ひゃくはち の商品レビュー
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○メンバー入りしたことを父に電話で伝えるところ。 ×結末。なぜ主人公が退部するのかがよく分からない。監督があっさりそれを許すのも納得感が薄い。
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甲子園を目指す高校球児たちを主役とした青春小説。設定だけを見れば過去に何千回と擦られたものだが、この小説が変わっているのは主人公がほとんど試合に出ないこと。作中で公式戦の打席に立つ場面すら数回で、それも全く活躍することはない。 そうした珍しい描写だからか、小説自体も主観とメタの二重構造になっている。つまり、主人公たちは全国屈指の強豪校で野球をする「野球エリート」でありながら、タバコを吸い、酒を呷り、合コンをしまくるという裏の顔を持つ。ここには彼らの「高校球児である前に高校生」という哲学が介在している。 これがメタ的で高校球児をアイドルのように消費する世間へのアンチテーゼになっていると感じた。 しかし終盤で起こる事件を前にして彼らの哲学は崩れ、「結局、自分たちは一介の高校生ではいられなくて、野球の上になにもあってはいけなかった」という心境に主人公を追い込むことになる。この喪失感のある描写も面白かった。 惹きつけられる文体と、やけにリアリティのある部活描写が魅力的。特に、「大きな目標を共有することでチームメイトとの絆は深まるが、部活を引退して共有目標がなくなった途端に疎遠になる」という描写が生々しい。 それでも無意味というわけではなくて、あの時にあのメンバーで過ごした濃密な時間が今の自分を形成している、と個人的体験から思う。閉ざされたコミュニティにおいて幼い価値観を擦り合わせた経験は貴重だったのだと。 一風変わった視点から、部活の懐かしさと良さを思い出させられた。
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部活に明け暮れた高校時代、部活の仲間との時間、恋人、親、青春がぎゅっとつまった小説でした。 高校球児に子供がいる。世間一般はこれに対して違和感を感じるが、何も悪いことではないよな〜。 仲間をとるか甲子園をとるかで葛藤する高校球児達、甲子園は僕にはわからないくらい壮大で、毎日そ...
部活に明け暮れた高校時代、部活の仲間との時間、恋人、親、青春がぎゅっとつまった小説でした。 高校球児に子供がいる。世間一般はこれに対して違和感を感じるが、何も悪いことではないよな〜。 仲間をとるか甲子園をとるかで葛藤する高校球児達、甲子園は僕にはわからないくらい壮大で、毎日それに向かって練習してきた高校球児達にとっては何にも変えることのできない場所なんだなと。そんで主人公の父親ちちおやすぎた。 事件のあった、何年後かにみんなでまた集まって当時と同じようにそれぞれが話していた。 一緒に甲子園を目指し、学生時代に苦楽を共にした仲間たちの友情の深さ、絆の素晴らしさ感じました。 今振り返ると思うけどやっぱ高校生は子供ですね、けどまっすぐ
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30数年前に甲子園を目指して、野球漬けの日々を送っていた頃を思い出しました。気がついたら、その頃に部員全員が監督に毎日提出していた野球日誌を探し出して読み返していました。3年間だけなのに家族以上に長い時間を共に過ごした球友たちとは30年以上経った今でも一生の仲間です。 野球漬けの...
30数年前に甲子園を目指して、野球漬けの日々を送っていた頃を思い出しました。気がついたら、その頃に部員全員が監督に毎日提出していた野球日誌を探し出して読み返していました。3年間だけなのに家族以上に長い時間を共に過ごした球友たちとは30年以上経った今でも一生の仲間です。 野球漬けの練習風景やミーティング、部員同志のからかう姿など、本当に私が過ごした時と同じようで思わず筆者の経歴を調べたらやはり高校球児!!!しかも時代は違えど対戦したことがある高校!!!びっくりです。物語としては男くさい面が強いですが私としては同感です。昔を思い出させてくれた、懐かしい余韻を感じさせてくれた作品でした。
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おもしろかったあ。 店長より全然。 読みやすさが物語に入り込みやすさに繋がっとる気がする。映画もみたいなあ。 飲酒、喫煙、高校生なんてそんなもん。わかりやすく青春どうこうよりこっちの方が好きやしリアル。
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自分自身も強豪野球の控え部員であったため、感情移入がとてもしやすかった。 わかりやすいストーリーに、感動する部分をとてもあって読みやすかった。
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著者のデビュー作。荒削りではあるし、喫煙、飲酒など設定に、、、なところもあるが、面白く読み終えられた。
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甲子園を目指す名門高校、控え選手を描いた傑作。筆者のデビューだが完成度高し。 「あの夏の正解」が素晴らしかったので筆者のデビュー作も読んでみました。 筆者はあの桐蔭学園出身、あの高橋由伸の2年後輩という本物の高校球児上がり。その経験が本作のリアリティに大きく貢献。そして一般受...
甲子園を目指す名門高校、控え選手を描いた傑作。筆者のデビューだが完成度高し。 「あの夏の正解」が素晴らしかったので筆者のデビュー作も読んでみました。 筆者はあの桐蔭学園出身、あの高橋由伸の2年後輩という本物の高校球児上がり。その経験が本作のリアリティに大きく貢献。そして一般受験の控え選手という主人公のキャラ設定の素晴らしさ。 野球部に限らずきっと誰もが持つ若かりし頃の過ちと恥じらい。誰より心を許したであろう友達との再会もためらわれる。そんな甘酢っばい思い出に対し直面せざるを得なくなる主人公。構成が感動をうまく引き出してくれる。 映画化もされた作品。元高校球児でなくとも過去の甘酸っぱい思い出に浸ることのできる良作でした。
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爽やかな青春小説ではなく、 青臭い青春小説だった。 高校野球のイメージは どうしてもテレビの中のものになってるので これがリアルなの?という印象もありつつ 試合のシーンは楽しく読めた。 最後の展開を予想できてしまったのは 読んでて少し残念だった。 人間臭いが故に 映像映え...
爽やかな青春小説ではなく、 青臭い青春小説だった。 高校野球のイメージは どうしてもテレビの中のものになってるので これがリアルなの?という印象もありつつ 試合のシーンは楽しく読めた。 最後の展開を予想できてしまったのは 読んでて少し残念だった。 人間臭いが故に 映像映えしそうだと思うので映画も気になる。
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「野球がうまくない子の気持ちを考えてあげましたか。試合に出れないこの側に立ってあげられましたか。今、君は人間として大きく成長させてもらえる環境にいることを絶対に忘れないでください」 新聞記事か何かで読んだ「高校時代は野球を3年間続けました。ポジションはベンチです。と胸を張って言...
「野球がうまくない子の気持ちを考えてあげましたか。試合に出れないこの側に立ってあげられましたか。今、君は人間として大きく成長させてもらえる環境にいることを絶対に忘れないでください」 新聞記事か何かで読んだ「高校時代は野球を3年間続けました。ポジションはベンチです。と胸を張って言える子は強い」という記事が思い出される。
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