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常勝将軍 立見尚文(下) の商品レビュー

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2011/12/16
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本書は、史上まれに見る天才指揮官であった立見尚文の生涯を、少年時代から永眠までを克明に描いた渾身の歴史大河小説(上下巻)です。 上巻では桑名藩内で頭角を現わし、戊辰戦争では鳥羽伏見の戦いからやがて北越方面へ転戦、雷神隊という精強な部隊を率いて新政府軍を恐れさせた立見の前半生を描きます。 旧幕府軍の降伏後は謹慎を経て司法省へ出仕、やがて指揮官としての能力を買われて陸軍に招かれます。西南戦争では西郷隆盛の本軍を追い込む活躍をし、陸軍軍人として立見の評価は一気に高まり、出世街道を駆け上がります。 下巻では日清・日露戦争での活躍を描きます。日清戦争が勃発すると、立見は歩兵第十旅団長として出征し、平壌攻防戦などで戦功を重ねます。戦後は中将となり、第八師団を任されますがが、麾下の歩兵第5連隊が八甲田山の雪中行軍で全滅する事件もありました。 しかし立見の真骨頂は、日露戦争における「黒溝台の戦い」で発揮されます。第八師団を率いた立見中将は、多くの部下を失いながら全滅寸前という激戦を続け、ロシアの大軍を黒溝台から撤退せしめたのです。これによって全体の戦局は一気に好転し、奉天会戦勝利への道筋が付けられます。 戦後は陸軍大将に昇進。賊軍として謹慎を余儀なくされてから38年後のことでした。一度はどん底に沈んだ人生を、自らの力だけで取り返した立見の生き方は、現代人にも通じる多くの示唆にあふれているといえます。 傭兵経験を持つ著者のならではの、戦場の空気感を損なわない見事な描写も圧巻です。

Posted byブクログ

2011/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あの「八甲田山雪中行軍」が、立見中将在任時だとは知らなかった。。日露戦争では目を掛けていた部下を失いながらも、黒溝台の激戦を戦い抜いたのは、結果を知っているとはいえ非常に痛快だった。賊軍から陸軍大将にまでなった事も、立見さんの人柄や、信念に薩長閥の人間も魅せられた結果だと感じた。 僕も、こんな上司の元で仕事がしたいし、また、立見さんの様な上司になりたいとも思った。

Posted byブクログ