愛と憎しみ その心理と病理 の商品レビュー
本書の冒頭で著者は、「「愛と憎しみ」ほど、心理学的な問題はない。しかも「愛と憎しみ」ほど心理学で無視されているものはない」と述べて、実証的な心理学がいまだ扱うのに苦慮している「愛と憎しみ」の感情についての考察をおこなっています。恋愛、親子間の愛、友情、自己愛、嫉妬、そして愛国心に...
本書の冒頭で著者は、「「愛と憎しみ」ほど、心理学的な問題はない。しかも「愛と憎しみ」ほど心理学で無視されているものはない」と述べて、実証的な心理学がいまだ扱うのに苦慮している「愛と憎しみ」の感情についての考察をおこなっています。恋愛、親子間の愛、友情、自己愛、嫉妬、そして愛国心に代表されるような、集団における愛と憎しみの感情がとりあげられています。 著者は、フロイトのエネルギー論的な発想を「仮説」として受け入れ、リビドーの昇華といった考えを借りて人間の愛と憎しみの感情を説明しています。しかし、それ以上に本書に特徴的なのは、狭い意味での心理学に限定することなく、スタンダールをはじめ広く人文科学上の遺産を取り入れつつ、愛と憎しみの感情という、きわめて人間的な現象に迫ろうとしているところではないかと思います。著者は『人間の心理を探究する』(岩波新書)のなかで、「私は心理学はユマニスト(人間論者)の伝統を受けつぐものと考えている」と述べていますが、そうした著者のスタンスが本書にも生きているように感じました。
Posted by
(1971.01.23読了)(1970.03.02購入) *解説目録より* この人生最大の問題を、今日の心理学はどう考えるか。恋愛とは何か。それは性欲の変形にすぎぬのか。恋愛は、どのように発展し、形成されるのか。憎しみや嫉妬の原因はどこにあるのか。本書は、これらの問題に答えるもの...
(1971.01.23読了)(1970.03.02購入) *解説目録より* この人生最大の問題を、今日の心理学はどう考えるか。恋愛とは何か。それは性欲の変形にすぎぬのか。恋愛は、どのように発展し、形成されるのか。憎しみや嫉妬の原因はどこにあるのか。本書は、これらの問題に答えるものである。さらに、親子愛、友情、自己愛と利己主義、偏見などの科学的分析により、人間関係の土台が、愛と憎しみにあることを心理学的に明らかにした。現代人の精神生活のあり方に対して、重要な示唆を与える。 ☆関連図書(既読) 「神秘の世界」宮城音弥著、岩波新書、1961.11.20 「心理学入門 第二版」宮城音弥著、岩波新書、1965.12.20
Posted by
心理学的問題:実験・統計によって簡単に処理できない ▼ 病理法:つまり病的な状態を土台にして普通の心理を明らかにする方法 あくまで正常の心理を明らかにする方法 精神分裂病:愛情の喪失、他人とともに生きる欲求をなくしてしまった、人々から離れ...
心理学的問題:実験・統計によって簡単に処理できない ▼ 病理法:つまり病的な状態を土台にして普通の心理を明らかにする方法 あくまで正常の心理を明らかにする方法 精神分裂病:愛情の喪失、他人とともに生きる欲求をなくしてしまった、人々から離れて生きようとする
Posted by
- 1