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遊牧民から見た世界史 の商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

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2026/03/02

国家とは歴史とは、根本観念を揺さぶってくる。 遊牧民の基本的な知識から、各「遊牧国家」の特徴と歴史における位置がわかりやすい文体で記述される。 一方で、近代国家観をもとに研究されてきたいわゆる世界史に対して疑義を提示する立場の筆者がわりと自由に一般向けに書いているので、そのあた...

国家とは歴史とは、根本観念を揺さぶってくる。 遊牧民の基本的な知識から、各「遊牧国家」の特徴と歴史における位置がわかりやすい文体で記述される。 一方で、近代国家観をもとに研究されてきたいわゆる世界史に対して疑義を提示する立場の筆者がわりと自由に一般向けに書いているので、そのあたりは割り引いて読んだ方がいいかも。(講談社学術文庫の「中国の歴史」のモンゴル巻より自由に書いてる気がする笑) 例1:初期の漢王朝は匈奴の実質支配を受けていた→固定された編戸を管理して徴税するようないわゆる支配をイメージするとずれる。軍事力を背景に庇護と献納を相互に与え合う関係を指して支配と呼んでいる(と解釈した) 例2:宋など歴代王朝は銅銭に固執していた。これはまるで民衆のことを考えていない。→少なくとも宋に関して言えば銅本位から変更するインセンティブがなかったのでは?また大口や長距離取引には紙幣や銀が民間ベースで利用され始めているらしいので実質どの程度民衆が困っていたのか疑問。なお南宋になって銅不足におちいってからはもはや銀本位に変更する体力はない認識。 とはいえ、それでも知的好奇心を激しく揺さぶられる本。また岩波講座とか専門寄りの概説書からも参照されるような、しかし平易な本なので世界史好き、特に中国史好きにはおすすめ。

Posted byブクログ

2024/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本では私たちが漠然と想像する遊牧民のイメージを根底から覆す作品です。また、単に遊牧民という存在だけにとどまらず私たちの歴史認識そのものを問う恐るべき作品となっています。 少なくとも私も思いっきり先入観を粉砕されました。 これまで様々なジャンルを読んできて、なるべく色んな視点から物事を見ていこうと意識していたにも関わらずこの様です。この事実にものすごく恥じ入ってしまいました。 この本を読めばきっと私と同じ思いになる方も多いのではないでしょうか。いやあ痛快な一冊でした。

Posted byブクログ

2023/10/26

地図帳を広げながら拝読。中国からモンゴル、中央アジア、ヨーロッパって案外近い。匈奴、突厥、ウイグル、モンゴル、、、緩やかな連合、ネットワーク。排他性のないイデオロギーなしの多様性。モンゴルは経済政策あっての世界帝国。著者のいう先入観なしのあるがままの歴史。この地域はこれからも新し...

地図帳を広げながら拝読。中国からモンゴル、中央アジア、ヨーロッパって案外近い。匈奴、突厥、ウイグル、モンゴル、、、緩やかな連合、ネットワーク。排他性のないイデオロギーなしの多様性。モンゴルは経済政策あっての世界帝国。著者のいう先入観なしのあるがままの歴史。この地域はこれからも新しい事実が発見されるでしょうから楽しみです。

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2022/04/07

【文章】 読み辛い 【ハマり】  ★★★・・ 【気付き】  ★★★★・ 本書を滞りなく理解しながら読み進めていくためには、学校で習う世界史には出てこないような、アジアの歴史的知識が必要。 ・万里の長城の"城"は、日本でいうところの城ではなく、土から成った壁...

【文章】 読み辛い 【ハマり】  ★★★・・ 【気付き】  ★★★★・ 本書を滞りなく理解しながら読み進めていくためには、学校で習う世界史には出てこないような、アジアの歴史的知識が必要。 ・万里の長城の"城"は、日本でいうところの城ではなく、土から成った壁という意味 ・大陸の歴史において、「民族」や「国家」の区切りはとても曖昧。ある集団に対して何かを語るとき、「民族」や「国家」という概念を当てはめるのは不適切な事がある ・ある集団に対する歴史的な残酷さを語るのは、直接被害を受けた人々ではなく、被害を受けたと考えられている人々の子孫。そのため、残酷さを語るストーリーの中に捏造が混じる場合がある ・現代教えられている世界史は、西欧を中心としたものに偏り過ぎている

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2019/08/16

【読書】漸く読了。夏休みの4日かかったけど読みごたえのある一冊でしたな。所謂、歴史の教科書の空白な部分であるユーラシア中央部のモンゴルまでの時代史がよく分かって面白かった。まあこういう交易を媒介するところがないと三蔵法師もインドに行けんわな。ただ史書があるとないじゃ後世の評価が雲...

【読書】漸く読了。夏休みの4日かかったけど読みごたえのある一冊でしたな。所謂、歴史の教科書の空白な部分であるユーラシア中央部のモンゴルまでの時代史がよく分かって面白かった。まあこういう交易を媒介するところがないと三蔵法師もインドに行けんわな。ただ史書があるとないじゃ後世の評価が雲泥の差だなとはよく分かった。

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2013/02/04

ブログに感想書きました→http://d.hatena.ne.jp/victoria007/20130202/1359802127

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2012/11/18

多くの人が現行の教育制度の中で植えこまれた従来の世界史観(p53「世界は、ここ100から150年、近代西欧型文明を至上のものとする価値観のなかで、生きてきた」)を揺さぶる良書。「明朝皇帝は、中国史上とびぬけた独裁専制君主であった」(p64)「恵帝はどうしようもない阿呆であった」(...

多くの人が現行の教育制度の中で植えこまれた従来の世界史観(p53「世界は、ここ100から150年、近代西欧型文明を至上のものとする価値観のなかで、生きてきた」)を揺さぶる良書。「明朝皇帝は、中国史上とびぬけた独裁専制君主であった」(p64)「恵帝はどうしようもない阿呆であった」(p231)など、決してニュートラルとはいえない書き方で読み手は注意すべき。だが、読み手の先入観を突き崩すために不快なほど強くいい、極端なぐらい遊牧民の側から世界史を描写しているはず。また、「歴史は謎を解くのか」というコラム(p350-)では壮絶な歴史研究の実態がわかる。書かれなかった歴史の側、今までは歴史のネガだった側から世界史を眺め直す。すると、たとえば、中国王朝は、ほとんど遊牧民の「虎の威」を借りていた(p158)が、文字での記録では圧倒したので後世には蛮族のように描写され、それが今日のイメージにつながっているといわれて、とりあえずスッキリする。おそらくその大半が移動生活という性質上、記録を残すという傾向がうまれにくかったのだろうか。そういう遊牧民の形成した国家のハイブリッドさを捉え直し、「民族」や「国民国家」という概念、枠組みに疑問符を投げかける。わたしたちは、「大きなカンちがい」(p457)をしてきたのである。

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2018/10/07

非常におもしろかった。「遊牧民族は野蛮で辺境に住んでて…」といった従来の(勝手な) イメージがガラッと変わった。名著!

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2011/12/19

漢民族の立場で書かれた中国史の本は日本語でも多々あるが、匈奴やモンゴルといった遊牧民の立場から書かれた素人向けの歴史書は珍しいと思うし、内容も詳しく興味深かった。 ただ、各時代のエピソードしかないため、個々のエピソードのつながりが分かりづらいのが難点だ。(私を含め)おそらくこの文...

漢民族の立場で書かれた中国史の本は日本語でも多々あるが、匈奴やモンゴルといった遊牧民の立場から書かれた素人向けの歴史書は珍しいと思うし、内容も詳しく興味深かった。 ただ、各時代のエピソードしかないため、個々のエピソードのつながりが分かりづらいのが難点だ。(私を含め)おそらくこの文庫本を手に取る人には中央アジア・西アジアの歴史に関する知識は皆無に等しいだろうから、エリア全体の歴史の概略に関する記述があれば、ずいぶん分かりやすくなったと思う。 (もしそういう本があれば、その本を脇に置きながらの一読をお勧めする)

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2011/09/19

教科書ではほとんど語られない地域の前近代までの通史が眺められる。漫画でも近年この辺りが舞台になった作品は凄く多いので、良いタイミングでの復刊。というよりも、この本が遊牧民漫画のネタ本の一つなのかも。 文章も平易で読みやすいが、教科書歴史観の固定化を恐れるあまり、ヨーロッパへの言及...

教科書ではほとんど語られない地域の前近代までの通史が眺められる。漫画でも近年この辺りが舞台になった作品は凄く多いので、良いタイミングでの復刊。というよりも、この本が遊牧民漫画のネタ本の一つなのかも。 文章も平易で読みやすいが、教科書歴史観の固定化を恐れるあまり、ヨーロッパへの言及がほとんど言いがかりみたいな悪口になることがチョイチョイある。

Posted byブクログ