思う。その後「陸軍士官学校の人間学」(中條高徳)でも取り上げられていて、ぜひ読んでみたいと思っていた。 今回、読んでみて感じたのは、書かれている多くの場面が具体的に想像できなかっ...
「統帥綱領」の存在を初めて知ったのは「目黒警察署物語―佐々警部補パトロール日記」(佐々淳行)だったと思う。その後「陸軍士官学校の人間学」(中條高徳)でも取り上げられていて、ぜひ読んでみたいと思っていた。 今回、読んでみて感じたのは、書かれている多くの場面が具体的に想像できなかった(=内容が理解できなかった)こと。そのため、それをどのように職場に応用すれば良いか(これが読んでみたいと思っていた大きな理由)もよく分からなかった。 著者はポイントとして、ビジネスシーンへの応用例を挙げているのだが、どうも本論とは的外れなような気がして仕方ない。 結局、これを読むには、その内容を理解する能力が必要であり、当時これを読んだ高級指揮官は、それまでに陸軍内で相応の教育を受け、その内容を理解できる能力を持っているのだと思う。 そう言った意味で、前二著の作者は、その内容を自分の経験と合わせて、読者に紹介していたように思う。
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現在ビジネスに置き換えての解説が我田引水というか強引というか鼻につくというかポイントがずれてる。 各項目の口語訳と評価、実態との違いなど、他に力を入れるべきところがあったと思う。 これを種本に会社で語り始めたら立派なジジイ、という指標になりそうな本。
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著者の解説は中身が浅く不要。 本書は、旧日本陸軍の高級将校向け作戦指導書である「統帥綱領」の中身が、新書の手軽さで読めるということのみに意味がある。 ビジネスに活かせそうな内容は、将校の資質についてかかれた前半の項目の一部である。
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※このレビューにはネタバレを含みます
日本陸軍については人によって様々な想いがあるだろう。けれどもその全てが間違いだったわけではない。本書では日本陸軍の機密バイブルだった『統帥綱領』を蘇らせている。リーダー不在の今こそこの本が必要とされているのかも知れない。(三浦崇典) ▼『ジセダイ』140文字レビューより http://ji-sedai.jp/special/140review/20111014.html
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本当は解説など必要なかった。私は、「統帥綱領」そのものを読みたかっただけなのだ。「軍事機密」「”門外不出”の作戦指導書が現代に甦る!」と帯にある。<統帥綱領>そのものを読みたかったのだが、読んでみると「1.本文」「2.主に近代戦を例に出しての解説」「3.ビジネスに活用する『ポイン...
本当は解説など必要なかった。私は、「統帥綱領」そのものを読みたかっただけなのだ。「軍事機密」「”門外不出”の作戦指導書が現代に甦る!」と帯にある。<統帥綱領>そのものを読みたかったのだが、読んでみると「1.本文」「2.主に近代戦を例に出しての解説」「3.ビジネスに活用する『ポイント』」となる。 正直に言おう。まったく面白くない。特に、「3.ビジネス活用ポイント」なんかは反吐がでるほどだ。 ゆえに本書の「解説」「ポイント」はさておき、現存する全<統帥綱領>本文についてのみ感想を書くと、実は、恐ろしいほどのビジネス書っぷりが発揮されている。官僚や組織が大きくなるとマニュアル化がすすみ、それを指導する立場の人間は規格を作り、指導者までもマニュアル・明文化し、定義していく。作戦においてもこれが正解であるといわんばかりの方法論を羅列していく。もちろん、「この時は退却せよ」などと書いているわけではなく、例えば「56.会戦指導の方針ひとたび確定せば、状況の変化に幻惑せらるることなく、明快なる判断、堅確なる意志をもってこれが遂行を図り、如何なる場合といえども、作戦の根本目的を逸するが如きあるべからず。」とある。これは、何を伝えているのか。 1)上からの作戦を守れ。 2)自分で判断し、逐次最良の方法を選べ。 ということなのだが、この文章を必要とするのは如何なる人間なのだろうか。明文化すると陳腐化する思想と高等化する思想がある。 崇高な作戦意志が陳腐化する第一段階にこのような組織指導者のためのマニュアルがあるといっても過言ではない。 この本でよくわかることは、指導者にはマニュアルはないということであった。そのことは、56を読めば書いてある。
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