発達障害のいま の商品レビュー
とても内容の濃い本だった。発達凸凹はマイナスではなく、得意を伸ばせば独創的な活動のできる人になる。だが、発達障害となると社会や周囲への適応が難しくなり、加害性、被害性を帯びることもある。また、従来の精神科診断では見落とされがちであった「発達」と「トラウマ」の問題の重要性を指摘。発...
とても内容の濃い本だった。発達凸凹はマイナスではなく、得意を伸ばせば独創的な活動のできる人になる。だが、発達障害となると社会や周囲への適応が難しくなり、加害性、被害性を帯びることもある。また、従来の精神科診断では見落とされがちであった「発達」と「トラウマ」の問題の重要性を指摘。発達凸凹を障害にしない、トラウマを作らないための周囲の対処法も説明されている。より理解を深めたい。
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精神病と自閉症スペクトラムの関係がわかりやすく説明されている本。トラウマ治療の方法EMDRをもっと詳しく知りたいし、簡易的にでも自宅で対処できる方法があれば知りたい。
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凸凹理論、ここに。被虐待児童と被虐待経験のある成人を数多く診てきた著者だから語れるものがここにある。ラベルを貼るのではなく、特性として理解し、アセスメントすることが共生への第一歩だろう。システム論を援用した構造的な理解との併用が必要であるが...。
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発達障害の人はいじめや虐待などに遭いやすく(相手の気持ちが読めない、特定のこだわりがある、知的障害がない場合は発達アンバランスがあると気づかれることがないのでなま家やサボりと勘違いされて叱責を受けやすい)、発達障害に虐待などのトラウマが加わることで、精神的な障害が発症しやすくなる...
発達障害の人はいじめや虐待などに遭いやすく(相手の気持ちが読めない、特定のこだわりがある、知的障害がない場合は発達アンバランスがあると気づかれることがないのでなま家やサボりと勘違いされて叱責を受けやすい)、発達障害に虐待などのトラウマが加わることで、精神的な障害が発症しやすくなる。
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いままで読んだ3冊の発達障害の新書のうち、2冊はいい加減なゴミだったが、こちらの本はとてもよくて、まともな本だった。真摯に臨床にあたった豊富な経験と研鑽、知識から、叙述されているのはこの先生の本だけだった。 ・トラウマの解消 EMDRの方法 (P124) 治療者が患者の目の前...
いままで読んだ3冊の発達障害の新書のうち、2冊はいい加減なゴミだったが、こちらの本はとてもよくて、まともな本だった。真摯に臨床にあたった豊富な経験と研鑽、知識から、叙述されているのはこの先生の本だけだった。 ・トラウマの解消 EMDRの方法 (P124) 治療者が患者の目の前に指を2本たて(人差し指、中指)、その指を左右にふる。患者は目で指を追う。その眼球運動とともに、トラウマになっている記憶の想起をおこなうと、なぜかその記憶との間に心理的な距離がとれるようになる。 ・療育の目標はトラウマを作らないこと。 体罰を避け、大きな声で怒鳴るのは極力避けたい。強く叱責されたときは周囲の情報が飛んでしまい、叱られたということだけが残る。すると、そのときは止めるがまたやるということを繰り返すことになるだけ。 できるはずなのにいまくいかないときには、こちらが気づいていないこだわりや、とくに過敏性が邪魔をしていないか、その目で振り返ってみることが必要。 (P245) ・トラウマによるフラッシュバックに対する薬物療法 神田橋條治 漢方薬 桂枝加芍薬湯(小建中湯or桂枝加竜骨牡蠣湯)と四物湯(or十全大補湯)の組み合わせ (P248) * 自閉症、自閉症スペクトラム障害、トラウマなど脳機能のダメージや器質的な原因から、連続的につらなる発達障害。製薬会社による作られた病、と言われているが、その病名があることや投薬(プラシーボ的なのも含め)により、救われる人もいるのだろう。 一方でわかりあえない相手を発達障害だ、と決めつけることでスッキリする人もいるのだろう。 境界を引くだけの、かりそめの平和だとしても。 清潔で規律ある世界のために、出生前診断で発達障碍児を間引く日もくるのだろうか。空気を読めて、チームワークが上手い人間だけが残った、つるっと平坦な素晴らしい世界では皆が同じ方向に向かって、動物に戻ったり、虫みたいになりそうだ。 発達障害、という名の商品が、苦しむ人びとの救いとなるところまでの利用であれば、と思った。
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本書は、誤解される発達障害の知識を正しく伝える本である。 発達障害は、著者によると、それは、発達凸凹とよぶ脳の機能であり、それは正しい支援教育がなされれば、「障害」へ至らないのだ。 では、昨今、話題とされる「大人の発達障害」とは何か。 それは発達凸凹が「障害化」してしまって...
本書は、誤解される発達障害の知識を正しく伝える本である。 発達障害は、著者によると、それは、発達凸凹とよぶ脳の機能であり、それは正しい支援教育がなされれば、「障害」へ至らないのだ。 では、昨今、話題とされる「大人の発達障害」とは何か。 それは発達凸凹が「障害化」してしまって成長してしまったのだ。 その「障害」の「原因」は、いじめや親の虐待や社会へ出てからの軋轢である。 発達凸凹が「障害」へと至ると、二次障害が起きてしまう。その二次障害こそが「発達障害」が「障害」と化したその姿である。 特別支援教育がなされないと、ますます「大人の発達障害」は増えるであろう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
発達障害=発達凸凹+適応障害と言われているが、注意していると周りにも非常に多くの発達凸凹の人がいることに気づき、最近興味を惹かれ読むことになった。かく言う僕自身もかなりの発達凸凹があると自覚してはいたが、本を読むうちに自分のこともより理解できるようになった。 発達凸凹は一般の人との感覚とは少しずれていることが多いが、そのずれは悪い点だけではなく良い点もかなりある。自分の凸凹を知ることで、周りとの関係性を築いていく中でのトラブルを減らすことができる。 自分は普通で他の人と同じだと思っていては衝突することが多く、そう言う意味では発達凸凹のあるなしに関わらず、自分のことを知って相手との違いを理解することが良好な人間関係を築いていく重要なポイントなんだと思った。 内容的には主に精神療法について書かれており、どの人でも応用できるものではないが、現在の精神科の診断基準でうつ病や統合失調症、双極性障害など種々の疾患があるが発達障害があればあらゆる症状を呈し、これらの疾患と誤診されていることが多いのだそう。そう言う意味でも発達障害となる前に、早期診断し本人や家族がその発達凸凹を受け入れ対処法を学ぶことができるようなサポート体制を作ることが必要だと感じた。
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発達障害と発達凸凹の違い。虐待・トラウマとの関連。 遺伝子とエピジェネティクスと発達障害との関連など 多岐にわたって分析されている内容です。 とくに虐待とそのトラウマからくる凸凹ではなく障害に なってしまうことについて、詳しくかかれているのと それが遺伝も含めて、連鎖すること。そ...
発達障害と発達凸凹の違い。虐待・トラウマとの関連。 遺伝子とエピジェネティクスと発達障害との関連など 多岐にわたって分析されている内容です。 とくに虐待とそのトラウマからくる凸凹ではなく障害に なってしまうことについて、詳しくかかれているのと それが遺伝も含めて、連鎖すること。その連鎖が環境因子と なってエピジェネティクスとの関連で発症していくこと につい多くかたられています。 虐待については、絶対に関係ないと思うのですが、何が トラウマになっているのか?自分も何をトラウマとして もっているのか?些細なことかもしれないが。 ということをかんがえさせられてしまうところもあります。 凸凹は確かにおおくあって、自分も絶対に凸凹はあった と思います。そこが障害にいかに結びつかないように なるかが大事だし、それができればいいと思っています。 息子がもし、本当に凸凹はあるが障害になっていない のであれば、それは母親も含めて家族のおかげかも しれませんし、偶然かもしれません。また回りに恵まれた のかもしれません。でももしかしたら、本人の努力というか 本人の力であったのではないかと最近思っています。
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発達障害と子ども虐待、トラウマの関係などを解きながら、発達障害児やその家族に支援者がどのような姿勢で臨むべきかが説かれている。 「発達障害の子どもたち」を読んで本書を読むと理解が深まって有意義。
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障害者差別解消法が施行された今年度。必要な知識を与えてくれる本だと感じた。 発達凸凹の概念は保護者との関係性を構築する中でもとて重要。 児童が健全な発達を遂げるために何が必要か考えさせられた。
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