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山頭火(1) の商品レビュー

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2022/08/06

分け入っても分け入っても青い山 まっすぐな道でさみしい すすきのひかりさへぎるものなし うしろすがたのしぐれてゆくか 冬雨の石階のぼるサンタマリア ゆふ空から柚子の一つをもらふ ひつそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり ながい毛がしらが あざみあざやかなあさのあめあ...

分け入っても分け入っても青い山 まっすぐな道でさみしい すすきのひかりさへぎるものなし うしろすがたのしぐれてゆくか 冬雨の石階のぼるサンタマリア ゆふ空から柚子の一つをもらふ ひつそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり ながい毛がしらが あざみあざやかなあさのあめあがり 雲がいそいでよい月にする はれたりふつたり青田になつた 酔へなくなつたみじめさはこほろぎがなく やつと郵便が来てそれから熟柿の落ちるだけ 月がうらへまはれば藪かげ ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない 誰も来てくれない蕗の佃煮を煮る 山から山がのぞいて梅雨晴れ 食べる物あつて酔ふものあつて雑草の雨 ここにわたしがつくつくぼうしがいちにち 月も水底に旅空がある  季語があるのかどうか分からない句もあるが、貧しくて孤独な自分と自然を愛とユーモアのある視点で切り取っている。自由闊達で、侘び寂びを地でいっているような俳人。どの句も素晴らしい

Posted byブクログ

2014/07/12

【内容】 短文の美、もののあはれ。 ぽつんとした切なさ、寂しさがぎっしりと詰まっています。 情趣を重んじる、悠然とした人にお薦めします。 【類別】 俳句集。 特に自由律。有季定型、新傾向も一部。 【表現】 初期のものはやや読み難いです。

Posted byブクログ

2013/12/18

自由主義をうたう、いかなる思想家よりも 山頭火は、はるかに信用できる というのも かれが、自由であるということにまつわる あらゆる無惨、あらゆる孤独を その一身にひきうけているからである

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2013/11/14

いかなる理由をもってしても肯定ならざる生き様だが・・・・ 世間のしがらみを断ち乞食に行しても、己というものに勝てない。残ったのは「アルコール中毒」 「咳がやまない背中をたたく手がない」 「濁れる水の流れつつ澄む」 「柱いつぽんをのぼりつくだりつ蟻のまいにち」 なにげにしみじとし...

いかなる理由をもってしても肯定ならざる生き様だが・・・・ 世間のしがらみを断ち乞食に行しても、己というものに勝てない。残ったのは「アルコール中毒」 「咳がやまない背中をたたく手がない」 「濁れる水の流れつつ澄む」 「柱いつぽんをのぼりつくだりつ蟻のまいにち」 なにげにしみじとした句がある

Posted byブクログ