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富士ゼロックスはなぜ開発の手戻りを6割減らせたのか の商品レビュー

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2013/03/16

富士ゼロックスの開発の秘密が赤裸々に記載されている本。 2005-7年にかけてデジタル複合機を対象に富士ゼロックスが取り組んだ「開発・生産準備プロセス改革」の結果を一冊の書籍としてまとめた本です。 これを富士ゼロックスデジタルワークウエイ(富士ゼロックスDWW)といっています。...

富士ゼロックスの開発の秘密が赤裸々に記載されている本。 2005-7年にかけてデジタル複合機を対象に富士ゼロックスが取り組んだ「開発・生産準備プロセス改革」の結果を一冊の書籍としてまとめた本です。 これを富士ゼロックスデジタルワークウエイ(富士ゼロックスDWW)といっています。 フロントローディングを実現すべく、大きくは以下の3点 (1)全員設計(Degital Design Improvement) (2)デジタル設計 (3)デジタル生産準備 大雑把に言えば、すべてをデジタル化してデジタルの世界で設計、評価、生産準備することで、バーチャルフェーズでフロントローディング&コンカレント化して、後戻りを減らすといったイメージ。 フロントローディングを実現することによって、開発期間40%短縮、設計変更率の60%改善、R&D費用効率の30%改善を実現しています。 しかし、あまりに専門的に書かれていて、専門用語もガンガン出てきて、ソフトやさんの私としては、理解できないところ多かったです。 そもそも、社内改革の本をこのように書籍化して、誰を対象に読んでもらおうと思っているのか?この本って売れているの?などなど疑問に残るところです(笑) とまあ、理解が十分出来ないながらもちょっとサマライズすると (1)開発・設計プロセス改革 設計支援ツールの作成。設計プロセスを標準化し、それをツール化して、ツールによってサポートすることによって、ベテラン以外の人でも設計できる、または、設計上見落としがないようにサポートできる仕組みを構築。 さらに、設計工程をすべてばらして、工程間の依存関係を導き出して、作業の後戻りが起きないよう、または、最小限になるように作業工程順序の並びなおし(デザインストラクチャマトリックス) そして、デジタルモックアップを用いた品質の検証を行う。 (2)生産準備プロセス改革 出図前に生産設計を完成させるフロントローディングと標準化を軸とした金型政策の高速化を推進し、金型政策の短期化を実現。 開発設計者の作成する3次元CADデータをベースとして、製品設計と生産設計をバーチャルにコンカレントに実施することで、手戻り肯定を削減するといったイメージです。 生産設計、金型のあたりは、まったくピーンと来ないところです(笑) さらに、生産においても生産準備ナビシステムなるものを構築し、生産準備プロセスの構築・標準化を実現しています。 また物流についても、当然検討されていて、輸送工程で不具合が発生しないよう、どのような包装設計を行うか、同様にシミュレーションを用いて検討、実装しています。 とまぁ、設計から生産、配送におけるところまでしっかり検討されています。 さらに、本書では、実例として静音設計とハード設計の事例を記載しています。 おなかいっぱいです。さすが、富士ゼロックスです。こうしたものづくり革新が強い競争力を生み出しているのだと思います。 最後に、コラムで面白いものがあったので忘れないようにメモ。 ゴルゴ13のプロフェッショナルとしての哲学と行動を自分たちのものづくりと重ね合わせて 「フロントローディング設計」=「用意周到な事前準備」 「手戻り0」=「パーフェクトな結果」 「やるべきことをやり切る」=「やりぬくプロ意識」 としてとらえています。 ゴルゴ13までも参考にして愚直にものづくり革新にとりくむ富士ゼロックス。すごい!

Posted byブクログ

2013/02/05

開発に必要であり、ボトルネックになる部分をすべて行っていると思う。 DSMなど目からうろこの考え方あり、なかなか活用が難しいシュミレーションもキチンと使いこなしている印象を受けた。 開発業務以外でも応用できる部分は多々あると思う。

Posted byブクログ