本格ミステリ・ベスト10(2006) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
例年年末に刊行される本格ミステリ限定のベスト10ムック。 昨年の物と比べてどうかと問われれば、さして変化もなく、可もなく不可もなくといったところ。前年のムックを見比べてみたところ、ほとんど構成・内容に変化がないのが驚いた。新企画の1つや2つあってもいいと思うのだが、徹頭徹尾同じ構成を貫くこの姿勢は実はこの数年のデータの蓄積(ミステリサイトやコミケ、ミステリゲームに関する)を目指しているのかもしれない。 本格ミステリに絞り込んでいるゆえに、座談会の内容の充実さは『このミス』よりも高いと思う。全くおふざけがないのも生真面目すぎる感じがする。 そしてやっぱり今回も海外ミステリに関しては以前よりもページを割いているものの、まだ蚊帳の外だという感が否めない。 論創社という海外古典ミステリを続々と刊行する出版社が登場し、その充実振りは目を見張るものがあるというのに、まだまだ扱いは少なすぎる。昨年は海外ミステリが売れないと云われたというのに、こういうミステリムックで盛り上げていくべきだと思う。 毎年のミステリシーンを把握するのにはこういうムックは貴重だし、今後も買い続けるのは間違いない。 そこに付加価値を求めるか否か、それは私個人の問題かな。
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