フィンランドで見つけた「学びのデザイン」 の商品レビュー
厳しい自然環境で漆黒の冬が長くつづく小さな国だからこそ、豊かな人生とそのための「学び」に強いこだわりがあるのだろう。学校に留まらずさまざまな公共機関が「学び」に取り組み、多彩な実践を通して実績を出し、諸国に対して独特の存在感を示している。 ともすると”こんなに進んだ北欧生活”と...
厳しい自然環境で漆黒の冬が長くつづく小さな国だからこそ、豊かな人生とそのための「学び」に強いこだわりがあるのだろう。学校に留まらずさまざまな公共機関が「学び」に取り組み、多彩な実践を通して実績を出し、諸国に対して独特の存在感を示している。 ともすると”こんなに進んだ北欧生活”というだけの本になりがちであるが、データや負の側面も含めてレポートされているので興味深い。写真と印刷がよい。 [more]国立現代美術館キアズマ=chiasm(交差点。特に視神経の交わる場所を意味する) メディア教育の目的 基礎教育 ・包括的に責任を持って自分自身を表現するとともに、他者のコミュニケーションを解釈する ・メディアが伝える情報を批判的に見つめ、内容に関する倫理的/美的価値についてしっかりと考える フィンランドでは誰でも自由に教科書を発行できる。 エネルギー消費量は先進諸国の中でも群を抜いており、一人あたりのエネルギー消費量で日本と比較すると75%も多い 各国と比較すると若者の自殺率が高い 基礎教育8年生、9年生を対象にした調査結果によると、各学年13%の子供が鬱に悩んでいる パーソナルアシスタント:重度の障碍を持つ人が、日々の活動に必要な解除を得るために人を雇い、その費用を自治体が負担するという制度 障碍者=雇用者 ”過度に守られ管理されて生活していたら、身体は生きていても心が生きているとはいえません。” 障碍者が自分の人生に対する決定権を持ち、自立して生活するために必要な助けだけを得られるのが特徴。 「雇用者」となる障害者への教育の必要性=心構えや責任、スキルを学ぶ場としてassistentti.infoという専用サイトを作っている。
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「学び」は学校に限らず、色々な形で出来るという事例が見られて、わくわくした。 三歳児が美術館を案内したり、若者が仕事を考える機会を動物園で作ったりと、ひと・公共施設・コミュニティの繋がりが素敵。
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とても興味深い内容だった。教育にとくに関心があるわけではなかったけれども、印象にのこるレポート(?)だった。 こんな環境が日本にもあったらなー。とくに図書館の環境はうらやましいかぎり...。
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学ぶことの重要性について改めて考えさせられた。 学ぶにはいろんな方法がある。だけど、1人で学ぶことは難しい。学ぶということは、自学自習で自分を高めるということよりも、知識や経験を通じてコミュニティや社会に関わっていくことなのかもしれない。 最近流行の町おこしスタイルのアートイベ...
学ぶことの重要性について改めて考えさせられた。 学ぶにはいろんな方法がある。だけど、1人で学ぶことは難しい。学ぶということは、自学自習で自分を高めるということよりも、知識や経験を通じてコミュニティや社会に関わっていくことなのかもしれない。 最近流行の町おこしスタイルのアートイベントも、ただ観光客や外の人を呼んで消費する/させるものではなく、長い目で見て学ぶということを中心に捉えたような活動になっていけば面白いかも、と思った。
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「学校のためにではなく人生のために」という言葉が、私の心に響きました。学びは学校だけで終わるものではない。一生続いていくもの。言葉にすれば当たり前のことかもしれないですが、現在の日本の教育はそのための実践が本当に為されているのか。社会の中における教育について、深く考えさせられる一...
「学校のためにではなく人生のために」という言葉が、私の心に響きました。学びは学校だけで終わるものではない。一生続いていくもの。言葉にすれば当たり前のことかもしれないですが、現在の日本の教育はそのための実践が本当に為されているのか。社会の中における教育について、深く考えさせられる一冊です。
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教育先進国、フィンランド。 そこでは、地域にも学びの場が多く見られる。 きちんとデザインされている。 ミュージアムと学び 図書館と学び メディアと学び 自然と学び 人生と学び という5つの観点から19の実践が紹介されています。 写真も豊富で、フィンランドの様子、デザイン性がよ...
教育先進国、フィンランド。 そこでは、地域にも学びの場が多く見られる。 きちんとデザインされている。 ミュージアムと学び 図書館と学び メディアと学び 自然と学び 人生と学び という5つの観点から19の実践が紹介されています。 写真も豊富で、フィンランドの様子、デザイン性がよく伝わってきます。 五感に無理ないデザインで、 学ばなければならないというものではなく、心から学びたいと思えるもの、楽しんでいたら学んでいたというようなものに満ちています。 ミュージアムで行われるワークショップも、 図書館の設計も、 動物園などでの自然学校も。 心地良さそう。楽しそう。 ゆるやかでナチュラルな実践とデザインの数々、 日本の堅苦しい学びの環境を考え直す視点を与えてくれるのではないでしょうか。 “フィンランドがさらに興味深いのは、雇用創出には直接結びつかないであろう趣味や教養を目的としたLiberal Adult Educationにも力を入れている点です。「Liberal Adult Educationの講座の多様さは、世界でもトップクラスだと自負しています。人は、仕事や経済成長のためだけに学ぶのではありません。学ぶ動機や喜びは多種多様です。多方面からの入口を用意する必要があります」とヨルマさんはその理由を説明します。”
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成人教育の進んだフィンランド。日本じゃまだコンセプト的にも一般的じゃないけれど、日本にも広がればいいのにな。 『学校のためではなく人生のために学ぶ』by オッリペカヘイノネン 元教育大臣
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もっとたくさんの事例を知りたい,という点で★3つ。 取材の観点が単調な気がするというか,もう少し多面的な取材ができるのではないかと,少しもったいない気がした。
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この本のタイトルは『フィンランドで見つけた「学びのデザイン」』。だけれども、本来は『フィンランドで見つけた「学びのデザイナー」たち』なのではないか・・・と思った。それほどに、学びのデザインを行おうとする一人一人の真剣なまなざしに、それによって生み出される出来事や物語に焦点が当てら...
この本のタイトルは『フィンランドで見つけた「学びのデザイン」』。だけれども、本来は『フィンランドで見つけた「学びのデザイナー」たち』なのではないか・・・と思った。それほどに、学びのデザインを行おうとする一人一人の真剣なまなざしに、それによって生み出される出来事や物語に焦点が当てられた本だった。 著者のその関心は、「はじめに」の以下の文に明確に示されているように思う。 「一人一人にユニークな物語がありました。『学び』の場を提供することに対しての情熱、苦労、迷い、達成感。話を聞いてみて分かったことは、豊かな「学び」を生み出すのに『黄金の法則・理論』などないということでした。現場に立つ人は、まるでお客さんの体に合わせて服を作る仕立て屋のように、集まる人々のことを慮り、対話を繰り返しながら、『学び』の空間や仕掛けを作り出していました。その仕事は『デザイン』と言い換えられるように思います。」 この本のアプローチが、昨今の「フィンランドばやり」の中で唯一しっくりくるようなものだけに、かえって、この本のタイトルが「フィンランドばやり」の大きなウェーブの中に誤解をもって受け止められてしまうのではないかということを危惧してしまう。
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《学びを生み出すのに、黄金の法則なんてない。仕立て屋のように、集まる人のことを慮り、対話を繰り返しながら作り出すーその仕事は「デザイン」…》 この言葉にまず、ハッとさせられた。写真も多くて、読んでるだけでワクワク。
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