発達障害のいま の商品レビュー
発達障害とトラウマの関係性、そして母子父子並行治療の話。ひとえに甘え云々の精神時代論では片付けてはならない問題。複雑にも負の連鎖が絡み合っていくこの障害、学校組織や家庭などの保守的な現場からは見事に見過ごされてしまいやすいだろうと感じる。凸凹を補い伸ばす、発達を阻害するものへ対処...
発達障害とトラウマの関係性、そして母子父子並行治療の話。ひとえに甘え云々の精神時代論では片付けてはならない問題。複雑にも負の連鎖が絡み合っていくこの障害、学校組織や家庭などの保守的な現場からは見事に見過ごされてしまいやすいだろうと感じる。凸凹を補い伸ばす、発達を阻害するものへ対処していく。実際に対面してみないとわからないが、常になんでやろを心にとめる。
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自閉症スペクトラム -10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体- を先に読んだせいか、重いというか深いというか。。。 読解力がないのか時々主語と述語がわからなくなる。 結論やまとめを先にノートにピックアップして、とかしないと頭の中がまとまらないわ。。。
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発達障害に関する研究は最近になって急速に進んでいるので、常に最新の情報にふれておく必要がある。研究はどんどん進んでいるが、生きにくさを感じる人がこの10年20年で生きやすくなってきたかはまた別問題という難しさ。
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大人の発達障害(発達凸凹)が、短いが書いてある。足りないところを補おうとして過剰になってしまうのが問題なので、自身で気づいたら、そこに執着して問題を大きくせずに、適応を目指そう、とのこと。
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帯には、「発達障害」から「発達凸凹」へ。 本書のキーワードは、「発達凸凹」と「トラウマ」であるが、発達障害とトラウマ、虐待の関係に本書を読んでて何ともいえず悲しい気持ちになった。 発達凸凹とは 発達凸凹+適応障害=発達障害 というもので、社会的な問題を防げば発達凸凹が...
帯には、「発達障害」から「発達凸凹」へ。 本書のキーワードは、「発達凸凹」と「トラウマ」であるが、発達障害とトラウマ、虐待の関係に本書を読んでて何ともいえず悲しい気持ちになった。 発達凸凹とは 発達凸凹+適応障害=発達障害 というもので、社会的な問題を防げば発達凸凹が発達障害にならないように改善することはできる。 発達凸凹はマイナスとは限らず、むしろ多くの優秀な人々が発達凸凹を有しているという。 まあ当然すべての人が天才ではないが、天才には発達凸凹が多いということである。 そして、トラウマの衝撃。この国が抱える大問題の一つにまでなっているという。 虐待はこころの「複雑骨折」であり、知的に高い自閉症スペクトラムとのリスクが非常に高いのである。 フラッシュバックや非行の起こりやすさ。 国家の社会的擁護の貧しさを、筆者は「国家の社会的ネグレクト」と呼ぶ。 単純な眼球運動のEMDRというのは初めて聞いたが、これが非常に高い効果をあげているということだ。なぜかはわからないそうだが。 うつ病や気分障害、統合失調症などにも触れられており、それと発達障害との関係にも筆は及ぶ。 発達凸凹当事者である私も、サークルなどの仕事や人間関係で大いに躓いたが、すごく分かる。 当事者が自分の凸凹に気がつくことが大切な第一歩。 しかし、それはマイナスではなく、ひとつの天から与えられた「才能」だと思って、回り道にはなるが世のため人のために恩返ししていきたいと思う次第である。
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やはり情報の整理がなされていない印象はあるが,自分の中ではだいぶ理解が進んだと思う.そもそも扱っているのが多岐に渡る複雑な問題なのだ.しかし,療育の実際や,DSM-5で何が変わるのか,などなど知りたい事はまだ多くある.
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前著も目から鱗だったが、本書も本当に知っておくべきことが学べた、という衝撃をもって読み終えた。読むのと読まないのとでは、全く人を見る目が変わってしまう著書だ。今後の精神医学にとって、トラウマと発達障害の扱いがメインテーマという著者の主張に深く首肯した。日本の転換期を作る本だ。 ...
前著も目から鱗だったが、本書も本当に知っておくべきことが学べた、という衝撃をもって読み終えた。読むのと読まないのとでは、全く人を見る目が変わってしまう著書だ。今後の精神医学にとって、トラウマと発達障害の扱いがメインテーマという著者の主張に深く首肯した。日本の転換期を作る本だ。 ・胎盤の重さに関係が認められるのは、母親の年齢ではなく、父親の年齢。 ・男性脳と女性脳の明確な違い。自閉症率の違いが。 ・自閉症スペクトラム同士の結婚と自閉症スペクトラムと元被虐待児の結婚例が多い。 ・虐待的絆。いくら忌避される記憶でも、子どもたちにはそれこそ生きる基盤になっている。 ・虐待の脳への影響は、発達障害よりもはるかに甚大で広範囲。 ・緘黙に自閉症が併存。入院が奏功する。外来で遊戯療法は無意味。 ・人に評価されるには目立つのがよいと、無理をして立候補して、逆に顰蹙を買う。 ・二つのことが一度にできない ・整理整頓が出来ない、整理魔も。 ・興味の偏りが激しい。興味のないことを完全に無視する。代償はハウツー本の信奉として現れる。 ・KYと他者配慮が出来ないはべつもの。 ・集団での介入は難しい。親への指導を含んだ個別対応が良い。 ・強く叱責された時は周囲の情報が飛んでしまい、叱られたということだけが残る。
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発達障害臨床の第一人者の方である。著者の本は何冊か読んだが、歯切れが良い。スペクトラムを理解しやすいように「発達凸凹」という概念を提唱されている。発達障害と虐待は絡み合い、虐待を受けた例は複雑な病態を呈し、そして虐待は世代間連鎖をしていく。発達障害とうつ病は関連が深く、それ以外の...
発達障害臨床の第一人者の方である。著者の本は何冊か読んだが、歯切れが良い。スペクトラムを理解しやすいように「発達凸凹」という概念を提唱されている。発達障害と虐待は絡み合い、虐待を受けた例は複雑な病態を呈し、そして虐待は世代間連鎖をしていく。発達障害とうつ病は関連が深く、それ以外の精神疾患でも発達障害を基礎に持つ例が多く、いかに発達障害(凸凹)の見極めが必要か、そして成人例の見極め方についての解説されている。現在の発達障害の理解の整理には有用な一冊と思われる。
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本書は、児童青年期精神医学の専門家である杉山登志郎氏が、子ども虐待における発達障害とトラウマの関係について述べた本である。 本書は著者が勤務するあいち小児保健医療総合センターの子育て支援外来、つまり子ども虐待の専門外来における経験を元に書かれたものである。子ども虐待の被害者は発...
本書は、児童青年期精神医学の専門家である杉山登志郎氏が、子ども虐待における発達障害とトラウマの関係について述べた本である。 本書は著者が勤務するあいち小児保健医療総合センターの子育て支援外来、つまり子ども虐待の専門外来における経験を元に書かれたものである。子ども虐待の被害者は発達障害を抱える場合が多いが、実はその両親も発達障害を持つ場合が多いこと、虐待によりトラウマを抱えることによる後遺症の大きさ、そしてその治療の難しさについて著者は気づいた、とある。本書のテーマは発達障害の母子並行治療、トラウマと発達障害の悪循環、そしてトラウマの処理技法である。 序章では前述のテーマについて触れた後、第一章で発達障害の生物学的・遺伝学的な要因について述べ、特にエピジェネティクスという概念について説明している。そして、認知の「ムラ」を著者は「発達凸凹」と呼ぶ。これに適応障害が加わることにより狭義の「発達障害」となる、とここでは定義しているが、その際にトラウマがその憎悪因子となっている (肥満が糖尿病の憎悪因子であるように)、と指摘している。 第二・三章では発達凸凹だけでは単純にマイナスな要素ではないとして、天才と呼ばれる人たちにも発達障害を持っていたと思われる人は多いこと、認知特性の違い (聴覚言語優位、視覚映像優位) および、そのような認知特性の異なる天才児への特別支援教育について紹介されている。 第四~六章は本書のメインテーマで、トラウマと発達障害の関係について述べている。(特に知的障害のない) 発達障害は子ども虐待のハイリスク要因であること、それによるトラウマが症状をさらに悪化させること、虐待をする親が自身の発達障害によるトラウマを持つ場合、虐待とトラウマの連鎖が起きること、そして、トラウマ処理技法であるEMDRについて書かれている。 第七・八章は発達障害が精神科疾患の原因になっていることを指摘する、例えば、引きこもり、思春期やせ症、強迫性障害などの例が挙げられている。この場合、症状だけを元に診断を行なっても治療の効果が出ないと、著者は従来の精神医学体系の欠点を指摘する。 第九章は発達障害を持ちながら未診断のまま大人になったケースの問題について述べ、終章では療育および治療についての原則について説明する。 前著「発達障害の子どもたち」に引き続き、文体は読みやすく、内容も明確に分類されまとめられている。ただし第二・三章の内容がやや浮いている感じがすること、また内容が (タイトルから推測されるよりも) やや狭い内容に絞られていることから、★4つとする。ただし、「今後こうなってはいけない」という反面教師として、とても有用な本であるので一読して損はない。
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杉山先生の著書はどれも、読者を内容に引き付ける力があり 読者に理解しやすく書かれています。 児童精神領域に関することだけでなく、様々な視点で綴られているので 大人になってから、発達障害かもしれないと気がついた人が読む事にも 向いているかと思います。 発達凸凹と言う呼称はとてもいい...
杉山先生の著書はどれも、読者を内容に引き付ける力があり 読者に理解しやすく書かれています。 児童精神領域に関することだけでなく、様々な視点で綴られているので 大人になってから、発達障害かもしれないと気がついた人が読む事にも 向いているかと思います。 発達凸凹と言う呼称はとてもいいと感じました。
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