1,800円以上の注文で送料無料

プラテーロとわたし の商品レビュー

4

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/04

何度も手にして何度も読んでいる。忘れていた詩もあり、新しい視線で読んだものも有り。長新太氏の絵に癒される。

Posted byブクログ

2024/07/28

綺麗で悲しい散文詩。こんなふうに喜びと悲しみを両方愛せる日がいつか来るだろうか。何も失いたくないし大切な存在にはいつまでも元気でいてほしいと思ってしまう。

Posted byブクログ

2024/05/16

ノーベル賞も受賞したヒメネスの代名詞のような作品。子どもの頃に岩波少年文庫版で読んだけれど、その時はそんなに感動しなかった。 長新太の絵に誘われて理論社版で再読。スペインの田舎の空気を感じさせてくれる。

Posted byブクログ

2024/01/01

「プラテーロ」はロバ、ふんわりとした綿毛のロバ。 瞳は漆黒。オレンジやブドウ、イチジクが大好き。 スペイン語で銀はプラータという。 プラテーロはお月さまの銀の色をしたロバなのだ。 「わたし」は詩人。 小さくてふわふわした綿毛のプラテーロを愛している。 プラテーロとはいつも一緒。...

「プラテーロ」はロバ、ふんわりとした綿毛のロバ。 瞳は漆黒。オレンジやブドウ、イチジクが大好き。 スペイン語で銀はプラータという。 プラテーロはお月さまの銀の色をしたロバなのだ。 「わたし」は詩人。 小さくてふわふわした綿毛のプラテーロを愛している。 プラテーロとはいつも一緒。 詩人は都会で心を病み、故郷の小さな町、モゲールに帰ってきた。 プラテーロとの暮らしは病んだ心を徐々に癒してくれた。 小さな灰色のロバに乗って山野を行く詩人を、町の子供たちは「きちがい」と呼んだという。 詩人の目は、優しく穏やかに、そして哀しく、故郷の街に注がれる。 数ページの短い断章、百数十篇に、故郷の風景が綴られる。 病んだ心にはとりわけ深く響いたのだろうか、見つめられる先にいるのは、弱いもの、虐げられたもの、悲しいものが多い。 ダニに取り憑かれた哀れな犬。 熱っぽく、病み衰えた肺病やみの娘。 プラテーロとよく遊んでくれたのに死んでしまった女の子。 子供たちにかわいがられていたカナリヤ。 はかなく寄る辺ないものたち。 とはいえ、アンダルシアの美しい暮らしも印象的である。 キリスト聖体の祝日の祭。 晴れやかなブドウのとり入れ風景。 美しくみずみずしいザクロの実。 女の子たちとの競争に勝って、パセリの冠をもらったプラテーロ。 美しい、夢のような日々だ。 詩人はロバに語り掛け、ロバはじっとそれを聞いている。 忠実な、無垢なる瞳。 これ以上の聞き手があろうか。 年老いて、命尽きるまで、ロバは詩人のよき友だったのだろう。 後年、詩人はスペイン内乱のため、長く、故国を離れざるを得なくなる。 しかしおそらく、心はロバの眠る故郷を離れることはなかっただろう。 プエルトリコで他界した詩人は、故郷モゲールの墓地に運ばれ、その地で眠っているという。 天国のヒメネスとプラテーロは、暖かい日差しの中で、一緒に穏やかにお散歩しているだろうか。 そうであるとといい。

Posted byブクログ

2023/09/11

詩人ヒメネスと銀色のロバ・プラテーロとの旅の日々を書いた物語詩集。プラテーロとの穏やかなたっぷりとした日々。読んでいると大きな何かに包まれるよう。でも死んじゃうんだな。長さんの絵がまたいい味に。

Posted byブクログ

2022/11/20

 なんとやさしい本だろうか。  「私」にとってプラテーロは、「私」と世界を、ちょうどその境目で、つないでくれている存在のような感じがした。  プラテーロに言葉をかけることは、「私」が鏡に自分の心を映すようなものであって、その鏡の中に、世界の小さきものたちの美しさや儚さやかなしさや...

 なんとやさしい本だろうか。  「私」にとってプラテーロは、「私」と世界を、ちょうどその境目で、つないでくれている存在のような感じがした。  プラテーロに言葉をかけることは、「私」が鏡に自分の心を映すようなものであって、その鏡の中に、世界の小さきものたちの美しさや儚さやかなしさや尊さを知っている自分の心をみとめられたからこそ、「私」は生きることができたんじゃないかと思った。

Posted byブクログ

2021/06/20

エッセイあるいは詩 療養のため故郷モゲールでロバと過ごした日々を、自然の中で喜びに満ちて時には悲しみに沈みながら書き綴った詩。詩人のプラテーロに語りかける優しい眼差し、心ない人々からの嘲笑や気の毒な人や動物への哀れみ、淡々と紡ぎ出される言葉の情景に、美しい自然が重なって心に響きま...

エッセイあるいは詩 療養のため故郷モゲールでロバと過ごした日々を、自然の中で喜びに満ちて時には悲しみに沈みながら書き綴った詩。詩人のプラテーロに語りかける優しい眼差し、心ない人々からの嘲笑や気の毒な人や動物への哀れみ、淡々と紡ぎ出される言葉の情景に、美しい自然が重なって心に響きます。 長新太さんの挿絵は最初違和感がありましたが、読み進めるうちにシンプルな線とユーモアのある絵にぴったりだと思えてきました。良かったです。

Posted byブクログ

2022/11/19

”私”が療養のため生まれ故郷のモゲール村で過ごす日々。ロバのプラテーロがいつも一緒。 まるで、読んでいる自分も一緒にモゲール村を歩きまわり、空を見上げ、水を飲み、悪童に嘲笑をあび、幼子の墓を眺め、花の香りをかいでいる気分に。 あんまり長い間一緒にいたので、最後から3つ目、プラ...

”私”が療養のため生まれ故郷のモゲール村で過ごす日々。ロバのプラテーロがいつも一緒。 まるで、読んでいる自分も一緒にモゲール村を歩きまわり、空を見上げ、水を飲み、悪童に嘲笑をあび、幼子の墓を眺め、花の香りをかいでいる気分に。 あんまり長い間一緒にいたので、最後から3つ目、プラテーロが死ぬ詩では涙が流れました。

Posted byブクログ

2014/10/29

月のような銀色の綿毛と黒い瞳を持つロバ、プラテーロと著者との日常を愛情深い言葉でつづった散文詩。スペインの詩人でノーベル文学賞受賞の著者がおりなす、自然描写の独特な美しさや愛情の細やかさが感動的。本書は2冊出版されているが、訳者が違っている。訳者の違いによる楽しみ方もあり、原文の...

月のような銀色の綿毛と黒い瞳を持つロバ、プラテーロと著者との日常を愛情深い言葉でつづった散文詩。スペインの詩人でノーベル文学賞受賞の著者がおりなす、自然描写の独特な美しさや愛情の細やかさが感動的。本書は2冊出版されているが、訳者が違っている。訳者の違いによる楽しみ方もあり、原文の幅の豊かさも凄いと感じる。

Posted byブクログ

2012/09/07

高校時代詩にはまっていたころの懐かしい思い出の本。新装版を書店で発見し、即買い。どのページを開いても、色彩の描写の鮮やかさ(とちょっと毒々しさ)に心を奪われる。一度アンダルシアに聖地巡礼したい

Posted byブクログ