黒い団欒 の商品レビュー

平金魚【著】

2011/05/26

「幽」怪談文学賞短編賞受賞作。シュールで気持ち悪い連作短編集。
最初の「不幸大王がやってくる」は、かなり奇妙な雰囲気と恐怖を感じさせてくれるのだけど。いったい何がどうなっているのかが分からず、とっても気持ち悪い印象。それが他人目線で描かれた箇所を次から次へと読み進むうち、それぞれのピースがぱしぱしとはまってきて。ああ、そういうストーリーだったのかあ、と納得。
でも「すっきり感」はなし。誰かしらがどこかしら歪んでいて、全編に満ち溢れる狂気と恐怖。とにかくどよーんとして嫌な雰囲気が漂いっぱなしの一冊。ちなみにこれは、誉めてますよ～。