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アンダーワールドUSA(上) の商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2018/11/05

楽しみに取っていたものを、年越し読書で腰を据えて読んでみた。 前作から間が空いたものの、 ・ブツ切りの文体に、 ・3人の主人公に、 ・記事やら通話記録やらの「挿入文書」と、 作風には変化のない3部作の3番目。 ストーリー展開など無理矢理感は多々あるが、細けぇことは気にしないぜ...

楽しみに取っていたものを、年越し読書で腰を据えて読んでみた。 前作から間が空いたものの、 ・ブツ切りの文体に、 ・3人の主人公に、 ・記事やら通話記録やらの「挿入文書」と、 作風には変化のない3部作の3番目。 ストーリー展開など無理矢理感は多々あるが、細けぇことは気にしないぜとばかりに、グングン引っ張るドライブ感が魅力。しかしプロットのあまりの複雑さには、途中からそれぞれの登場人物が互いに何をどこまで知っていて、何をどこから知らないのかがよく分からなくなりました。。。 新主人公のクラッチ君は、エルロイのこれまでの主人公のなかでも情けない度No.1であるが、かなりの程度、作者本人の分身的なキャラ設定のようだ。

Posted byブクログ

2012/02/09

読む者を「窒素酔い」させるエルロイ節は健在、といいたいところだが、エルロイに似合わず物語のペースが遅い。「サクサク」でなく「ダラダラ」。伏線が長すぎる。

Posted byブクログ

2012/01/15

ジェイムズ・エルロイの小説を買う時はいつも少しだけ思い切りがいる。 彼の文体は親しみやすいとは言い難いし、次から次へと新たな登場人物が出てきては、違う話をし始める。 その世界に入るまでが大変な作家なのだ。 もし上下二巻のハードカバーを購入しても、まったく入り込めなかったらモッタイ...

ジェイムズ・エルロイの小説を買う時はいつも少しだけ思い切りがいる。 彼の文体は親しみやすいとは言い難いし、次から次へと新たな登場人物が出てきては、違う話をし始める。 その世界に入るまでが大変な作家なのだ。 もし上下二巻のハードカバーを購入しても、まったく入り込めなかったらモッタイないなあ、という気持ちのハードルがある。 新刊が出ていることは知っていても、ネットでは買えない作家だ。 でも実際に書店で手に取ってみれば、いきなりA・E・ハウスマンの文章から、 「肉は動かずとも、血はさまよう。 息はいつまでも止めておけない。 目覚めよ、若者。旅が終われば、 眠る時間は充分にあるのだから。」 なんてある。もう買うしかない。 実際「THENあのとき」と書かれた小節から始まるストーリーは、軽快に走りだし、引き込まれる。 ただいつものようにデモーニッシュな黒い手ごたえが立ちあがってこない。 これは失敗かなあ、さすがのエルロイもついに老いたか、と思って100p位。 まあ「アメリカ文学界の狂犬」最後の大仕事かもしれないんだから、少しツマラナクても付き合うか、とアキラメかけたあたりから、雰囲気が良くなってエルロイワールド没入。 で、今回、読んでみてエルロイの魅力がついに分かった。 エルロイにはみんな、狂気だの暗黒だのというけど、結局、この人の小説はカッコイイのだ! ぶつ切りの文体も無愛想なカッコ良さがあるし、登場人物もカッコイイ。 過剰な言い回しがないのに、詩的な余韻が残り、絶対に安っぽくしないぞ、子供だましにはしないぞ、という矜持がある。 いわゆるCoolってことだな。 結局、音楽も小説も、最後の判断基準はカッコイイか悪いか、ってことだ。 ジェイムズ・エルロイはカッコイイ。 これが結論。 ps この作品は暗黒のLA4部作を完成させたエルロイの次の連作長編モノ。 アンダーワールドシリーズの最終作となるものです。 この前にはアメリカン・デス・トリップがあり、その前にはアメリカン・タブロイドがあるんですが、タブロイドはもう新刊じゃ買えないんですね。 エルロイが初めて、というなら古本でもタブロイドを買ってからがイイと思う。 そこまで言うなら、その前に暗黒のLA4部作を読むともっとオモシロイけどね。 そうなるとブラック・ダリア、が最初ということになる。 1冊だけなら「ホワイト・ジャズ」が至高。 と思ったら「ホワイト・ジャズ」も新刊じゃ買えないのか! でも古本で安かったら買いだよこの本は。

Posted byブクログ

2012/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「アンダーワールドU.S.A.」(2009年)は、キューバ革命とマフィアのカジノ計画の頓挫、ピッグス湾事件、そしてジョン・F・ケネディ暗殺を描いた「アメリカン・タブロイド」(1995年)、ベトナム戦争、キング牧師暗殺、ロバート・F・ケネディ暗殺を描いた「アメリカン・デストリップ」(2001年)に続く、ドミニカとタヒチへの新カジノ建設計画、ニクソン政権誕生などを扱った「アンダーワールドU.S.A.3部作」の3作目です。 シリーズ2作目の「アメリカン・デストリップ」からシリーズ3作目の「アンダーワールドU.S.A.」の間に、「ディープ・スロート」と呼ばれたウォーターゲート事件の内部情報提供者の正体が判明したため、大幅な加筆修正を行ったために出版が遅れたと言われています。 そのためか、マフィアとの絡みや主人公の存在感が前2作と比べて薄れているように感じられました、 それでも、複雑な人間関係とプロット、現実と理想の狭間に揺れる登場人物の葛藤、逆らおうとしても抵抗することのできない大きな流れなどはシリーズを通して健在です。 マフィアのボス、暗殺犯、大統領など、実在した人物が多く登場するため、虚実入り混じったストーリーにも関わらず史実と捉えてしまう人もいるかと思います。 もしも願いが叶うなら、加筆修正を行う前の作品を読みたかったと思いました。

Posted byブクログ

2011/09/15

人間の暗部だけをひたすら抽出していく手法には嫌悪感を抱く人もいるだろうが、この積み重ねがあるからふと見せる狂おしいまでに真摯な愛や友情、使命感といった光の部分がより引き立つと思うのだ。

Posted byブクログ

2011/09/01

待ちに待った15年。 前回までのあらすじからもきちんと説明されているので、あっと言う間に世界に引きずりこまれる。 今作品からの登場、クラッチの若(馬鹿)さ溢れる行動も、主要メンバーが歳をとったせいで若干落ち着き気味な部分と対照的で、静と動のバランスが好ましい。 誰が生き、誰が死ぬ...

待ちに待った15年。 前回までのあらすじからもきちんと説明されているので、あっと言う間に世界に引きずりこまれる。 今作品からの登場、クラッチの若(馬鹿)さ溢れる行動も、主要メンバーが歳をとったせいで若干落ち着き気味な部分と対照的で、静と動のバランスが好ましい。 誰が生き、誰が死ぬのか、そして世界はどうなっていくのか…興奮のまま一気に読み終えた。

Posted byブクログ