遠く不思議な夏 の商品レビュー
斉藤センセイの思い出をベースに書かれた、遠い夏の日のお話し。登場人物の一人「きっつぁん」なる人が時折見せる不思議な雰囲気に、思わず背筋の寒さを覚えます。個人的には「新盆の夜」が一番のお気に入りです。
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子供の頃の夏のできごと。 懐かしさ、切なさ、ほろ苦さ、そしてちょっぴりのホラー。 主人公が過去を振り返る形で語られていく、母親の実家で過ごす夏に起こった出来事の数々。 すごく怖い訳ではなく、どちらかと言うと不思議なお話が多い。 淡々とした語り口調なのが、少し不気味な空気感をより...
子供の頃の夏のできごと。 懐かしさ、切なさ、ほろ苦さ、そしてちょっぴりのホラー。 主人公が過去を振り返る形で語られていく、母親の実家で過ごす夏に起こった出来事の数々。 すごく怖い訳ではなく、どちらかと言うと不思議なお話が多い。 淡々とした語り口調なのが、少し不気味な空気感をより引き立ててくれる。 読んでいると、蝉の声や夏草の香り、生ぬるい風や降り注ぐ日差し、田舎の夏の空気を感じられてどこか懐かしい感じもした。 子どもにしか感じられない、子どもにしか体験できないことってあるよね。
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斉藤少年の幼少期の不思議な体験。読み進めて行くうちに、ウンウンと頷くこともあり、田舎の大きなお家ならこれ、こんなことあるよねー と。 幼少期には大人には見えない、感じないものが、、 このリアル感は夏にはぴったり。 大人が読んでも面白い。
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【図書館】『オレンジ色の不思議』『水色の不思議』と 斉藤洋作品の“不思議”とタイトルに付いてる本を読んで、たいへん面白かったので、こちらの本も読んでみた!ちょっと怖いところもあって、それも不思議で……。きっつぁんがとても気になる存在でした。
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母の郷里ですごした、少年時代の夏休み。そのなんでもない田舎ぐらしの中でぼくは幻とも現実ともつかない不思議なできごとに出会う。昭和三十年代を舞台につづる12の奇譚。
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子どものころ毎年夏に行ったは母親実家がある田舎の思い出。 ちょっと不思議な体験を忘れないうちに書き留めたという設定。 時代は昭和30年代から40年代。 座敷わらしのような、不思議なものが見える少年。
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小さいときに毎年のように行っていたおばあちゃんちのことを思い出した。不思議な話は少しどきっとしたし、夏独特の、あの不思議で懐かしい感覚がしました。
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毎年夏に 母の田舎に連れて行ってもらっていた。 まだ蒸気機関車が走っていた頃の話。 祖父の家はどうも不思議なものが見える家系らしい。 主人公の少年がさいごまで名前がよばれることがなかったのがまた不思議さを感じる。 リヤカーで荷物運びをして生計をたてている男、「きっつぁん」。伯父の兄の家を屋号ではなく本家、とよんでいたので少年とは親類なのかもしれない。不思議なことに対抗する手段を知っていて、ざしきわらしに苦手だ、と言われていたのがおもしろかった。きつねを縮めてきっつぁん、とよばれているんではないかと想像したが違うだろうか。 祖父もまた面白い人で、少年にたくさん昔話や言い伝えを話してくれた。少年が一人で川に行かないように、祖父が即興でつくったらしきへんてこな怖い話をしてくれる。不思議な話や昔話が言い伝えられていくというのはこういう感じなんだろう。 もう少し、きっつぁんやきつねさんの話がでてくるとうれしかった。
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田舎の風景や、大きな家の不思議な感じや、親戚づきあいや、子どもの頃の感じ方や、とても懐かしい雰囲気に満ちた作品。主人公のぼくにはいつも人には見えないものが見える。しかしそれらを全部まるごと知っていてくれるきっちゃん(名前がうろ覚えになってしまった・・)さんの存在がぼくに、そして読...
田舎の風景や、大きな家の不思議な感じや、親戚づきあいや、子どもの頃の感じ方や、とても懐かしい雰囲気に満ちた作品。主人公のぼくにはいつも人には見えないものが見える。しかしそれらを全部まるごと知っていてくれるきっちゃん(名前がうろ覚えになってしまった・・)さんの存在がぼくに、そして読者に安心感を与えてくれる、うまい仕掛けになっているようだ。一番不思議なのはこの人かも。
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田舎のおじいさん・おばあさんが孫に語る自身の不思議な体験談を物語にしたかのような本。 怪談では無い、田舎という限られた空間の中で、そこに住む人々が信じるもの、都会にはない豊かな自然とそこの人々との関係から生まれたような現象。現象というと無機質に感じられるかもしれませんが、普段は...
田舎のおじいさん・おばあさんが孫に語る自身の不思議な体験談を物語にしたかのような本。 怪談では無い、田舎という限られた空間の中で、そこに住む人々が信じるもの、都会にはない豊かな自然とそこの人々との関係から生まれたような現象。現象というと無機質に感じられるかもしれませんが、普段は目に見えないし感じられないのだけれど、確かに存在していて、ふとした瞬間に現れ出でる。この物語の形式が、大人になった自分が子どもの頃のことを思い出して書く、というものだからなのかもしれませんが、少し距離を取りつつその不思議さを観察するかのような視点で、あまり感情的でないからこそ、かえって「あれは何だったのだろう」という謎めいた印象が深まり、なおかつその謎を追求しないことで読者の想像力を深まらせ物語に引き込んでいきます。田舎の閉鎖性と慣習的なところがまた、その不思議さを深くしているようにも感じます。ただ、この機微がターゲットとしている子どもたちに伝わるかどうかは…読ませてみないとわからないかな。
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