山頭火(1) の商品レビュー
分け入っても分け入っても青い山 まっすぐな道でさみしい すすきのひかりさへぎるものなし うしろすがたのしぐれてゆくか 冬雨の石階のぼるサンタマリア ゆふ空から柚子の一つをもらふ ひつそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり ながい毛がしらが あざみあざやかなあさのあめあ...
分け入っても分け入っても青い山 まっすぐな道でさみしい すすきのひかりさへぎるものなし うしろすがたのしぐれてゆくか 冬雨の石階のぼるサンタマリア ゆふ空から柚子の一つをもらふ ひつそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり ながい毛がしらが あざみあざやかなあさのあめあがり 雲がいそいでよい月にする はれたりふつたり青田になつた 酔へなくなつたみじめさはこほろぎがなく やつと郵便が来てそれから熟柿の落ちるだけ 月がうらへまはれば藪かげ ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない 誰も来てくれない蕗の佃煮を煮る 山から山がのぞいて梅雨晴れ 食べる物あつて酔ふものあつて雑草の雨 ここにわたしがつくつくぼうしがいちにち 月も水底に旅空がある 季語があるのかどうか分からない句もあるが、貧しくて孤独な自分と自然を愛とユーモアのある視点で切り取っている。自由闊達で、侘び寂びを地でいっているような俳人。どの句も素晴らしい
Posted by
【内容】 短文の美、もののあはれ。 ぽつんとした切なさ、寂しさがぎっしりと詰まっています。 情趣を重んじる、悠然とした人にお薦めします。 【類別】 俳句集。 特に自由律。有季定型、新傾向も一部。 【表現】 初期のものはやや読み難いです。
Posted by
自由主義をうたう、いかなる思想家よりも 山頭火は、はるかに信用できる というのも かれが、自由であるということにまつわる あらゆる無惨、あらゆる孤独を その一身にひきうけているからである
Posted by
いかなる理由をもってしても肯定ならざる生き様だが・・・・ 世間のしがらみを断ち乞食に行しても、己というものに勝てない。残ったのは「アルコール中毒」 「咳がやまない背中をたたく手がない」 「濁れる水の流れつつ澄む」 「柱いつぽんをのぼりつくだりつ蟻のまいにち」 なにげにしみじとし...
いかなる理由をもってしても肯定ならざる生き様だが・・・・ 世間のしがらみを断ち乞食に行しても、己というものに勝てない。残ったのは「アルコール中毒」 「咳がやまない背中をたたく手がない」 「濁れる水の流れつつ澄む」 「柱いつぽんをのぼりつくだりつ蟻のまいにち」 なにげにしみじとした句がある
Posted by
- 1