プラテーロとわたし の商品レビュー
良質な詩作だが,病的なものも感じる~わたしは生まれ故郷のモゲールにいて毎日半分灰色で半分白いロバのプラテーロと過ごしている。ある子ども達はわたしをバカにし,ある子ども達はプラテーロと遊びたがる。祭に出掛けたり,留守番をしたり,山で本を読むわたしの側で花を食べたり,ぶどうの絞り汁を...
良質な詩作だが,病的なものも感じる~わたしは生まれ故郷のモゲールにいて毎日半分灰色で半分白いロバのプラテーロと過ごしている。ある子ども達はわたしをバカにし,ある子ども達はプラテーロと遊びたがる。祭に出掛けたり,留守番をしたり,山で本を読むわたしの側で花を食べたり,ぶどうの絞り汁を運ぶロバを見たり,犬が撃ち殺されるのを見たり,花火に怯えたり,墓に詣でたり,捨てられたロバに石を投げるこどもの様子も見た~1881年スペインのアンダルシア地方に生まれた作者が17歳で詩作の才能を認められたものの,精神を病み,故郷で静養していた20台の前半に書いた詩の数々。常にロバのプラテーロに語りかける。静かにゆっくり味わって読む人に詩は向いているのだろう・・・という訳で今の私には向いていない
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まず表紙が長新太さんだったことで心をつかまれ、 ”ロバのプラテーロ”、という響きにやられ 思わず手に取ってしまいました。 ちょうど我が家で飼っていたハムスターが亡くなり 心が弱っていたせいもあったかもしれません。 とにかくおだやかな、やさしい空気感が漂っていて 読んでいて癒さ...
まず表紙が長新太さんだったことで心をつかまれ、 ”ロバのプラテーロ”、という響きにやられ 思わず手に取ってしまいました。 ちょうど我が家で飼っていたハムスターが亡くなり 心が弱っていたせいもあったかもしれません。 とにかくおだやかな、やさしい空気感が漂っていて 読んでいて癒されました。 日記、というか、エッセイというか、 短い文章の中にぐっとくる言葉がつまっていて、 とてもよかったです。 眠りに就く前に少しずつ読みました。
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プラテーロというのはロバの名前。 1956年にノーベル文学賞を受賞したスペインの詩人、ヒメネスの若き日の作品であり、代表作です。 いくつかの出版社から邦訳が出ていますが、この本は理論社版の復刊本。 生まれ故郷モゲールの町を、黒い服を着てロバにまたがりさまよう若き詩人を、故郷の人々...
プラテーロというのはロバの名前。 1956年にノーベル文学賞を受賞したスペインの詩人、ヒメネスの若き日の作品であり、代表作です。 いくつかの出版社から邦訳が出ていますが、この本は理論社版の復刊本。 生まれ故郷モゲールの町を、黒い服を着てロバにまたがりさまよう若き詩人を、故郷の人々は好奇の目で見ていたことでしょう。作者を子供たちは「きちがい」とあざけります。 自分のロバに優しく語りかけ、その愛情に満ちた視線で世界を見つめるヒメネスの文章は、そのリズムといい言い回しといい、何でもない日常の中にある大切な「何か」を読んでいる者の心に呼び覚まします。 ドラマらしいドラマのない散文が続くので、最初は退屈に思うかも知れませんが、何ともいえない感情を刺激する、心の奥底に響く文章です。 長新太さんの挿絵もイイ! 読書の秋、夜中にひっそりと読むのにピッタリの本です。
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