遊星ハグルマ装置 の商品レビュー
遊星歯車機構(ゆうせいはぐるまきこう、英: planetary gear mechanism)とは太陽歯車(英: sun gear)を中心として、複数の遊星歯車(英: planetary gear)が自転しつつ公転する構造を持った歯車機構である。「遊星」は、planet(惑星)の...
遊星歯車機構(ゆうせいはぐるまきこう、英: planetary gear mechanism)とは太陽歯車(英: sun gear)を中心として、複数の遊星歯車(英: planetary gear)が自転しつつ公転する構造を持った歯車機構である。「遊星」は、planet(惑星)の別の訳語で、その構造を惑星系に見立てたことに由来する―――Wikipediaより いやあ、満足、満足。 お腹いっぱいで、良いものを読んだ幸せの余韻に浸っております。 短歌×ショートショートのスペシャルコラボ。 堪能いたしました。 はじめに登場するのは歌人の笹公人さんの短歌5首。 次に続くのは小説家の朱川湊人さんのショートショート。 それが交互に続く。 朱川さんのショートショートと笹さんの短歌は、明らかに関係ありそうなものと、そうでもなさそうなものとある。 各自独立していながら、ふたりの作品は、絶妙な距離感をもって、関係してゆく。 装画の諸星大二郎さんのイラストが表すように、どこか懐かしく、SFちっくで、不思議な作品が多い。 笹さんの短歌はクスッと笑えるものから、怖いもの、切なくなるものまで、多様。 リア・ディゾン、アンドレ・ザ・ジャイアントなど、今では誰でも知ってるか微妙な人物名を短歌に取り入れるという、力業を多用する。 笹さんとは四歳違いなので、彼の作品に出るサブカルチャー類は、ほぼほぼ懐かしく、記憶の底からほこりをかぶった姿で出てきたものを、綺麗に拭いてくれた気分。ピカピカ。 朱川さんは『花まんま』を、遠い昔に読んだっきりだが、醸し出すイメージが変わらない作品ばかりなので安心しつつ、驚いた。確固とした世界観をお持ちなのですね。 また第二弾を作ってほしいレベルで気に入りました。 他の歌人、他の小説家でシリーズ化するのもいいな。
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笹公人さん(歌人)と朱川さんの共著。 笹さん→朱川さんと繰り返される構成。 笹さんは歌、朱川さんはショートショート。 歌と言っても、50代の僕が教科書でよく目にしたようなものでなく、 「窓辺にて消された夢の数々をマーライオンはきらきら吐けり」 みたいな現代風刺や捻った作品が多かった。 朱川さんの32作の中では、 ⑨暗号あそび 文節の頭の文字を繋げて単語を作る遊びを保育園児たちに教える話(ホラー系)と、⑪⑯㉗のラビラビというウサギに似たスポンジのぬいぐるみが意思を持ち話したりする一連の話がほっこりしたかな。 ショートショートは星新一さん以来でしたが、全体的に満足できました。
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短編集。 たまに、シリーズもの?か同登場人物たちのお話もあり。 例えば子供に(でも小学生高学年は読み聞かせしないか、 学校で先生が一話ずつ紹介とか??) 寝る前に1話ずつ読んであげたら、余計寝られなくなるだろうか。。 後ろにセットである短歌?がまた独特なので。 この単語の後にこの単語??!と本当予想外の言葉並び。 お話を読んで、短歌を読んだら 布団の中でグルグルしてしまいそう。
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★2015年6月3日読了「遊星ハグルマ装置」朱川湊人/笹公人著 評価B+ 朱川の短編を32、その間に見開きページに笹氏の短歌を挟み構成されている。昭和の色濃くちょっとふしぎな短編が並ぶ。ちょうど昔大ブレイクしていたSF短編作家の星新一氏の作品をレトロにして、サイエンス味を抜いて、三丁目の夕日風と申し上げれば、作風はご理解いただけるでしょうか? 朱川の作品は数多く読んできているので、その流れをくんでいる短編であることは、作者の名前が無くても分かるくらい明らかなものばかり。 ただ、笹さんという短歌の歌人の作品は、今回初めてで、その変わった作風も興味深かったです。 一番気に入ったのは、 「走りきて不幸の手紙をだす少女 赤いポストに呑み込まれたり」 「四回転ジャンプに挑む信成の額に浮かぶ織田家の家紋」「マスターの心の奥に揺れている浅間山荘の錆びた鉄球」 変わった短歌ですよね。 短編で気に入ったのは、「あなたの古い友だち」お父さんが幼い頃に大好きで見ていた恐竜図鑑にあるブロントサウルスが語り手となり、久しぶりに図鑑を開いてくれたお父さんに感激するのですが、そこのその息子が現れて、その後の研究でブロントザウルスは間違いでいなかったんだよ!と否定してかかるのです。しかし、お父さんは頑として譲りません。だって、お父さんの思い出にはちゃんと当時のブロントザウルスがいるのですから! というあらすじ。 このような幼き頃、若き頃の思い出を大切にする、想い起す物語が数多く収められていました。何か懐かしい気分になるんです。
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蚊帳の外…わかる気がする。イヤなことは知りたくない。 ラブラビ…こんなヤツがいたらいいな。自分のヌイグルミにも! 魔術師団の天国…じいちゃん、イキだね。 僕らの移動教室…ぎゃあぁ 朱川さんの短編はそれぞれ味があってよかったけど長編がすきかな。 笹さんの短歌は飛ばし読みしました
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人間にはわかんねぇだろうが、俺たちヌイグルミには、あげる愛情はあっても、もらう愛情はないんだよ。どうしてって聞かれても、それは俺にもわからない。とにかくヌイグルミってのは、そういうもんなんだよ。俺たちを可愛がることで、誰かの寂しさを埋めることができるんなら、それでいいんだ。 (...
人間にはわかんねぇだろうが、俺たちヌイグルミには、あげる愛情はあっても、もらう愛情はないんだよ。どうしてって聞かれても、それは俺にもわからない。とにかくヌイグルミってのは、そういうもんなんだよ。俺たちを可愛がることで、誰かの寂しさを埋めることができるんなら、それでいいんだ。 (P.272)
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朱川湊人さんのショートストーリーと笹公人さんの短歌のコラボ。 短歌はちょっとよくわからないのが多かったけど、朱川さんのショートストーリーはさすが、面白かったです。ぞわっとくるものやSFチックなもの、笑えるものから幻想的なものまで多種多様、どの話も共通してノスタルジックな雰囲気が漂...
朱川湊人さんのショートストーリーと笹公人さんの短歌のコラボ。 短歌はちょっとよくわからないのが多かったけど、朱川さんのショートストーリーはさすが、面白かったです。ぞわっとくるものやSFチックなもの、笑えるものから幻想的なものまで多種多様、どの話も共通してノスタルジックな雰囲気が漂っているのがまたいい。 保育園児たちが恐ろしい「暗号あそび」幻想的な雰囲気が素敵な「赤い月」じんわり泣けるいい話「あなたの、古い友達」がお気に入りです。あとしゃべるうさぎのぬいぐるみのラビラビシリーズも面白かった。 色んなタイプのお話が詰まっていて、なんだか駄菓子屋で安いお菓子をいっぱい買ってきてぎゅっと詰め込んだような楽しさがあった。 分厚いわりには軽い(重量的な意味で)のも読んでて手が疲れないので嬉しかった。
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短編集はどれも佳作だが昔懐かしい童話を読んでいるような感覚で、楽しい。 短歌は独特過ぎて意味不明。
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「だいたいな、俺たちヌイグルミには、あげる愛情はあっても、もらう愛情はねぇんだよ。大事にされるのは嬉しいが、だからって押入れの中に押し込められちゃ、死んだも同じだからな」(「ラビラビ、宇宙へ」より) 朱川さんの短編が32編。 笹さんの短歌が150編超。 なんとも贅沢な作りだった...
「だいたいな、俺たちヌイグルミには、あげる愛情はあっても、もらう愛情はねぇんだよ。大事にされるのは嬉しいが、だからって押入れの中に押し込められちゃ、死んだも同じだからな」(「ラビラビ、宇宙へ」より) 朱川さんの短編が32編。 笹さんの短歌が150編超。 なんとも贅沢な作りだった。 お互いがお互いにインスピレーションを感じたかのような、本当に独特な世界。 不思議な世界なのだけれど、何時の間にかその世界に順応してしまっているのだ。 なんで?とか、どうして?とか、思わない。 そういう世界だと素直に受け入れさせる力を持っている物語&短歌たちだった。 特に好きなのは、ラビラビシリーズ。 彼にはまた会いたくなってしまう、愛すべきキャラクターだ。 どれも読み応えがあってとても良かった。 【読了•初読•市立図書館】
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大当たり本でした!! 短編とは知らず、読み始めました。笹さんの短歌がいい味をまた引き出してくださって、朱川さんの短編にニヤッとさせられたりゾッとさせられたり。全編、声に出して読んでみたい、誰かに読ませたい!聞かせたい!っていう衝動に駆られます。
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