こころと脳の対話 の商品レビュー
臨床心理学の大家と脳科学者の対話。 箱庭療法という手法がある、というのがまず新鮮な驚き。 茂木さんが実際に河合さんの前で箱庭をやっている場面は興味がわく。 また、脳科学の研究が進む=心のことがわかる、ではない、と河合さんが強調しているところ、そのほうが自然に感じる。 うつ病等を脳...
臨床心理学の大家と脳科学者の対話。 箱庭療法という手法がある、というのがまず新鮮な驚き。 茂木さんが実際に河合さんの前で箱庭をやっている場面は興味がわく。 また、脳科学の研究が進む=心のことがわかる、ではない、と河合さんが強調しているところ、そのほうが自然に感じる。 うつ病等を脳科学で治せると、以前とある人から聞いたことがあるが、その時は説明できない違和感を感じたので、そのへんをもう少し詳しく知りたい。 河合さんが亡くなってしまったので、実現しなかった茂木さんの継続的な箱庭つくり、また、箱庭を見たり、クライアントの話を聞いているときの河合さんの脳の動きを観察する、等々、面白そうな話が実現できなかったことが残念だ、という河合さんの御子息の解説に大いに同感。
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個はそもそも関係性である。 関係性ありきというのが日本的。 曖昧と確実が同時に存在するというのが印象に残った。
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とにかくお二人の楽しそうな様子が、書面からも伝わってきて、すぐに引き込まれました。 「話を聞くだけで疲れる人」のシーンは、茂木さんが物凄く同意、感心してたのと同じくらい、納得させられました。 他にも、心理学という個人に深く関係する学問・フィールドに於いても、全てスタンダード化して...
とにかくお二人の楽しそうな様子が、書面からも伝わってきて、すぐに引き込まれました。 「話を聞くだけで疲れる人」のシーンは、茂木さんが物凄く同意、感心してたのと同じくらい、納得させられました。 他にも、心理学という個人に深く関係する学問・フィールドに於いても、全てスタンダード化してしまおうとする、昨今の傾向に河合さんが語っているシーンも、凄く納得させられますね。 これだけ多くの著名人・知識人を引きつけた河合先生の魅力が、よく分かる一冊です!
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以前、会議の議論がかみあっていないのを感じた瞬間の感覚が、ルネサンスものを歌っていて縦がずれたことに気づいたときの感覚と似ている! と思ったのだけど、この本を読んで、脳科学的に正しい認識のような気がしてきた。 聞き役に回ることが多い私としては、単に聞くだけでも話す人に力を与え得...
以前、会議の議論がかみあっていないのを感じた瞬間の感覚が、ルネサンスものを歌っていて縦がずれたことに気づいたときの感覚と似ている! と思ったのだけど、この本を読んで、脳科学的に正しい認識のような気がしてきた。 聞き役に回ることが多い私としては、単に聞くだけでも話す人に力を与え得るということも面白かった。まっすぐ聞くこと、魂を聞くこと。できるかな。 因果関係ばかりを追っていたら大切な物を見落としてしまうというのも、よくわかる。無意識、関係性、それ以外にも人間が認識できていないもの、言語化・数値化できていないものはたくさんあるはず。 河合隼雄さん。一度直接お話を聞いてみたかったなぁ。
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とても面白かったです。エビデンスだけがすべてではない、分野は違えど臨床に携わる人間にとってこんなに勇気づけられる言葉はない。
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心理学者と脳科学者の対話。最終的に話におちがなく進んでいくのだが、そのやり取りが面白い。 人間の心の動きって面白いということを手を変え品を変えいろんな形で言っているのだが その中に色々な面白い言葉がちりばめられている。
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文章を読んでるのに『この人に話を聞いてもらいたい!』と思ってしまうこの気持ちはなんだろう? 行間からにじみ出る河合隼雄先生の雰囲気がたまらなくいい。 しかしその親しみやすさに安心感を抱き、あまりの底しれなさに恐怖を感じる。 河合隼雄先生はまさに心そのものの存在になれる人。...
文章を読んでるのに『この人に話を聞いてもらいたい!』と思ってしまうこの気持ちはなんだろう? 行間からにじみ出る河合隼雄先生の雰囲気がたまらなくいい。 しかしその親しみやすさに安心感を抱き、あまりの底しれなさに恐怖を感じる。 河合隼雄先生はまさに心そのものの存在になれる人。 『中心をはずさずにそこにいる』ことも心そのものとなることなのかな? 心とは、面白く恐ろしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
しばらく前に読んだんですが、再読しました。河合隼雄先生が持ち出すエピソードは、結構同じものが多いんですが、相手によってその後の展開が変わるのが面白いところです。 僕は茂木健一郎さんが「科学者」を名乗っているのが今ひとつぴんと来なかったのですが、この本を読んで、自分の違和感の大本が理解できました。茂木さんは通常の意味での科学者じゃないんです。河合先生と約束されたという脳の研究だけはしてほしいところですが、どうなったんでしょうね。 いずれにせよ、今が難しい時代なんだということは、わかっている人には何十年も前からわかってたんだということがよくわかりました。
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河合隼雄の柔らかい人柄と茂木健一郎のリベラルな性格がにじみ出た対話。最も興味深かったのは次の2点。 ①シンクロニシティ シンクロニシティとはユングが提唱した概念で「共時性」と訳される。自分の無意識と外界がシンクロすること。 今の時代、知らず知らずのうちに、自然科学的な因果則でも...
河合隼雄の柔らかい人柄と茂木健一郎のリベラルな性格がにじみ出た対話。最も興味深かったのは次の2点。 ①シンクロニシティ シンクロニシティとはユングが提唱した概念で「共時性」と訳される。自分の無意識と外界がシンクロすること。 今の時代、知らず知らずのうちに、自然科学的な因果則でものを見ていることが多い。しかし、人との出会い、本との出会いなどは、この因果則では説明しきれないことが多い。これを説明するのがシンクロニシティだ。 ②中心をはずさない 河合隼雄がカウンセリングのとき心がけているのは、「中心をはずさない」こと。言い換えれば、「魂をはずさない」ということ。相手の言動ではなく、魂の叫びにじっと耳を傾けるということ。
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最初のほう、やっぱ頭の良い人たちの会話はわからんわ…と思ったけど、第三章でかわった!すごくわかりやすい。脳科学と、心理学、密接なようでいてやはり、おおもとの心構えが違う。だけど切り離せない… あとは第二章に出てくるシンクロニシティの話が面白かった。 この手の勉強を始めたばかりの人...
最初のほう、やっぱ頭の良い人たちの会話はわからんわ…と思ったけど、第三章でかわった!すごくわかりやすい。脳科学と、心理学、密接なようでいてやはり、おおもとの心構えが違う。だけど切り離せない… あとは第二章に出てくるシンクロニシティの話が面白かった。 この手の勉強を始めたばかりの人は、一度読んでみるとおもしろいかも。 河合隼雄さんって、オモロイおっちゃんだったんだね~。
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