浅草博徒一代 伊地知栄治のはなし の商品レビュー
いわゆる「聞き書き」のテイだが、記憶がこまかいところまでありすぎ、聞き書きをヒントに創作したのではと勘繰る。 山田風太郎の「明治小説」シリーズのあとに読むと時代的にちょうどいいものの、ヤマプーと比較して地味なエピソードばかりなのでそのぶんリアル。任侠映画のような派手なドラマはない...
いわゆる「聞き書き」のテイだが、記憶がこまかいところまでありすぎ、聞き書きをヒントに創作したのではと勘繰る。 山田風太郎の「明治小説」シリーズのあとに読むと時代的にちょうどいいものの、ヤマプーと比較して地味なエピソードばかりなのでそのぶんリアル。任侠映画のような派手なドラマはない。 しかし伊知地氏は180センチ80キロ超というから、当時としてはかなり目立ったはず。喧嘩を売ろうとか軍隊で〆ようとか思う人間はいないと思う。 いずれにせよ、大正から昭和の風俗が面白く読めて掘り出し物である。
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かのディランがアルバム「Love and Theft」で表現をパクったとう事で話題になった作品。 話題に釣られて手にとってみましたが実に面白い。ディランと同い年で現役の開業医でもある作者が患者である浅草の元ヤクザから聞いた一代記をまとめたもの。 背中にもんもんしょって指も二本詰め...
かのディランがアルバム「Love and Theft」で表現をパクったとう事で話題になった作品。 話題に釣られて手にとってみましたが実に面白い。ディランと同い年で現役の開業医でもある作者が患者である浅草の元ヤクザから聞いた一代記をまとめたもの。 背中にもんもんしょって指も二本詰めてて人も殺してるやーさんの話だから殺伐としてるのかと思うと指詰める羽目になったのはどちらも女がらみだし、博打の話も想像と違ってフレンドリーでほのぼのしてる。明治産まれで大正時代を中心に活動してた博打打ちってこんな感じなんだね。震災や戦争のときのかなり酷い話とかも満載なんだけど作者の筆致故か汚らしい感じがしない。古き良き時代の任侠が美化されるわけでも無く淡々と語られていて却って凄味がある。因みに作者はディランにパクられたことについて「光栄です」というニュアンスの反応でそれも良かった。実に良い作品。もっと売れてもいいのに。
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