杢二の世界 の商品レビュー
1983年下半期芥川賞受賞作。高樹のぶ子「光抱く友よ」との同時受賞。この期の候補作には刈干あがたや、島田雅彦の作品なども上がっていた。そうした中での受賞なのだが、30年も経った今となってみると、この「杢二の世界」は、いかにもインパクトが弱いという感は否めない。小説は、主人公の視点...
1983年下半期芥川賞受賞作。高樹のぶ子「光抱く友よ」との同時受賞。この期の候補作には刈干あがたや、島田雅彦の作品なども上がっていた。そうした中での受賞なのだが、30年も経った今となってみると、この「杢二の世界」は、いかにもインパクトが弱いという感は否めない。小説は、主人公の視点から年の離れた弟の杢二が語られるのだが、無為徒食(少なくても周辺からはそう見える)に過ごす、彼の孤独に共感性を寄せる者はいない。そして、安定した社会生活を送っているはずの、主人公自身も孤独に向き合わざるを得なくなるのである。
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