ルポ 下北核半島 の商品レビュー
2011年3月、東日本大震災により、東北地方が大きな被害を受けた。 その直後、福島原発事故が起き、各地の原発が注目を浴びるようになる。 と同時に、在日米軍が「オトモダチ作戦」を開始。被災地への復旧支援が行われた。その拠点となったのが、米空軍三沢基地。 東北下北半島は、核関連施...
2011年3月、東日本大震災により、東北地方が大きな被害を受けた。 その直後、福島原発事故が起き、各地の原発が注目を浴びるようになる。 と同時に、在日米軍が「オトモダチ作戦」を開始。被災地への復旧支援が行われた。その拠点となったのが、米空軍三沢基地。 東北下北半島は、核関連施設、自衛隊・米軍の基地が多数ある。しかし、その存在を意識している日本人がどれだけいるだろう。 この本は、前半は鎌田慧氏が核関連施設について、後半が斉藤光正氏が基地について書いている。
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三沢についての著作を記してきた斉藤記者とルポライターの鎌田慧氏の共著。斉藤記者は三沢、鎌田は六カ所を担当。三沢の最新事情を知りたくて購入。
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い図。脱原発、ノー基地スタンスの本。 原発については、大部分が震災前に書かれたもの。鎌田さんは、長年取材を続けている方のようだ。下北が原子力施設を受け入れるに至った流れや歴史、電源開発の成り立ちについて触れていたり(p98)。熱を伴った文章で、全てを鵜呑みにするのは控えねばとは思うが、自らの足で取材し、過去の資料に当たる真摯な姿勢には学ばさられる。自分の使う、そして恩恵を得ている、身近な電気、そして原発。関わる者の気持ち、そして遠巻きな気持ち、両方わかる。考えたくなくなる気持ちもある。でも、無関心ではいけないと思う。反対意見、推進派の意見、両方の情報にアンテナを張っていたいし、何より、意見に左右されず、公開される数字やデータを積極的に集めて、自分の頭で考えたい。原発について考えるとき、読み返したい。 後半は斉藤氏による三沢基地についてのルポ。三沢基地に携わった戦争体験者のインタビューを含む。釜臥山の建物は、ガメラと呼ばれる高性能かつ重要なレーダーだとは聞いていたけれど、「代表委員である柳谷睦夫さんは、「防衛省は「問題ない」と言うだけで、ガメラレーダーが発する強力な電磁放射線の影響を明らかにしていません。これで信じろと言われても……」と不満をぶつける。(p152)」という記述を読んで、少し不安になった。携帯やテレビ、電子レンジの電磁波についても人体への影響はハッキリわからないという意見も聞くけど、それを気にしすぎても生活に困るしなと思っているのでガメラレーダーの電磁波についても同じようには思うが、でもやはり、少し不安だ。 2017/8/23
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この本を読了した平成23年12月1日、「東京電力が東通原子力発電所1号機の建設を断念する方針を固めた」とのニュースを耳にしました。発電所とか、新幹線とかもそうなんだろうけど、計画した時点と、それが稼働する時点ではそうとうな時間的な開きがあるわけです。今でいえば、経済状況が異なっているわけで、だいたいの計画は、日本経済が右肩上がりのときに計画され、右肩下がりの時に稼働開始仕様とする、そんな感じなのでしょうか。 エネルギーの消費と、経済成長とは正の相関関係があるわけで、であるとすれば、今の日本には莫大なエネルギーは必要ないのではないでしょうか。 それでもなお、やたらめったらでかい物を作りたがる人たちは、その路線で進まないと、権益を失う人たちなのでしょう。
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陸海空の三自衛隊と米軍基地があるのは、沖縄と青森だけだそうです。青森の米軍基地の割合は7.6%で、沖縄についで2位。米軍と自衛隊を合わせると、世界有数の攻撃力を持ち、アフガン空爆などに出撃しているという三沢基地。そして、かつての「むつ」、東通原発、建設中の大間原発、六ヶ所村。 米...
陸海空の三自衛隊と米軍基地があるのは、沖縄と青森だけだそうです。青森の米軍基地の割合は7.6%で、沖縄についで2位。米軍と自衛隊を合わせると、世界有数の攻撃力を持ち、アフガン空爆などに出撃しているという三沢基地。そして、かつての「むつ」、東通原発、建設中の大間原発、六ヶ所村。 米軍が作戦行動に出ると、実は商売上がったりだという人。買収資金を狂言強盗で着服しようとする人。大間の建設地で、土地を手放さず、自然エネルギーによる暮らしで反対を続ける人。 暗い話ばかりの本ですが、迷惑施設と関わる人の心理と、大きな力の罠・嘘についての予習復習に。 全般の原発と後半の基地のタッチは結構違っていて、本来別の本でもいいのかもしれないけど、いっしょにすることで、地方への迷惑施設問題を解くということなのでしょう。
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