世界を知る101冊 の商品レビュー
タイトルから想像したのは,古今東西の科学の名著の紹介を集めた本.実際は,毎日新聞の月一回の書評をまとめたもの.面白そうなところだけ拾い読みした.取り上げられている本だけでもかなりの読書量だが,文章の背後にはたくさんの読著の蓄積がみえる.読みたい本も何冊か見つかった.(「日本人の誇...
タイトルから想像したのは,古今東西の科学の名著の紹介を集めた本.実際は,毎日新聞の月一回の書評をまとめたもの.面白そうなところだけ拾い読みした.取り上げられている本だけでもかなりの読書量だが,文章の背後にはたくさんの読著の蓄積がみえる.読みたい本も何冊か見つかった.(「日本人の誇り」なんて本を読んでる場合じゃないのだ). 時間があるときにまたこの本をぱらぱらまくってみたい.
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※このレビューにはネタバレを含みます
ブックガイドは数あれど、無難というか紋切り型の書をすすめてくる上から目線のものに比べて、本書は筆者が楽しんで読んで推薦しているのが伝わってきて、購読意欲を非常にそそられる。 ただし、最新科学は生ものなので、ふと見直してみると古めの本が多いので実際に読むかというと躊躇する。
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著者はかつて国立天文台に勤めていた天文学者。毎日新聞の「今週の本棚」で1997年から紹介してきた150冊の中から101冊を掲載。科学全般、人間、生物、科学者、科学論のほか、文系の世界や歴史と文化、未来の分野の本も取り上げているところがユニーク。新聞に掲載されたものが基になっている...
著者はかつて国立天文台に勤めていた天文学者。毎日新聞の「今週の本棚」で1997年から紹介してきた150冊の中から101冊を掲載。科学全般、人間、生物、科学者、科学論のほか、文系の世界や歴史と文化、未来の分野の本も取り上げているところがユニーク。新聞に掲載されたものが基になっているためか、多くが一般向けの本になっている。 あとがきでは、日本の中央官庁のトップクラスが圧倒的に文系出身者で、科学の専門知識が政策で活かされていないことを嘆いている。欧米だけでなく中国や韓国でも官僚や政治家の半数は理系出身者であるという。ひとつひとつの書評でも、科学的姿勢の重要性や疑似科学に対する批判的態度など、科学に対する著者の強い気持ちが伝わってくる。 惜しむらくは、15年分の書評がやっと1冊のブックガイドとして出版されるという状況。科学の分野の進歩は速いから、長くても10年くらいでまとめて欲しいと願う。それだけに、需要=日本人の科学に対する関心度が低いことが残念だ。 書評の中から関心を引いた記述: ・家畜では、脳が野生種に比べ20〜30%も小さい。行動面では警戒心を失い、社会的行動の退化にもつながっている(現代ホモ・サピエンスの変貌) ・日本の原子力関係の予算は、世界各国の研究開発費合計の7割を占めている。科学研究費全体ではODA諸国中最悪(市民の科学をめざして) ・企業的大規模農法は化学肥料への依存を深めるが、化学肥料の製造には石油の30%が費やされている(土の文明史) <読んだ本> 生物多様性とは何か(井田 徹治) 古代文明と気候大変動(ブライアン・フェイガン) いじわるな遺伝子(テリー バーナム、ジェイ フェラン) <関心をもった本> 話を聞かない男、地図が読めない女(アラン ピーズ、バーバラ ピーズ) ジャガイモのきた道(山本 紀夫) 進化論という考えかた(佐倉 統) 植物のたどってきた道(西田 治文) イワシと気候変動(川崎 健) 土の文明史(デイビッド・モントゴメリー)
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