リベルタスの寓話 の商品レビュー
民族紛争という主題そのものが、平和ボケした島国に暮らす日本人にはどうしても理解が難しいなあ、ていうことが第一印象。知識としてすら知らないことが多いからなあ…。 表題作に関しては、創作寓話と絡めたトリックが相変わらず島田荘司らしい説得力で読ませます。その状況にどう現実味持たせるの...
民族紛争という主題そのものが、平和ボケした島国に暮らす日本人にはどうしても理解が難しいなあ、ていうことが第一印象。知識としてすら知らないことが多いからなあ…。 表題作に関しては、創作寓話と絡めたトリックが相変わらず島田荘司らしい説得力で読ませます。その状況にどう現実味持たせるのよ?!てとこに見事に現実感をこじつける手腕が絶品。まさか臓器を抜いたのが××××ことを隠す為とは…。難を挙げれば、RPGを絡めたせいでページの割りに詰め込みすぎた感があることでしょうか。どうせならもう少し軽い扱い方でも良かった気がしますが、島田先生はこの世界が書きたかったんでしょう。仕方ない…。 「クロアチア人の手」は名探偵不在の助手活躍譚ということで期待大だわ〜(*^ω^*)ガンバレ石岡くん!で読み始めたんですが…部屋入れ替わってたりピラニアに食べられてたりの不可解性も文句無しなのですが… そ の ト リ ッ ク 厳 し く な い で す か 島 田 先 生 !! これは昔からの島田ファンも唖然としたと思います。絵的には面白そうだけど。 ●リベルタスの寓話…心臓以外の臓器が取り出され、電球や携帯電話、ホースなどが詰め込まれた死体がボスニア・ヘルツェゴビナで発見された。 その死体の周囲には、敵対する民族の死体が並び、それらは性器が切り取られていた。しかし、最重要容疑者には絶対のアリバイがあった…。 ●クロアチア人の手…一旦施錠されれば外からは出入り不可能な部屋の中、水槽に顔を突っ込んだ溺死体が発見された。同時刻、死体の友人は車に跳ねられた衝撃で爆死するという不可解な事件。御手洗が不在の中、助手の石岡は助言を請いながら解決に乗り出すが…。
Posted by
むちゃくちゃ久しぶりに読んだ王道・島田荘司。民族紛争とかRMTとか、社会的風刺を入れようとしてるのがどうにも中途半端。分離してる感が。もう少しミステリを丁寧に描いてるイメージだったんだけど…あと登場人物の名前が覚えられなくて混乱。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ロシア幽霊軍艦事件」と同様、ヨーロッパの暗黒史に材をとったもの。 微妙に交錯するふたつの事件をうまく構成しているのはさすが。 事件自体はそれほど、面白いものじゃない。 むしろ、そこに至る動機や暗黒史の方が読み応えがあった。 ただ、RMTがそれほどのマーケットになっているというのは 少しリアリティにかけた。(自分が知らないだけだろうけど) あと、石岡君の活躍がもっとみたかった。
Posted by