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成熟という檻 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2014/02/01

ホラーにみられるような非人間的な秩序への恐怖 ルールに逆らえば死ぬ。それゆえにルールに従い続ける(魔法少女としてタフになっていく)が、それは未来がない、多様性がないという意味でゾンビと変わりがない。 世界が改善できないならタフになる=「成熟」する意味とはなにか 全体主義者、予言...

ホラーにみられるような非人間的な秩序への恐怖 ルールに逆らえば死ぬ。それゆえにルールに従い続ける(魔法少女としてタフになっていく)が、それは未来がない、多様性がないという意味でゾンビと変わりがない。 世界が改善できないならタフになる=「成熟」する意味とはなにか 全体主義者、予言者としてのインキュベータ ある一つの理想のもとに社会を誘導し、そこに反逆するものを排除しようとする 宇宙の「条理」によって未来を予測できる 「理」=インキュベータ、「愛」=ほむら、「正義」=まどか、の折衝 TV版の最後には一応の均衡状態になる 契約して魔法少女となり、戦いの運命を選ぶことが成熟の象徴だとするなら、まどかは成熟する限りタイムループから抜け出せない。 魔法少女となることが成熟を意味するのであれば、彼女たちは成熟することによって自由を失いゾンビにされてしまう。 ヒーローとしての側面 英雄であり続けなければ死ぬ。ゾンビ化 「理」「愛」「正義」のせめぎあいだとみる視点、それは保健室に向かう渡り廊下のシーンにも表れているというのはなるほどと思った。これは叛逆の物語にもきれいに当てはまるように思える。「理」が強すぎるTV版全般、「正義」が均衡状態に押し戻したTV版ラスト、そして「愛」がすべてを呑み込んだように見える叛逆の物語。叛逆の終盤でも渡り廊下は重要な場面になる。ほむらの表情はわかりあえないという悲しみが出ているようにも思える。

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2013/03/01

美少女アニメとホラーを結びつけた時点でもう大満足。作者のトークショーにも言ったが、クラスタが被りにくいからと控えめに書いたそうだ。トークショー後に直接話す機会があり、本には無い呪怨との関連性などで盛り上がった。公式認定批評本は唯一。作者が普段アニメに一切関わらない点が、逆に魅力的...

美少女アニメとホラーを結びつけた時点でもう大満足。作者のトークショーにも言ったが、クラスタが被りにくいからと控えめに書いたそうだ。トークショー後に直接話す機会があり、本には無い呪怨との関連性などで盛り上がった。公式認定批評本は唯一。作者が普段アニメに一切関わらない点が、逆に魅力的な作品を作った。

Posted byブクログ

2012/12/15

サブカルチャー。 まさにその一言で、ゾンビとヴァンパイア。 などの解説が載っています。 なんていうか、解説はすごく役に立ちそうですね。 そういう考え方をしながら書くこともできるんだという再認識。 まどかマギカの要素はちょっと少ないと思います。

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2011/12/26

まどかマギカの本格的な評論。 丹念にストーリーを追いながら、シナリオがいかに緻密に構築されているかが良く分る。 まどマギを見て抱いたある種の違和感を解消するにはうってつけの好著。

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2011/11/18

C0074 当該作品の解釈をいろんな引用を使って語っています。引用元は、半分も分かればすごいです。「マミの死」は、しばらくフェイクだと思っていました。なので、わりと素直な解釈とは思うのですが、当時は、そこまで深読みしていませんでした。

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2011/09/19

恐らく『まどか☆マギカ』の第一発目の評論書籍。 まどマギにハマったので読んでみたが、 まず本作との対比させるネタの説明にページ数を使いすぎているような気がした。 リング・ゾンビ・エヴァンゲリオン・・・etc 台詞は太字で記載されており、 何気ない本作の台詞がその後の解説により...

恐らく『まどか☆マギカ』の第一発目の評論書籍。 まどマギにハマったので読んでみたが、 まず本作との対比させるネタの説明にページ数を使いすぎているような気がした。 リング・ゾンビ・エヴァンゲリオン・・・etc 台詞は太字で記載されており、 何気ない本作の台詞がその後の解説により、重い意味や裏の意味として捉えることができた。 本書を読んだ後に、またまどマギを最初から視聴してみると、また違った角度から楽しむことができるのでオススメ。

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2011/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「成熟」という主軸となるテーマ以外にも、『まどか☆マギカ』という物語に含まれる三つの反復活動に関する見解や、「理」「正義」「愛」のモアベターな均衡点としてラストのカットを解釈するなど、初の評論本としては非常に色の強い文言にあふれた良書であると感じた。 物語後半から組み込まれた高度なSF的要素にしても、一つひとつ参考資料を用いて論理的に説明している点も、こちらの分野に明るくない人間にとってはありがたいものだろう。(近年の注目作品も用いられているため、未読書に関して重要部分のネタバレが発生してしまうところについては、評論本という形であるために仕方のない部分であるが) 最終回やその後の彼女たちの世界について、全てに納得のいく論ではなかったが、大部分では著者と同じ見方でこの物語を楽しめたのだと思う。 著者は最後に ――論者の個性をなるべく抑えて、作品のスタンダードな解釈を築くことを目的とする―― とあるが、本書においては、その抑えきれなかった論者の個性の部分を自分の感じたものと照らし合わせることで、この作品により深く入り込むことが出来た。 本書をもとに、さらなる個性的な見解に満ちた『まどか☆マギカ』論と出逢えることに期待したい。

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2011/09/01

トゥギャッタで、論の持っていきかたが強引だし、成熟というテーマを扱っているというのは的外れではないの?というような感想が上がっていた記憶があるが、確かに論証が強引なのは気になる。 が、批評の論証など自分の言いたい結論に持っていくまでの、でっちあげみたいなもんじゃないかと私は思って...

トゥギャッタで、論の持っていきかたが強引だし、成熟というテーマを扱っているというのは的外れではないの?というような感想が上がっていた記憶があるが、確かに論証が強引なのは気になる。 が、批評の論証など自分の言いたい結論に持っていくまでの、でっちあげみたいなもんじゃないかと私は思っているので、そこはまあいいんじゃないの、と思う。 で、本の感想だけど、著者の言うテーマは妥当だが、それらをさらに包括する真のテーマがあるんじゃないの?というのが読み終わった感想。 とは言え少なくとも副次的にせよ成熟を扱っているのは確かだと思うし、「条理」「正義」「愛」がバランスをとって折衝したのが、肩にQBを乗せ、まどかそっくりの弓を構えるほむらの姿だというのは面白かった。いろいろ頷けるところも多く、面白かったので星4つ。 ただいちばん知りたかった「希望と絶望が差し引きゼロ」と、「まどかはどういった正義を打ち立てたのか」は解明されないままだった。 後者は、まあおそらくアニメの中で「どうやって打ち立てたのか」がフィクションだからこそできるインチキ、で描かれているからわかりにくいのだろうが(ほむらのループでまどかの魔力が高まるなんてありえない!) 成熟への懐疑がテーマではないのか、という著者の主張には、たとえどれほど成熟を阻まれようとも、誰も不幸にしない成熟を目指せ、正義を実現しろ、というメッセージを私はこのアニメに感じた、と反論しておきたい。 ま、買ってよかった。 追記 やっぱループで魔力が高まるのはアリだわ

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