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週末 の商品レビュー

3.6

16件のお客様レビュー

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2024/01/06

 20年前に逮捕された赤軍テロリストが恩赦を得て出所する。その姉が彼を出迎え、かつての友人たちを集め山荘で週末を過ごすことを計画した。  読み始めたころ、登場人物と略歴が憶えきれず一覧表にしようかなと思ったくらいだが、中盤あたりから各々のキャラクターが立ち、僕の脳内で行方不明に...

 20年前に逮捕された赤軍テロリストが恩赦を得て出所する。その姉が彼を出迎え、かつての友人たちを集め山荘で週末を過ごすことを計画した。  読み始めたころ、登場人物と略歴が憶えきれず一覧表にしようかなと思ったくらいだが、中盤あたりから各々のキャラクターが立ち、僕の脳内で行方不明になる者もおらず、すっかりおなじみのメンバーになっていた。  閉鎖された空間で次々に思うことを口にしていく、まるで演劇の舞台を見ているようだ。皆のセリフも舞台のセリフのようで、文学の深みに欠けるように感じる。  静かな展開で、ところどころに穏やかな起伏がありテーマも文学的ではあるけれど物足りない印象だった。

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2019/01/04

うーん、わからない。 収監されたドイツ赤軍派の活動家が20数年ぶりに釈放れ、初めての週末を旧友とすごすという筋にまずひっかかる。 志をいまだ捨てない革命家と、かつての同志といえども、すでに一般人となった者たちが再会を果たすなんてありうるのだろうか? そしてその場で革命における正...

うーん、わからない。 収監されたドイツ赤軍派の活動家が20数年ぶりに釈放れ、初めての週末を旧友とすごすという筋にまずひっかかる。 志をいまだ捨てない革命家と、かつての同志といえども、すでに一般人となった者たちが再会を果たすなんてありうるのだろうか? そしてその場で革命における正義について議論されたりするのだが、革命家がまるで時代遅れの意識を引きずった道化みたいに描かれているのも違和感がある。 赤軍世代にうまれながらも、傍観者として時代を過ごした作者の革命に対する距離感に由来するものだろうか? 桐野夏生さんの「夜の谷を行く」がよほどリアルだった。

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2018/12/26

いろいろ考えさせられるし箴言が多い。朗読者もそうだけど,賢い人なんだろうなと思う。 登場人物が多いから名前が頭に入らなくて,何度も読み返す羽目になった。登場人物一覧をつけた方がよいのではと思う。原作にはついてないんだろうけど,名前に馴染みがあって頭に入りやすい原著を読める人とは違...

いろいろ考えさせられるし箴言が多い。朗読者もそうだけど,賢い人なんだろうなと思う。 登場人物が多いから名前が頭に入らなくて,何度も読み返す羽目になった。登場人物一覧をつけた方がよいのではと思う。原作にはついてないんだろうけど,名前に馴染みがあって頭に入りやすい原著を読める人とは違う訳だし。

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2017/03/13

国家権力による暴力で虐げられる人々。暴力には暴力で抗おうとするテロリズム。大いなる目的のためには、命を犠牲することはやむを得ないという考えは正しいのか。縛られた体制を変えようとしても、言葉では何も変わらないという事を見せつけられた人間は、国や世界に絶望し狂気へと一歩を踏み出す。罪...

国家権力による暴力で虐げられる人々。暴力には暴力で抗おうとするテロリズム。大いなる目的のためには、命を犠牲することはやむを得ないという考えは正しいのか。縛られた体制を変えようとしても、言葉では何も変わらないという事を見せつけられた人間は、国や世界に絶望し狂気へと一歩を踏み出す。罪を犯し、恩赦により、壊そうとした社会に戻ってきた一人のテロリスト。彼が成そうとしたものは何なのか。何かが変わったのか。長い時間、隔絶されていた人々との関わりで、彼が見出したものは、本当に彼が望んでいたものだったのだろうか。

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2015/11/20

151110読了。 シュリンク作品の中では驚くほど穏やかで、緩やかな、最後まで幼少期の回想立ったんじゃないかっていうくらいの、静かな週末の話。 けれども主人公は20年間服役してまさに出所したところのテロリストで、好奇な目で見る友人やその家族、今の職をいかして弁護してくれるもの、当...

151110読了。 シュリンク作品の中では驚くほど穏やかで、緩やかな、最後まで幼少期の回想立ったんじゃないかっていうくらいの、静かな週末の話。 けれども主人公は20年間服役してまさに出所したところのテロリストで、好奇な目で見る友人やその家族、今の職をいかして弁護してくれるもの、当時は知らずとも遠くから案ずるもの、いろいろな人々が、主人公とその姉によって集められて週末を過ごす。 なんでもない恋の再燃や、新しい恋の芽生えや、思想の乖離、また畏怖を唱えるこどもの世代まで、緩やかな曲線のなかで少しずつ疣が飛び出るように話は連なっていく。 最後の主人公の告白は、ちょっと衝撃的で、でもその展開に安心したりもする。 他のシュリンク作品に比べたら物足りないかもしれない。でも腹八分目が、かえって心地よい。

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2013/07/17

劇がみているかのような物語だった。舞台は田舎の古い屋敷。恩赦を受けた元テロリストが招かれて、週末をすごす。集まったのはテロリストの姉、友人、弁護士、息子・・・。それぞれの立場と思いの違いが描きだされて切ない。過去にはもどれない。過ちを過ちと認めることの厳しさ、償いとは可能なことな...

劇がみているかのような物語だった。舞台は田舎の古い屋敷。恩赦を受けた元テロリストが招かれて、週末をすごす。集まったのはテロリストの姉、友人、弁護士、息子・・・。それぞれの立場と思いの違いが描きだされて切ない。過去にはもどれない。過ちを過ちと認めることの厳しさ、償いとは可能なことなのか、赦すとはどういうことなのか、そんなことを思った。思いの数だけ正義がある。週末を終えそれぞれの日常へ帰っていくところで物語が終わるのだが、柔らかな光が射しているように感じられた。

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2012/04/29

ベンハルト・シュリンクの「朗読者」を読んで涙したので、今回はテロリストの話かと思って手に取ってみましたが、ちょっと設定的に無理な感じがあって、私の中ではいまいちでした。

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2012/03/04

ベルンハルトシュリンク「週末」読んだ。http://t.co/hgeAx837 うーん深い。元テロリストは刑務所を出た後どう生きるのか。社会は全然許していない。友人間にも理解者は少ない。そもそも彼は転向も反省もしていない。なぜ恩赦は許可されたのか(つづく イェルクを心から受け入...

ベルンハルトシュリンク「週末」読んだ。http://t.co/hgeAx837 うーん深い。元テロリストは刑務所を出た後どう生きるのか。社会は全然許していない。友人間にも理解者は少ない。そもそも彼は転向も反省もしていない。なぜ恩赦は許可されたのか(つづく イェルクを心から受け入れられない友人たちの戸惑いや関係の衝突が、天気の変化とリンクしてる。夏の空気、不穏な風、暗く重い雨、鳥の声が告げるやがての青空。そして不協和音は解決するけど音型は開いたままで不安定だ。地下室の場面は唯一少しだけコミカルで、登場人物それぞれの本質も垣間見える。 作中作の911を連想させる話は苦しい。友人たちが、イェルクの過去を責めたり取り成したりする中でそれぞれの来し方と行く末を見つめて、自分の人生はどういうものかを思う場面がとてもいい。誰の人生も、その終わりに振り返った時に幸せだったなあと感じられるものであって欲しいわあ。。(おわり

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2011/12/21

ドイツ赤軍派のテロリストだった男が、23年の服役の後、恩赦で釈放される。主人公は彼の社会復帰を望み、かつての友人や弁護士を招き、片田舎の屋敷でささやかなハウスパーティーを催す。しかし、おだやかな会合を望む彼女の意に反して、あからさまに殺人の感想を求める旧友、彼を英雄に祭りあげたい...

ドイツ赤軍派のテロリストだった男が、23年の服役の後、恩赦で釈放される。主人公は彼の社会復帰を望み、かつての友人や弁護士を招き、片田舎の屋敷でささやかなハウスパーティーを催す。しかし、おだやかな会合を望む彼女の意に反して、あからさまに殺人の感想を求める旧友、彼を英雄に祭りあげたい若い活動家などの存在により、事態は紛糾し、そして後半予期せぬ来訪者が……。ところどころで読者を驚かせる仕掛けがあって、退屈せずに読める。

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2011/11/17

赤軍派のメンバーが23年服役した後,大統領の恩赦で出所する という我が国では考えられない設定が面白い.最後の方で,大統領が恩赦についてのラジオ放送をする場面がある.「ドイツのテロリズムや,テロによってもたらされた緊張や社会の分裂は終息したということ示したかった」と恩赦の理由を述べ...

赤軍派のメンバーが23年服役した後,大統領の恩赦で出所する という我が国では考えられない設定が面白い.最後の方で,大統領が恩赦についてのラジオ放送をする場面がある.「ドイツのテロリズムや,テロによってもたらされた緊張や社会の分裂は終息したということ示したかった」と恩赦の理由を述べている.さらに「平和と和解をもたらす方向で対処したい」とも言っている.このあたりのドイツ人の感覚は理解出来ない部分があるが,実際にドイツでは恩赦が行われた由.和解なのか.... 登場人物が多いので,別紙に書きだして参照しながら読んだ.

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