安心ひきこもりライフ の商品レビュー
第2回ビブリオバトル関西大会inいこまで紹介された本です。 Dグループチャンプ本。 2015.3.22
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ある種露悪的に語る当事者の日々。 ゴールを目指すための本ではなく、今日一日を生き抜くための心持ちが記されている。障害年金に関してマニュアルとしているのは、生きるために必須だからだろう。 支援者では言えない明け透けな言葉だから救われる。
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ひきこもりマニュアル? ダディ、ママン という洒落た言い方や 皮肉のきいた文章がいいですね バカ息子とクソジジイもいいですね
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私は、ひきこもりの「名人」という称号ってひきこもり経験を活かしたり売りにしたりして何かしてるからかなとなんとなく思っていたんだけど、国の保護の対象となって福祉に支えられるようになったひきこもりのことだったんだなぁ
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働けるならまだいいが、まともに働くのが難しい人だっている。病気やケガ、介護や子育てなど、いろんな理由があるが、そのなかでもかなり正当化が難しいのが「ひきこもり」だろう。だいたい、人は働かないことに対して罪悪感や焦りの気持ちを持つものだが、〈ひきこもりであるなら就労について考える...
働けるならまだいいが、まともに働くのが難しい人だっている。病気やケガ、介護や子育てなど、いろんな理由があるが、そのなかでもかなり正当化が難しいのが「ひきこもり」だろう。だいたい、人は働かないことに対して罪悪感や焦りの気持ちを持つものだが、〈ひきこもりであるなら就労について考えるのではなく、忘れてしまうのが正解です〉と言い切ってしまうのが本書。この道20年、いまや立派なベテラン選手である著者が、ひきこもりの実態を紹介しつつ、家族への対応、経済問題の解決法、さらにはどうやって不安から逃れて「涅槃」(安心の境地)へと至るのかという精神面の指南まで行っている。曰く〈今できないことは一生できない。努力しない。安心ひきこもりライフ辞書に、可能の文字はありません〉まずは諦めることが心の平安のためには肝要らしい。 はや中年にしてまだ親元暮らし、精神疾患で障害年金を受け取っている著者を「恵まれている」と感じる人もいるだろう。しかし、実際「働けない人」はいるのだ。そうした人は肩身狭く、生きていて申し訳ないと思いつつ生きろと? 勝者がいれば敗者がいるのは当たり前。読む人によっては言い訳と強弁だらけと思えるかもしれないが、自分を敗者と認めたうえでプライドをもって生きるための指南書として、読む価値がある。
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ひきこもり歴20年の著者の勝山さん、あらゆるひきこもりの葛藤と悲喜こもごもを乗り越えて、ひきこもりの生き様を受け入れて、どっしりと構えて、涅槃の境地に至る。高望みもせず開き直ってしまえば家庭内不和でも小銭を拾って障害者手当をもらう状態でもあんがいなんとか生きていける。それにしても...
ひきこもり歴20年の著者の勝山さん、あらゆるひきこもりの葛藤と悲喜こもごもを乗り越えて、ひきこもりの生き様を受け入れて、どっしりと構えて、涅槃の境地に至る。高望みもせず開き直ってしまえば家庭内不和でも小銭を拾って障害者手当をもらう状態でもあんがいなんとか生きていける。それにしてもひきこもりと言う割には、交友関係も恵まれてるし、甥っ子の遊び相手になったりとコミュニケーション力はあるように思える。
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なかなか面白い。がんばんなくていいよっていう。著者のメッセージがささくれだった日常にやさしく語りかけてくれた。
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ひここもり20年の著者の本。 彼のすごいところが独自の理論を延々と並べたて推論し、それを壁のように自分の周りへ張り巡らせるところ。 結論からいうとどんな人生もあり。 そしてその中にある自分の景色をしっかり見つめ、そして自分なりの楽しみを見つけ出し、それを客観的に眺める視点が...
ひここもり20年の著者の本。 彼のすごいところが独自の理論を延々と並べたて推論し、それを壁のように自分の周りへ張り巡らせるところ。 結論からいうとどんな人生もあり。 そしてその中にある自分の景色をしっかり見つめ、そして自分なりの楽しみを見つけ出し、それを客観的に眺める視点があれば、発展していくことなんだと知る事が出来ました。 そう思っているからひきこもれる。 ひきこもっても生きていく環境が整っているんだと思います。 このまま続けるのもよし、軌道修正するのもよし。 どんどん自分を探求していってほしいです。 ダメダメな自分をひらきなっていえるところがある意味でいいと思います。 人生何事も経験してみるのは世界の見え方がちがいますのう~
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「夢や希望ってさ、単なる不安と恐れの裏返しじゃねえか」と「労働=奴隷であり煩悩でもある」、だから「働いたら負け」の論理をそれなりの説得力を持って説明できているのは体験者ならではだなと思う。ちょっと文章がチャラくて読みにくいのが難点だが、もう少し固めに書けば社会学本のジャンル入りす...
「夢や希望ってさ、単なる不安と恐れの裏返しじゃねえか」と「労働=奴隷であり煩悩でもある」、だから「働いたら負け」の論理をそれなりの説得力を持って説明できているのは体験者ならではだなと思う。ちょっと文章がチャラくて読みにくいのが難点だが、もう少し固めに書けば社会学本のジャンル入りするレベル。ひきこもりの歴史や自立・就労支援と称し矛盾だらけの施策で弱者を食い物にする学者・団体への痛烈な批判も興味深い項目。「働かない人間は地獄に落ちる」って言う人間はカルト宗教と同じ邪教の信者には笑った。 但し、障害者年金受給関係の体験マニュアル的な記述はちょっとやりすぎたかなあという感じ。必要なら仕方ないのだが、制度の紹介程度に留めた方がよかったのでは。こういうのが流布してフリーライダーのオイシサに国民が目覚めたらちょっと厄介かもなと。 あとがきの「現実くん」と「大丈夫くん」もオモシロい。両者のバランスが生活の質を決めるというのはひきこもりに限らず万人に共通する事だと思う。
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「勝ち犬・負け犬じゃない、狛犬だぜ!」(『We』183号)の槙さんと話していて出てきた本を読む。図書館で借りた本の表紙を見て思い出したが、出た頃に(読んでみたい)と思ってチェックしたまま忘れていたやつだった。 私とあまり歳のかわらない著者の勝山さんは、ひきこもり歴20年という...
「勝ち犬・負け犬じゃない、狛犬だぜ!」(『We』183号)の槙さんと話していて出てきた本を読む。図書館で借りた本の表紙を見て思い出したが、出た頃に(読んでみたい)と思ってチェックしたまま忘れていたやつだった。 私とあまり歳のかわらない著者の勝山さんは、ひきこもり歴20年という。その経験をもとに、悪いひきこもりの暗黒面(親を見返してやろうという怨念、親の期待に全部応えて黙らせてやるというどす黒い欲望、就労活動についやしたがゆえの挫折感、後悔、自己否定、劣等感、等々)について、ひきこもりビギナーたちに、同じ轍を踏まぬよう注意を与えつつ、「安心ひきこもり」への道を説く。 勝山さんの話は、"ひきこもりをいかにして就労させ、社会参加させるか"という、ひじょうによくある問題設定をぶっとばしていて、そこがぐぐっとおもしろかった。槙さんが"就労支援してる気はない"、"仕事=ゴールとは思ってない"と言うのに通じるとこだと思う。 ▼詰め込み教育だろうと、ゆとり教育だろうと学校で身につくのは学力ではなく、奴隷力です。工業生産向きの奴隷力を生徒に押しつける。競争で勝ち残ったやつが偉いという常識に対して、ひきこもりができることは「参加しない」ということに尽きます。(p.13) ▼人間は一人ひとり違うだとか、人生まわり道したっていいと言っておきながら、最終的には賃金労働者になるというたったひとつの頂上しか知らないような、自立支援ツアーに参加して遭難することのないよう、ひきこもりヤングはくれぐれも注意すべきです。(p.69) 参加しない! これヤロ、という気がした。 ▼ひきこもり支援は、現在の社会を維持したまま社会の外側にいる人間を社会の内側に放り込むのではなく、社会を変化させるものでなくっちゃいけない。ひきこもりでもやっていけるぞ、そんな気骨が大切なのです。例えば…働かないのに死なないひきこもりは、格差社会を支配している「働かないと死ぬしかない」という恐怖をやわらげるでしょう。アイツら生きているじゃないか、この現実が社会の最底辺を持ち上げます。(p.225) 社会を変化させるものでなくっちゃ、というところがイイ。 ▼怠けるとは21世紀を生きる現代人が身につける社会性のひとつだと思います。一人ひとりがきちんと怠けることで、戦争もなくなるのです。(p.182) そうだ、たぶん。怠けて、だらーんとしていて、ぼんやりしていて、それで戦争につっこむことにはならへんやろう。 ▼半人前を切り捨てるのではなく世の中に半人前を取り入れ、自由に出入りできる仕組みを作る。それが、多くの人に幸せを与える。半人前理想主義万歳。(p.94) 自由に出入りできる仕組みは、どうやったら作れるか? 槙さんは、「宮澤賢治やシュバイツアー博士や野口英世や一休さん、キュリー夫人…誰もサラリーマンいてないですよね」と言っていた。就活=会社に入る、ということではないだろうと思うが、世間様ではそういうことになっているらしい。会社に入れないと大変なことになる…といわんばかりの就活中の不安が、就職できたら消えるんかというと、そうでもなさそうだ。 ▼○○しないと大変なことになる。これには実態がない。わからないものに恐怖している、わからないから恐怖を感じる。脱ひきこもりをかけて必死に働いても、この恐怖と不安はなくならない。働けば、新しい恐怖と不安が現れるのです。就労とそれで得たものを維持し続けなければいけない。そんな恐怖に怯えることになります。いかがなものでしょうか。(p.87) なんとなく学校へ通い(通うことができ)、なんとなく就職して(就職できて)、多少の愚痴をこぼしながら働いている自分を振り返る。なんども職場を替わりながら、アップというよりは、むしろダウンしていって、できることなら、もう少し降りたいと思っているいま。「働く」って、自分にとって何やろうと、つくづく考える。 (4/4了)
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