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イエスという経験 の商品レビュー

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2025/05/20
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史的イエスの言動というよりは、史的イエスの思想にフォーカスしている本。 先行研究を検討した後、イエスの生まれた環境、メシア運動やヨハネの活動した社会を見る。そしてイエスの世界観のようなものである「イメージ・ネットワーク」という著者独自の用語を使い、「全時的今」「天上の祝宴」「アッバ父」などの神話的イメージがどのようにイエスの中に生まれ、発展し、最後に十字架上で破綻したのかを考察していく。最終章は正直難しくてよくわからなかった。 あるエピソードや言葉が原始教会の創作かイエス本人にさかのぼるものか判断するのにキリスト論的関心が見られるかどうかの一本槍の基準しか使わなかったり、イメージ・ネットワークありきですべてを語っているように感じるところもあって(オリーブ山での最後の祈りを考察に使いたいばかりに「誰かが見ていたのだ」で史実性の検証を済ますところとか、最期の十字架の刑死の時の独特の解釈とか)すべてに納得がいくというわけではない。だが一つ一つのエピソードに主な先行研究の見解を併記したうえで見解を書いているのは読みやすく分かりやすかったし、勉強になった。また、不可解なところもあるイエスの言動全体に納得のいく彼の世界観を提示するべきというのは確かになるほどと思った。

Posted byブクログ