幕末維新史の定説を斬る の商品レビュー
坂本龍馬関係を読みたくて手に取った本。 坂本龍馬「暗殺」は、実行犯・京都見廻組、薩摩藩(西郷隆盛)黒幕説を採っておられます。 読みながら「なるほど」と思うところもあるのですが、どうにも西郷さんの性格について「ブレ」が見られるなあ、と。 個人的には、西郷さんは基本的に冷徹なところ...
坂本龍馬関係を読みたくて手に取った本。 坂本龍馬「暗殺」は、実行犯・京都見廻組、薩摩藩(西郷隆盛)黒幕説を採っておられます。 読みながら「なるほど」と思うところもあるのですが、どうにも西郷さんの性格について「ブレ」が見られるなあ、と。 個人的には、西郷さんは基本的に冷徹なところもあるひとだと思っているので、大義のためなら切り捨てることもあったと思います(糾合所屯集隊を顧みなかった、など)。そんなひとが、坂本龍馬「暗殺」に関わらせてしまった今井を助けようとする(しかも自分が「暗殺」を命令したわけでもない)ところに矛盾を感じてしまいます。 なぜ今井を助けようとしたか、は考えなければいけない部分だとは思いますが、糾合所屯集隊の件で「非情さ」を強調しているにもかかわらず、今井だけは助けようとするその「差」に違和感を感じてしまいました。 なお、坂本龍馬亡き後、東京に出てきた未亡人のお龍に、西郷さんは「いずれ東京に戻って来たらまたお世話するから」と手持ちの20円を渡しています。坂本龍馬を「切り捨て」たのであれば、お龍のことも無視できたはずですし、口先だけだったとしても「お世話する」とは言わなかったのではないか、と。 「孝明天皇」の死に関しての論拠は理路整然として「なるほど」と思わせるだけに、どうして坂本龍馬「暗殺」の件はこうもブレるのか。 筆者がこの本の中で「結論ありきで話を進めるとおかしくなる」と自ら仰っておられることが、坂本龍馬「暗殺」の件で表れているような気もします。 厳しい感想になりましたが、勉強になりました。
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龍馬暗殺の黒幕推理、松平容保が京都守護職を引き受けた事情、そして孝明天皇の死亡について。特に孝明天皇の疱瘡死亡説と毒殺を含む暗殺説の検証が緻密。
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龍馬暗殺、容保の京都守護職指名の理由、孝明天皇の毒殺説の検証の三本立て。 読み応えはあるかもしれないが、 内容的にはそんなに真新しい感じではなかった。
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中村彰彦。 真面目な人なんだ。 こんな説もある、こんな資料もあるということを、律義に書いている。自分のための資料ノートではないのか。 こういう散文も売るのか。 きっちりフィクションを書いてくれるほうが嬉しい。
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