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楡家の人びと(第二部) の商品レビュー

3.9

11件のお客様レビュー

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2023/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これはとてつもなくいっちまっている作品ね。 ちなみに実話がどうも元になっているようで ある本を書いている人は…なのです。 結局この家は欺瞞の塊だったのでしょう。 見せかけの栄華を見ている感じですね。 その裏側には目も当てられない負債があるというのに… 院代の望むとおりにならないところが 没落を示唆していて痛々しかったです。 どんなに良くしようとしていても独り歩きだからね…

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2023/04/29

あれほど心を病むような慣わしに翻弄された人びとは、災害や病、そして戦争によって周囲のつながりが狂い出す。それは精神をむしばんでいくような毒ではなく、日常の生活や風景に溶け込んでいて知らぬ間に身体へと染み込んでいく。この緩やかな悲劇が怖くなる。

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2023/02/22

シナ事変から太平洋戦争開戦と時代は楡家の人びとを押し流して行く。昭和初期の精神史を読むようだ。特に楡俊一の友人で空母瑞鶴に乗った軍医の語る開戦までの経緯は迫力がある。

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2023/02/07

昭和元年〜第二次世界大戦までを記録。 終盤近くの、ある楡家の友人目線による真珠湾攻撃開戦時の空気感が生々しく、良かった。 仄かなユーモアと戦争突入前の日本の緊迫感がバランス良く、中弛みしなかった。

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2022/09/11

登場人物が多いけれど、それぞれ特徴がしっかり際立っているので混乱せずに読める。昭和、開戦へ。一つ一つは日常の細かいエピソードだけど、少しずつ時代は移ろっていく。

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2016/09/14

大黒柱が去った後のバタバタを中心に。残された人たちも個性的だけど、物語中でも描かれているように、やっぱり先代と比べると皆が小粒に思えてしまうというか、そのせいで、展開そのものもやや小ぶりになってしまった感がありました。病院の勢いがやっと戻ってきたところで、今度は世界大戦に突入して...

大黒柱が去った後のバタバタを中心に。残された人たちも個性的だけど、物語中でも描かれているように、やっぱり先代と比べると皆が小粒に思えてしまうというか、そのせいで、展開そのものもやや小ぶりになってしまった感がありました。病院の勢いがやっと戻ってきたところで、今度は世界大戦に突入してしまう訳ですが、その絡みで、やっぱり家も没落してしまうんでしょうか。そのあたりが描かれるであろう下巻の結末に、期待は大きいです。

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2015/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

楡脳病科病院の創始者楡基一郎から院長職を継いだ婿の徹吉。関東大震災も、火災による病院の消失も、後から思えばまだ立ち直ることのできる出来事でした。やがて日本は戦争に突入します。

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2014/09/14

引き続き2部。登場人物たちがいきいきと大変魅力的。できの悪い息子たちですら、現代の日本にいればそれなりに秀才だろうに。当時、上の学校に行くのはほんとうの秀才ばかりだったろうから。

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2013/03/03

戦争に進んでいく不穏な空気と楡家の崩壊(?)が絶妙にシンクロしている。 史実を背景に物語を語りたい(語りたがる)作家は是非見習ってほしい。 最後の第三部、期待しとります。

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2011/11/26

第2部は楡家の二代めに当たる人々やその子供たちが主役です。 初代の楡基一郎が強烈なキャラクターを発揮していたことからその後に続く人たちはどんな人でも苦労する宿命を負います。 それぞれが持って生まれたその気質のまんま、第二次世界大戦開始までの不穏な時代に沿うように、みんな穏やかざる...

第2部は楡家の二代めに当たる人々やその子供たちが主役です。 初代の楡基一郎が強烈なキャラクターを発揮していたことからその後に続く人たちはどんな人でも苦労する宿命を負います。 それぞれが持って生まれたその気質のまんま、第二次世界大戦開始までの不穏な時代に沿うように、みんな穏やかざる人生を歩む様子が書かれています。 叙情的な部分とユーモラスな部分が織り交ざった、ドクトルマンボウと純文学を書き分けた北さんならではの小説です。

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