ハティのはてしない空 の商品レビュー
ハティという少女の開拓物語。 人々との暖かい絆と暗く重たい第一次世界大戦の影が同時に描かれていた。 読後、希望が持て、前向きな気持ちになる作品。
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主人公のハティは両親を幼い頃に亡くし、親戚の家をたらいまわしにされ育つ。1918年、16歳の時、叔父さんから西部の土地の借地権を譲り受ける。 『根なし草のハティ』が自分のほんとうの居場所を求め、単身西部開拓へと向かう話。 1月のモンタナは極寒の冬。春はどこもかもぬかるみだらけ。夏は茹だるような暑さ。そんな厳しい環境の中で初めての独り暮らし、農作業…さらに雹の被害、叔父さんが残した借金があった…。 辛い開拓の暗い話のようだが、ハティ自身とハティを取り巻く人たちの、ユーモアのセンス、明るさ、そして友情で一つ一つ乗り切っていく。 しかし現実は厳しい。ハティは条件を満たすことができずに土地取得は叶わなかった。 けれどハティは決して失望はしていない。『輝かしき挫折』と表現するように土地は得られなかったが、大平原で過ごした日々が心に希望を焼き付けてくれた。 今年よりも来年はもっとよくなると信じる心を持つ強さを得た。 ハティは自分の心と出会った人々の心の中に自分の居場所を見つけることで、根なし草ではなくなった。 そして最も大切なこと、『人生の主導権を握る』の価値を知った。 自分の人生の主導権を人に預けない!なんてすごい言葉なんだろう。
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孤児で親戚中をたらい回しにされて育ったハティは16歳のとき、たった1人で伯父が残した土地を引き継ぎ開拓することになります。戦争や差別、自然と闘いながらも周りの人と助け合いながら頑張るハティの姿に胸を打たれます。
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YAは他の児童書と比べると読むのに時間がかかるだけに、ハズレの場合、怒りも倍増するのだが、これはYAにしては久々に良かった。 第一次世界大戦中のアメリカで、16歳の孤児の女の子が叔父から残された土地を、一人開拓する物語。親切な隣人が敵国のドイツ出身であるだけで、差別と非難にさらさ...
YAは他の児童書と比べると読むのに時間がかかるだけに、ハズレの場合、怒りも倍増するのだが、これはYAにしては久々に良かった。 第一次世界大戦中のアメリカで、16歳の孤児の女の子が叔父から残された土地を、一人開拓する物語。親切な隣人が敵国のドイツ出身であるだけで、差別と非難にさらされるというのは、実際あったそうで、第二次世界大戦のときの日本人移民のことを考えるとさもありなんという気がする。自由と平等の国を標榜しながら、何度もこういうことが(戦争になると)起きるということは、しっかり覚えておいた方がいい。戦争中に愛国の名のもとに起きる人権蹂躙は、日本にもずいぶんあったわけだから。 主人公の敵とも言える地主の息子が魅力的で、あわや恋愛に発展するか・・・というハラハラ感、そして、その収め方もとてもいい。 なにより主人公が男や周囲に甘えず、敗北も受け入れるところに好感をもった。主人公の友人の女性たちもとても魅力的。 変に扇情的な大人の小説を読む前に、こういうしっかりした小説を小学校高学年から中学生の女の子にぜひ読んでほしい。 木内達郎の絵、大好きなのだが、この表紙も物語のイメージを広げる、いい絵だ。ヒゲちゃんも描いてあれば言うことなしだったんだけど。
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孤児の少女ハティは、会ったことのないおじさんから、死後に土地を譲るという手紙をもらい、早速その土地に向かいます。 しかし、問題の土地は開拓途中で、本当にハティのものにするには、柵をめぐらせたり、家を作ったり、農業をしたり、お金を払ったり……とやるべきことがありました。 それでも、...
孤児の少女ハティは、会ったことのないおじさんから、死後に土地を譲るという手紙をもらい、早速その土地に向かいます。 しかし、問題の土地は開拓途中で、本当にハティのものにするには、柵をめぐらせたり、家を作ったり、農業をしたり、お金を払ったり……とやるべきことがありました。 それでも、孤児であるが故に「根無し草」と言われてきたハティは、自分の土地、自分の家を手に入れるため、冬の極寒に耐えつつ、作業を開始します。 よき隣人に支えられ、失敗しつつも日々をなんとか過ごしていくハティですが、第一次大戦のために、ドイツ人の夫を持つ隣人が差別されたり、彼女たちと仲良くするハティも嫌がらせを受けます。 戦争のためのお金を半ば無理矢理取られ、酷暑のために収穫も思うようにいかず、有力者から土地の権利を譲るよう迫られたりもします。 それでも、自分自身のため、現実に負けずに立ち向かっていくハティの強さに深く感動しました。 終わり方は予想外でしたが、これもまたありなのかな、と思います。
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当時の開拓者たちの生活の過酷さが伝わります。寒さ、暑さ、腰痛などなど。ハティのまっすぐさがいいです。
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1862年にアメリカで成立した法律、ホームステッド法。 これは、アメリカ西部の未開拓の土地を、特定の条件を満たした者に無償で払い下げる、というものだ。 この物語の主人公、ハティは16才でたった1人でこの大仕事に立ち向かうことになる。 残り10ヶ月で最低40エーカーの土地を耕して...
1862年にアメリカで成立した法律、ホームステッド法。 これは、アメリカ西部の未開拓の土地を、特定の条件を満たした者に無償で払い下げる、というものだ。 この物語の主人公、ハティは16才でたった1人でこの大仕事に立ち向かうことになる。 残り10ヶ月で最低40エーカーの土地を耕して作物を植え、480本の杭を打たなければならないのだ。 厳しい気候、貧しさ、作物をダメにする害虫や天候への心配…。じわじわとやってくる戦争の波。 困難は次から次へとやってくる。でも素晴らしい隣人のお陰で一つ一つやり遂げていく。 物語の終盤でそこにいるのは、天涯孤独のかよわい女の子ではなく、居場所を見つけた強く美しい女性でした。 あとがきによると、著者の曾祖母ーもう一人のハティもたった1人で入植し、見事成功させたとのこと。 その生きる力の強さにただただ脱帽です。
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手に入れることができなかったもの。 失ったもの。 どちらもとても大きかった。 しかし、得たものもまた、すごく大きい。 スペイン風邪が憎いですね。
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80点。いやあ、本当はもっと評価してもいいんだろうけどさあ。結局ハティが夢破れて農場を去るオチがどうしても納得いかないのでこの点数。フィクションなんだから、もう少し夢を見させてくれてもいいんじゃないかと思う。(つづきはまた今度)
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西部開拓時代。身寄りのない16歳のハティは、おじさんの遺言により、たったひとりでモンタナの地へ。厳しい条件をクリアして農場主になるべく、奮闘する。 もう二度と「根なし草ハティ」になりたくない。自分の居場所、家族を持つことへの憧れを胸に、過酷ともいえるモンタナでの暮らしを乗り越えよ...
西部開拓時代。身寄りのない16歳のハティは、おじさんの遺言により、たったひとりでモンタナの地へ。厳しい条件をクリアして農場主になるべく、奮闘する。 もう二度と「根なし草ハティ」になりたくない。自分の居場所、家族を持つことへの憧れを胸に、過酷ともいえるモンタナでの暮らしを乗り越えようとするハティの姿に引き込まれた。戦地にいる初恋の相手への手紙や、ドイツ人であるために排斥されていく隣人の状況は戦争の様子を伝えるし、ハティの農場ぐらしの様子はきちんと取材されていてリアル。 この小説を書きあげた著者は図書館の相互貸借を駆使して資料を集めたそうであるが、そのことにも感銘を受けた。
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