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化合 の商品レビュー

3.6

32件のお客様レビュー

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    4

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2012/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

殺人事件でコンビを組む本庁の新人菊川と所轄のベテラン滝下がコンビを組んで捜査に当たる。 まじめな菊川と、事なかれ主義のようないい加減に見える滝下が捜査をしていく中で検事が犯人とにらんだ容疑者を調べていく中で、それとは違う事が浮かび上がってくる。 日本の刑事事件が起訴されれば99%近く有罪になるそのほとんどの証拠が自白である。この小説の1990年代の捜査もそうであったように、検事が犯人と決めつければほとんどが自白させられ公判で有罪が確定すると言うものだ。 それは、たぶん今も続いている警察と検察の闇の部分かもしれない。 冤罪が生まれるストーリーがこの小説には書かれている。それが全てではないが、案外そう言うものが多いのかもしれない。 裁判員裁判が今実施されているが、検察が提示する証拠が自白のみである場合は慎重に成らないといけないとつくづく思う。 この小説では以前に滝下が検事が決めた冤罪に逆らったせいで同僚や仲間が飛ばされたり不遇にあったりしているので、検事には逆らわない事だと言っている。 調査すればするほど、冤罪があぶり出されてくるこの事件の中で、かたくなに自分の決めたストーリーで犯人を検挙しようとする検事との葛藤の中で小説は後半に。 あっという間に読み終われる読みやすい小説です。

Posted byブクログ

2012/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ストーリーは平凡だと思う。検事の頑固さが現実に近いとしたら冤罪は少なくないだろう。粘り強く事実を明らかにしようと優秀で権威に立ち向かえる捜査員がいなければ。本書は証拠を確定的にさせるには自供ではなく、科学捜査だと言いたくて『化合』という題名にしたんだろう。

Posted byブクログ

2012/02/29

とあるひとつの事件を捜査する警察の姿を描いたミステリ。事件の謎自体はそう複雑なものではないのだけれど。事件に対する警察や検察の思惑がなんだかなあ……いや、解決を焦る気持ちは分かりますが。それでもその決め付けは、怖い。 その捜査の手助けとなる科学捜査。なるほど、この進歩は大きいです...

とあるひとつの事件を捜査する警察の姿を描いたミステリ。事件の謎自体はそう複雑なものではないのだけれど。事件に対する警察や検察の思惑がなんだかなあ……いや、解決を焦る気持ちは分かりますが。それでもその決め付けは、怖い。 その捜査の手助けとなる科学捜査。なるほど、この進歩は大きいです。だけどそれも諸刃の剣なのかもなあ、と思うところもありました。どんな技術も、使う人次第ですし。

Posted byブクログ

2012/01/02

自分がこうと思ったら、検事は証拠など適当につじつまをあわせて、拷問に近い方法で容疑者から自白をとる。最近小説の世界だけではないことに驚愕したばかりだ。 この物語の舞台は1990年の東京だが、テーマはとてもタイムリーだ。 殺人事件を追う菊川刑事と先輩刑事・滝下は最初に浮かんできた容...

自分がこうと思ったら、検事は証拠など適当につじつまをあわせて、拷問に近い方法で容疑者から自白をとる。最近小説の世界だけではないことに驚愕したばかりだ。 この物語の舞台は1990年の東京だが、テーマはとてもタイムリーだ。 殺人事件を追う菊川刑事と先輩刑事・滝下は最初に浮かんできた容疑者はシロだとにらむが、指揮官でもある烏山検事は絶対にクロだと決め込み、連行して自白を取ることに固執する。 菊川と滝下は重要な証拠・証言を集めるが検察官は客観的な証拠など歯牙にもかけない。 物語は事件の真相より、刑事と検事の葛藤にファーカスが合わされている。淡々とした捜査の描写が続くが、ベテラン刑事・滝下の人物像が興味深いし、終盤の盛り上がりもやっぱりうまい! 20年経った現代ではDNA鑑定は素人でも知る所となったが、それでも冤罪事件はまだまだあるのだろうなと怖くなる。

Posted byブクログ

2011/12/25

立件を急ぐ検事と冤罪の疑念を抱く現場捜査官との対立を軸に描かれている。事件自体の面白みよりも先輩刑事の筋の通し方が心地よい。

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2011/11/22

今野敏警察ワールド。シリーズものでなさそうなので、人物への思いこみがなくて、気楽に楽しめた。三枝・菊川コンビで、続きの話がありそうな終わり方だったけど、あるのかな。

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2011/11/07

いろんな種類の人間を書くのが上手いなと思う。 年代が少し古い時代が舞台だけども、昨今検事についての事件もあったから、それについては、時代に合った題材ともいえると思う。

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2011/11/04
  • ネタバレ

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今野敏さんは、警察官を通して「人間」を描いている。 人間の持つ知情意。心の動き。 本書でも、人間心理を物語にのせて浮き上がらせて見せてくれた。 相変わらずのお手並みが心地よかった。 ただ、その見せ方が今回はかなりざっくりしたもので、驚いたのも事実。 わかり易くはある。複雑な人間心理を相当に咀嚼した形で小説化しているからだ。 問題は、このわかり易い登場人物たちを読者がどう捉えるかだろう。登場人物たちが素直すぎるのである。 否定的な意見も出そうなわかり易い素直さなのである。

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2011/09/29

事件自体は、どうと云う事はありませんが、 警察内部のゴタゴタ、それから検事との関係・・・ が、興味深く、面白かったです。 続きは、長くなるのでよかったら こちらを、http://tschuss12.jugem.jp/?eid=189 STの菊川の若いころのお話、と云う事だそうです...

事件自体は、どうと云う事はありませんが、 警察内部のゴタゴタ、それから検事との関係・・・ が、興味深く、面白かったです。 続きは、長くなるのでよかったら こちらを、http://tschuss12.jugem.jp/?eid=189 STの菊川の若いころのお話、と云う事だそうです。

Posted byブクログ

2011/08/07
  • ネタバレ

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2011.8.4読了。 土地勘のない場所で被害者が殺される事件が起きる。 その捜査に検事が乗りだしてきて、容疑者らしき人物を無理やり特定するが、その後に事実関係が判明してきて… まだ若い血のたぎった刑事と、コンビを組んだゆっくりスタートの年配の刑事のお話。

Posted byブクログ