パパと怒り鬼 の商品レビュー
心の奥にしまっていた辛い経験、もしかしたらあったかもしれない。 自分では原因のわからない不安がある方に、 自分を愛し、親を許すために、読んでほしい。 そして、不幸の連鎖を断ち切るために…
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『We』読者の荒川ユリ子さん(ノルウェー男女平等の本を出版する会)や中田慶子さん(DV防止ながさき)が日本語版の出版に奔走してきたノルウェー絵本『パパと怒り鬼』が、8月にひさかたチャイルド社から出た。 物語もいいのだけれど、絵がいい。原画を見たいなーと、絵本を手にしたときから思...
『We』読者の荒川ユリ子さん(ノルウェー男女平等の本を出版する会)や中田慶子さん(DV防止ながさき)が日本語版の出版に奔走してきたノルウェー絵本『パパと怒り鬼』が、8月にひさかたチャイルド社から出た。 物語もいいのだけれど、絵がいい。原画を見たいなーと、絵本を手にしたときから思う。たぶんコラージュが多用されていて、絵の奥行き、ページによっては画面におさまらないようなエネルギーを感じるのは、こうした技法もあるんやと思う。 主人公はボイ。パパとママと暮らしている。絵本は、怒り鬼につかまり、火を噴き、燃えるパパの姿を描く。赤く、黒く燃える怒り鬼は、何もかもを壊す。ようやく怒り鬼が燃え尽きたあと、背をまるめて、パパは泣く。もう怒ったりしない、二度と乱暴しない、涙をしたたらせながらパパは約束する。もう何度も言ったせりふ、もう何度もした約束。 ボイは思いきって手紙を書く。「パパはなぐります。ぼくのせいでしょうか?」 王さまにあてた手紙は届き、王さまは「きみがわるいんじゃないよ」とボイに話しかける。そしてパパには、怒り鬼よりあなたのほうがもっと強いの、変われる機会はあるのだと伝える。 この絵本は「話してごらん、だれかに」と呼びかける。怒り鬼にのみこまれたパパの暴力に苦しむボイは、目の前のDVを家の外で話してはダメだと口止めされて二重に苦しむ。けれど話すことで、変わるかもしれない。その希望をボイに託した物語。
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