奪われた古代の宝をめぐる争い の商品レビュー
古代から受け継がれてきた宝は誰のものなのか?出土国と博物館・美術館、どちらが正当か?と問われても簡単には決着しないだろう。 出土国の歴史を知るためには重要、しかし発掘・保存してきた博物館・美術館の存在意義も重要。本書はまずそれぞれの宝の歴史を掘り下げていく。エジプトの宝がすべて戻...
古代から受け継がれてきた宝は誰のものなのか?出土国と博物館・美術館、どちらが正当か?と問われても簡単には決着しないだろう。 出土国の歴史を知るためには重要、しかし発掘・保存してきた博物館・美術館の存在意義も重要。本書はまずそれぞれの宝の歴史を掘り下げていく。エジプトの宝がすべて戻る日は来るのか?考えるきっかけにして欲しい。
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大英博物館にあるロゼッタストーン、ミイラや数々の古代美術。パリのコンコルド広場にあるオベリスク。ローマのナボーナ広場にあるオベリスク。旅行者としてこうしたエジプトの古代美術品をあまり疑いも無く見ていたが、自分がエジプト人だったらという視点で見直してみたらどうなるのだろう。かつて...
大英博物館にあるロゼッタストーン、ミイラや数々の古代美術。パリのコンコルド広場にあるオベリスク。ローマのナボーナ広場にあるオベリスク。旅行者としてこうしたエジプトの古代美術品をあまり疑いも無く見ていたが、自分がエジプト人だったらという視点で見直してみたらどうなるのだろう。かつて、植民地として支配されていた時代に盗掘され、略奪された国の美術品が世界中にばらまかれているという現実。最初に、この論争の中心人物としてカイロ美術館のザヒ・ハウス博士の活動が紹介されている。 ルーブル美術館、メトロポリタン美術館、大英博物館等、世界の美術館で繰り広げられる出土国と美術館との訴訟。盗掘とそれにまつわるお金と様々な人間模様。来歴が不明な古代美術品。ゲッティ美術館のコレクションにまつわる様々な訴訟。 膨大な量の事実と経緯を詳細に記している。古代遺跡と美術館の間にある、脈々と流れる、あまりにも人間的な金と欲の物語。著者の粘り強い調査に感服。
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