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織田信長・明智光秀事典 の商品レビュー

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2011/12/29

「異なるリーダーの生き方に学ぶ」というタイトルから、信長と光秀に関するリーダー論的な本かと思って買ったけど、違った。 正確に言うと、信長と光秀のリーダーとしてのあり方の違いの話は出てくるが、基本的には「事典」で、両者に関する歴史的な出来事を追いつつ、両者の人間的な面に関する著者...

「異なるリーダーの生き方に学ぶ」というタイトルから、信長と光秀に関するリーダー論的な本かと思って買ったけど、違った。 正確に言うと、信長と光秀のリーダーとしてのあり方の違いの話は出てくるが、基本的には「事典」で、両者に関する歴史的な出来事を追いつつ、両者の人間的な面に関する著者の見方を紹介するという形式の本だ。 と、これだけだど無味乾燥でつまらない印象を与えてしまうかもしれないが、これが意外に面白い。 著者の信長や光秀の真の姿に関する考察というか見解が興味深いからだ。 信長については、天才というこれまでの通俗的な評価ではなく、まじめであること、これが信長の本質であると捉えている。 美濃攻略成功の理由が、敗れても敗れても繰り返す愚直な侵攻の賜物であること、桶狭間を除くほぼ全ての合戦に、とにかく数的優位を構築して臨んで勝利を得ていること等、決して奇抜な発想ではないが物事の鉄則的なことを愚直にやり続けることが信長の本質であると語られると、非常に説得力がある。 一方光秀は、これは資料が十分存在しないため信長ほど深く考察されていないが、基本的に野心、というか名誉欲というか、とにかく上昇志向が強いという捉え方だ。 朝倉義景、足利義昭、そして信長と、仕える盟主のことをよく見極めて行動しているという評価で、これはまあ通俗的な評価とほぼ同じかもしれないが。 本能寺の変の動機もこの延長で、盟主信長の考え方と行動を見極め、将来切られることが予想されたため先手を打ったという解釈だ。まあ平凡といえば平凡な解釈だが、それまで信長の考え方について考察があり、その延長の上でこの説明が出てくると、つまらない陰謀論よりよっぽど説得力を持つと感じられる。 当初目的としていた「異なるリーダーの生き方に学ぶ」という観点で面白かったとはとても言えないが、信長、光秀という知りすぎていると思っていた戦国武将に対する新しい見方を得られたという点では非常に楽しめた。

Posted byブクログ