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2015/12/08

学校の図書室にてのレンタル。初期のアルツハイマー病であるエミリオが、老人介護施設に入れられ、残酷な老という現象と戦っていく話ですね、凄く胸が締め付けられるように切なくなりました。こんなに愛おしく愛すべき人間なのに自身の思いとは裏腹にアルツハイマーは進行していく、なんて病とは残酷な...

学校の図書室にてのレンタル。初期のアルツハイマー病であるエミリオが、老人介護施設に入れられ、残酷な老という現象と戦っていく話ですね、凄く胸が締め付けられるように切なくなりました。こんなに愛おしく愛すべき人間なのに自身の思いとは裏腹にアルツハイマーは進行していく、なんて病とは残酷なんだろうと感じました。しかし、ドローレスとドメスト夫妻のあのエピソードは意識がなくても昔の記憶は僅かは残るのだと感じまだ希望はもてたと思いました。灯台の話も普通に面白かったです。

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2015/10/03

おすすめ資料 第163回 (2012.11.9)   教育をテーマにした優れた映像作品等に贈られる「日本賞」(NHK主催)。 2012年の授賞式は10月25日に開催され、最優秀賞はスペインのアニメーション映画『皺(しわ)』が受賞しました。 原作はスペイン・バレンシア生まれのマ...

おすすめ資料 第163回 (2012.11.9)   教育をテーマにした優れた映像作品等に贈られる「日本賞」(NHK主催)。 2012年の授賞式は10月25日に開催され、最優秀賞はスペインのアニメーション映画『皺(しわ)』が受賞しました。 原作はスペイン・バレンシア生まれのマンガ家、パコ・ロカによる同名コミックArrugasです。 老人ホームで暮らすふたりの男性の友情を通して「老い」を描いた本作品は、スペインから遠く離れた日本でも身近なテーマとして読むことができるでしょう。 日本語版には、スペイン内戦を扱った「灯台」も同時収録されています。 こちらの作品もスペイン語版El faroを図書館で揃えています。合わせてどうぞ。

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2013/06/10

バンド・デシネあるいはバンドシネ、略してB.D. 言葉自体を知ったのはごく最近で、「え、なに?BL?」と勘違いした残念極まりないあたしであった。 気を取り直してB.D.とは、ベルギー・フランスを中心とした地域のマンガのことらしい。一番有名なものはタンタンの冒険、あれだよ、とい...

バンド・デシネあるいはバンドシネ、略してB.D. 言葉自体を知ったのはごく最近で、「え、なに?BL?」と勘違いした残念極まりないあたしであった。 気を取り直してB.D.とは、ベルギー・フランスを中心とした地域のマンガのことらしい。一番有名なものはタンタンの冒険、あれだよ、といわれたらわかるのではないだろうか。英語に訳すとComic Stripsということで、「帯状のマンガ」のこと。(もちろんここでまたいささか下世話な想像をしたことはいうまでもない・・ははは) 英語やフランス語は左から右に流れるので、絵本の見開きも圧倒的に左綴じで左>右にめくってゆく本が多い。目線は一定のまま左~右に流れるのでたいへん自然。以前日本語を学びかけていた海外の人に日本語は縦に流れて右から左に展開するから右綴じが多いんだよ、でも最近は横書きもあるからその場合は左綴じもありだよ、っていったら、本を手に取るまでどっちが開くか分からないなんて非常にエキサイティングだよね、でも、縦横と左右に目を動かしてたら、目が回りそうと笑っていた。 ちなみに彼女は縦書きにこだわってメールをくれたが、失敬・大爆笑しちゃったことがある。 デ ー ト は 楽 し か っ た ? いつまでたっても本題に入れないが、この作品。B.D.テイストの詰まった絵本である。全体に丸い造形と、明度と彩度が少し引き下げられた、ほんのり目に優しいカラリング。最初のストーリー、「皺」で描かれるのはアルツハイマーの気のあるエミリオと、相部屋のミゲルを中心とした、養老院の日々。愛想よさそうに見えたミゲルはなにかと年寄りからカネをむしっており、他の老人たちもみな、なんとなく手に余るヒトビトとして描かれる。日がな窓を見て、汽車旅行をしているつもりの女性。ひとりになったら宇宙人にさらわれると怖がる女性。夫婦で入居して奥さんは他の男性といちゃいちゃし始めてしまい、それをじっと眺める夫。でもその夫も実は、奥さんかどうかさえもわかっていないのである。 でもその1階にいる面々はまだ、幸せなのだった。2階はみないほうがいい、とミゲルは言う。2回に行ったらもうそいつは終わりだ。2階は要介護者だけのフロアだったのである。 2階にだけは行きたくない、そういうエミリオにミゲルは知恵を授ける。いわく、服装を整えることが第一だ。服がきちんと着られていればそれは、頭もちゃんとしているってことなんだからな。 しかしエミリオはすこしずつ、いろいろなことがわからなくなってしまう。ミゲルがこれは服、これは靴下、と体のいたるところにマークをつけてくれるが、それさえも読めなくなるのだ。 最後にはミゲルの顔が輪郭だけになり、そうして・・・ 帯に「えすとえむ」さんが、「あんなに美しく悲しい2ページを他に知りません」と書いているが、確かに。 最後の2ページに何が書いてあったのか、それは作者からそれぞれの読者に託されるまっさらなメッセージなのかもしれない。 この絵本の最初に引用として、「雪は消えるわけではない。雨に変わるのだ」というブッダの言葉が書かれている。最後のページを閉じた後にもう一度、そのコトバを見直してみると、もしかしたらまったく別の意味に、取れるかもしれない。

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2013/05/16

友人絶賛のコミック。 ・・・前評判があまりに良すぎて、期待しすぎて逆にあんまり(苦笑。 一度目サラリと読んで、 2度目3度目・・・読むたびに、じんわり心に沁みてきます。

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2012/11/03

「いつか僕たちも、公園のベンチで静かに過ごす時がくるのだろうか?70歳になった自分なんて想像もできない」とS&Gはかつて歌ったけれど、まさしくそんな気分になる表題作『皺』。老人ホームどころか身寄りのある老後すら望めそうにない身からすれば、ある意味呑気というか倖せな話に思え...

「いつか僕たちも、公園のベンチで静かに過ごす時がくるのだろうか?70歳になった自分なんて想像もできない」とS&Gはかつて歌ったけれど、まさしくそんな気分になる表題作『皺』。老人ホームどころか身寄りのある老後すら望めそうにない身からすれば、ある意味呑気というか倖せな話に思えてしまう…卑俗な意見で申し訳ない(苦笑)。 後半の『灯台』は、海と冒険に関わる物語からの引用を多く交えつつ、老人が若者に夢を託すストレートなお話。自分としてはこちらの方が好み。 どちらの作品も、表現と構成はとても素晴らしく、「漫画を読んだ」気分にさせてくれる。それだけでも十二分に価値のある本。

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2012/05/09

スペインの漫画家による、表題作『皺』と『灯台』の2編を収めた、大人の味わいのコミック。いずれもしみじみと余韻を残す。 『皺』の舞台は老人ホームである。 老いへの道を着実に辿ってゆく老人たちを丹念に描いている。 エピソードがどれもリアルに感じられるのは、作者の1年に渡る取材の賜物...

スペインの漫画家による、表題作『皺』と『灯台』の2編を収めた、大人の味わいのコミック。いずれもしみじみと余韻を残す。 『皺』の舞台は老人ホームである。 老いへの道を着実に辿ってゆく老人たちを丹念に描いている。 エピソードがどれもリアルに感じられるのは、作者の1年に渡る取材の賜物だ。家族に老人を抱えた友人・知人への丁寧な聞き取りも含まれている。 夢の中にたゆたう老人たちの最後の日々を、作者の確かな描写力は容赦ないほどに描き出していく。 サロンで日がな一日過ごす老人たちを同じアングルで描く一連の絵。 若き日にトリップした老人が見る、記憶の中の幻の自分。 歯が欠けるようにこぼれ落ちてゆく記憶。 だがそこには、美化を排してなお残る、儚く切ない美しさがある。 老いることは残酷だ。誰しも、決して引き返せないレールを死に向かって走っている。 それでもどこかに、人は希望や笑いや喜びを見出すものなのかもしれない。そして茶目っ気も。 残渣の中に金粒がきらめくように、消えていく記憶の中に最後に残るもの。 それはイスタンブールへの旅かもしれない。教会の塔で捕まえたちぎれ雲かもしれない。 自分も同じように記憶が消えていくならば、願わくは、最後の思い出は楽しいものだといいなと思う。こればかりは自分ではきっとどうにもならないとも思いつつ。 小悪党ミゲルが最後に見せる、それまでとは違う一面が心に残る。 人は優しく冷たく愚かで賢くておかしくてかなしい。 そして死が迎えにくるその日まで、人は生きていくのだ。 *『灯台』はスペイン内戦が舞台。ここで著者が描こうとした主題はボルヘスの「夢を見たふたりの男の物語」(『夢の本』[国書刊行会]収録)と通じるものなのだという。ボルヘスのこの短編は、『千夜一夜物語』に着想を得、パウロ・コエーリョの『アルケミスト』の種本ともなったとのこと。 *よそで知り、「読みたい!」と思ったものの、いささかお高い。 日々お世話になっている図書館に、リクエストを出してみることにした。よその市からのお取り寄せは利用してみたことがあったが、リクエストは初めて。用紙を提出して数日後、おそるおそるカウンターに聞きに行くと、「会議で諮って、うちの館で買えるか、全市の予算になるか、いずれにしても気長にお待ち下さい」とのこと。1ヶ月ほどして、予約状況にいきなり本書の書名が現れた。購入が決定されたのだった。市の中央図書館所蔵とのことなので、全市の予算から購入された模様。 今現在、2人予約が入っていた。たくさんの人に読まれるといいな。

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2012/03/11

メディア芸術祭の優秀賞作品。メディア芸術祭の会場の中で1番目が離せなかった作品だったので、即購入。出会えてよかった。

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2011/11/03

本屋で、目にしたことがない本。知り合いが貸してくれました。 この本をなぜ、買ったのか?今度聞いてみよう。 昔、スペインの家庭でホームスティしていた時、息子の 漫画家志望の友達がよく遊びに来ていた。日本の漫画をよく読んでいて、自分で書いたものを 見せてくれたのを思い出した。そっ...

本屋で、目にしたことがない本。知り合いが貸してくれました。 この本をなぜ、買ったのか?今度聞いてみよう。 昔、スペインの家庭でホームスティしていた時、息子の 漫画家志望の友達がよく遊びに来ていた。日本の漫画をよく読んでいて、自分で書いたものを 見せてくれたのを思い出した。そっくりだったのでびっくり。 この本はパコ・ロカという方の漫画である。 「皺」という漫画。アルツハイマーになった父親が施設に入る物語。 施設の人は、過去というものにこだわったり、こだわる過去を忘れて しまったり。年をとるということは、誰にでも経験しなければならない ことだけど、なんとも言えない読後感があった。 「灯台」あの、ヘミングウエイも参加した、スペイン内戦。 あんな、平和な国にも戦争があった。ファシスト軍、共和軍。 「精神を病んだ時は、なるべく早く海に出るのが一番だ。」 「ピストルと弾丸で自殺するくらいなら旅に出ろというからな。。」 「白鯨」の本からのセリフらしい。 P110からP111の海の絵いいですよ。

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