CIA秘録(下) の商品レビュー
下巻ではケネディから現代までの活動が載っているが、イランやグアテマラの作戦と比べて失態をおかすばかりで、とくに同時多発テロ事件が悲惨であった。この時期のCIAは、中国語、朝鮮語、アラビア語、ヒンディー語、ウルドゥー語、ペルシャ語など、地球上で多く使われる言語に対応できる人材は不...
下巻ではケネディから現代までの活動が載っているが、イランやグアテマラの作戦と比べて失態をおかすばかりで、とくに同時多発テロ事件が悲惨であった。この時期のCIAは、中国語、朝鮮語、アラビア語、ヒンディー語、ウルドゥー語、ペルシャ語など、地球上で多く使われる言語に対応できる人材は不足していたこと、またそれゆえにこれらの地域に関する無知から、組織として大打撃を受けるようになる。そのため組織改革をせざるを得なかった。 また第46章では日本について言及されている。これによると、1972年までCIAは政府要人に金銭上の直接支援をしたとあり、それ以降は秘密裏の政治的つながりがあったといわれる。冷戦終結後のクリントン政権では、経済諜報という本来の業務とは無関係なことに力を入れていた。 本書の最後に著者が指摘しているが、多くの人がCIAは万能な組織だと思われがちだが、それはアレン・ダレスが作り上げた神話で、実際のところは上記にあるように失敗した例がほとんどである。しかも組織が巨大化するにつれて、分析部門の軽視やヒューミント能力の欠如を招いた。ほかにも数々の問題点があげられるが、いずれにせよCIAはフィクションのように完全無欠な存在ではない。
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訳が今ひとつで、日本語になっていないところが多く、理解が難しい箇所がある。文春は、何回読み返したのだろう。 内容は、すばらしい。現存する資料を基に説得力ある論述となっている。結局、人は戦争をやめられないと言うことだ。ナチスが滅亡すればソ連が台頭し、ソ連が崩壊すればアルカイダが出...
訳が今ひとつで、日本語になっていないところが多く、理解が難しい箇所がある。文春は、何回読み返したのだろう。 内容は、すばらしい。現存する資料を基に説得力ある論述となっている。結局、人は戦争をやめられないと言うことだ。ナチスが滅亡すればソ連が台頭し、ソ連が崩壊すればアルカイダが出現する。アルカイダをたたいてもイスラエルが再び戦争をはじめている。覇権争いはなくならないし、虐殺、陰謀、貧困はなくならない。人の6000年に及ぶ歴史が物語っているし、人間だって動物の摂理に基づく行動しかできない。ライオンはシマウマと仲良くなれないのと同じだ。 それにしても、日本の対諜報はオソマツ極まりない。厳しいスパイ防止法施行が求められる。
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CIAの無邪気さについて。情報収集の能力もなく、情報検証の能力もなく…。イラク戦争における大量破壊兵器の存在は、陰謀などではなく、単なるCIAの無邪気さによるものだという印象です。
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CIAの誕生から現代までを追ったノンフィクション。個人的には日本における工作の部分が興味を惹いた。 普通の「告発本」と違うところは末尾に筆者によるソースノートが書かれているところ。 もしかしたら超大国は莫大な力を持つが故、わざわざ諜報能力を発達させずに「力による解決」をしたが...
CIAの誕生から現代までを追ったノンフィクション。個人的には日本における工作の部分が興味を惹いた。 普通の「告発本」と違うところは末尾に筆者によるソースノートが書かれているところ。 もしかしたら超大国は莫大な力を持つが故、わざわざ諜報能力を発達させずに「力による解決」をしたがるのでは、とも感じた。
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純粋なノンフィクションとして裏付けるソースノートには、脱帽。 諜報機関がゆえに、謎めいた組織であるCIAの決して笑えない様な実態を理解させてくれる。 次回作は、FBI、 国防総省とアメリカを知るには欠かせないテーマと必ず読みたい。文庫化の暁には。
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ギャグ100連発。 CIAは永遠に変わりそうに無いw あと、拷問は「拷問者が聞きたい自白」を生むってことを忘れすぎかな。
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