無花果の森 の商品レビュー
逃げた先で出合った2人、静かに発展していく関係。いつ見つかってしまうのか!?と思いながら読んでたけど、いい意味で期待裏切ってもらった。舞台が身近な岐阜大垣だったので、情景も浮かんで楽しめた。
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湿度の高いDV話だったらどうしようと思ったが 裏切ってくれてよかった 死んだまま生きるだけの人生に 突如、生きる希望が生まれることはある そのことが文字となって目に飛び込んできたとき 自分だけではないのだと思ってしまった その生きる希望に満ちた時間が いつまで続くのかを考えは...
湿度の高いDV話だったらどうしようと思ったが 裏切ってくれてよかった 死んだまま生きるだけの人生に 突如、生きる希望が生まれることはある そのことが文字となって目に飛び込んできたとき 自分だけではないのだと思ってしまった その生きる希望に満ちた時間が いつまで続くのかを考えはじめてしまったら 途端に希望は絶望にかわってしまう いつもとなりに絶望がある 息をひそめて でも絶望のままではなかった 読み進めるうち 「あぁ、そうなるのかな」と想像しながらも ラストに安堵した自分がいた ただ ふたりがそれぞれ自分を偽って 生きるために用意された部屋がどちらも すえた臭いが漂っていて読んでてつらかった そこだけは・・・その部屋ではわたしは無理だな・・・
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一気に読める展開、躍動感がすごい! 約500ページある長編だが、2~3日で読み終えた。 登場人物はクセのあるひとたちだけれど、シンプルで分かりやすい。 終盤に差し掛かるまでの心理描写と風景描写が緻密だったことに比べ、最終章をさらっと進めたところが、明るい未来を予想させる終わり方に...
一気に読める展開、躍動感がすごい! 約500ページある長編だが、2~3日で読み終えた。 登場人物はクセのあるひとたちだけれど、シンプルで分かりやすい。 終盤に差し掛かるまでの心理描写と風景描写が緻密だったことに比べ、最終章をさらっと進めたところが、明るい未来を予想させる終わり方になり良かったと思う。 名わき役の画家・八重子の人生がどんなだったかも気になるところ。 主人公の泉は、映画監督の妻だが、DVを受けていた。それを知ったライターの塚本は、泉に取材を試みるが、断られる。 泉はDVから逃れるべく、夫から逃亡。辿りついた岐阜大崖で、偽名を使い、偏屈な女画家・八重子の元で住み込み家政婦をしながらひっそりと暮らし始める。 八重子の友人でオカマのサクラとの出会い、そこで働くアルバイトとの出会い、誰にも知られず潜伏生活を送るはずだった泉の生活は、濡れ衣を着せられた指名手配犯と出会うことから変わり始める。
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小池真理子さんの小説を久しぶりに読みました。2011年発表で、今年の6月に映画化された作品でタイトルは『無花果の森』。事情があり偽名で地方都市に逃げ込んだ二人は、実は過去につながりがあり、奇跡的な偶然でもって二人はまた会ってしまう。一人はDVからの逃避、一人は濡れ衣を着せられた犯...
小池真理子さんの小説を久しぶりに読みました。2011年発表で、今年の6月に映画化された作品でタイトルは『無花果の森』。事情があり偽名で地方都市に逃げ込んだ二人は、実は過去につながりがあり、奇跡的な偶然でもって二人はまた会ってしまう。一人はDVからの逃避、一人は濡れ衣を着せられた犯罪からの逃避。あり得ない話を見事に読ませきる手腕はさすが小池真理子さんです。一読の価値ありです。
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やっぱり小池真理子さんの本は読みやすい。 ちょっと暗い雰囲気と八重子さんのキャラが好き。 ただちょっと、終盤はいまいちかな。
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久しぶりの恋愛もの...といっても、爽やかじゃないけど。くらーい恋愛ものでした。けど、なかなか良かったですよ。
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2013.11.7読了。図書館。初めて著者の作品を読んで、なかなか良いと感じる。人間模様が素敵です(^O^)/
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内容(「BOOK」データベースより) 夫の暴力から逃れ、失踪。過去を捨て、未来を見失い、世間に怯える絶望の暗い谷底にかすかに射した一条の光―孤絶にあえぐ現代人の心の闇に迫る傑作長編。 →夫の暴力から逃げた妻、泉。 逃げてきた街で、偏屈な画家の老人に雇われる。 同じく何かから逃げ...
内容(「BOOK」データベースより) 夫の暴力から逃れ、失踪。過去を捨て、未来を見失い、世間に怯える絶望の暗い谷底にかすかに射した一条の光―孤絶にあえぐ現代人の心の闇に迫る傑作長編。 →夫の暴力から逃げた妻、泉。 逃げてきた街で、偏屈な画家の老人に雇われる。 同じく何かから逃げてるように、隠れて暮らす記者と出会い・・ オカマのサクラや八重さんなど脇役がいい味だしてる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夫の暴力から逃れ、失踪した女――新谷 泉。 過去を捨て、未来を見失い、世間に怯える絶望の暗い谷底。そこにかすかに射した一条の光。 「生きることが全て」と、生そのものを全肯定する小池真理子の筆。いまを生きるすべての人への生の賛歌ともいえる作品です。 また、小池真理子がインタビュー(2011年6月8日 読売新聞)で語るように、2人の出色のキャラクターが素敵です。 「この人たちがいなかったら目新しい作品にならなかった」という2人の異色の人物、80歳を超える画家の天坊八重子と、ゲイのサクラだ。 ずけずけと物を言い、慰めや同情とはほど遠い人物だが、ゼロから新しい人生を生きようとする泉に、ぶっきらぼうながら惜しみない愛情を注ぐ。 「2人とも私の中に住んでいた“誰か”。『がんばろう』などの情緒的な言葉は、本当に絶望している人にとっては無意味だと思う。私だったら、八重子やサクラのような接し方をする人にひかれる」
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久し振りの小池作品。 読みながら、うまいなぁと。 ストーリーだけ追えば、有り得ない偶然も含め陳腐な恋愛物になるが、主人公の心の傷、数少ない周囲の個性的な人間との関わりがじっくりと描かれていて、読み応えがあった。 設定こそ特殊だが、奇をてらわずに大人の女性ならではの、作者の円熟味の...
久し振りの小池作品。 読みながら、うまいなぁと。 ストーリーだけ追えば、有り得ない偶然も含め陳腐な恋愛物になるが、主人公の心の傷、数少ない周囲の個性的な人間との関わりがじっくりと描かれていて、読み応えがあった。 設定こそ特殊だが、奇をてらわずに大人の女性ならではの、作者の円熟味の感じられる小説。
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