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地図から消えた島々 の商品レビュー

3.3

10件のお客様レビュー

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2020/03/28
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テーマは、かつて海図等に載っていたが、消された島々の話だが、本筋はむしろ、明治期において、アホウドリの採取、グアノの採掘のため、無人の島々を借地するため、日本国あるいは都道府県に対し、その島々を日本領にすべく、民間が働きかけをしていた。 これはある意味で太平洋の島々を領土化していたヨーロッパの国々への対抗措置でもあったのだが、今日の領土問題はなかなか簡単じゃないね。

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2020/01/03
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日本の南洋に浮かぶ島々についての本。 日本は島国であり、領土が明確に定まっているイメージがあるが、島という不確実な領土を持っていることを認識させられた。 本書を読んで感じたのが、歴史というマクロな視点での解釈が当時の人々の解釈と一致しないということである。 近代日本では島の発見・開拓による一攫千金というロマンと実利に突き動かされて人々が個々に競い合っていた。 それを後世から解釈すると日本の領土拡大の野心という、あたかも日本という国が意思を持っているように見えるものである。 人名が多く、引用も多いため、読みづらい文章ではあるが、歴史にミクロな視点を混ぜるという試みとしては良い本だと感じた。

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2018/11/17

かつて日本周辺に存在するといわれてきた多くの島々。 存在が確認された島もあるが、多くの島が地図から消えていく。 冒険、一攫千金を求めて行動する人々と国の動向、 そして時代の流れを交え、島々の消滅までを読み解く。 “疑存島”・・・海図には載っていても存在が確認されない島。 現在の北...

かつて日本周辺に存在するといわれてきた多くの島々。 存在が確認された島もあるが、多くの島が地図から消えていく。 冒険、一攫千金を求めて行動する人々と国の動向、 そして時代の流れを交え、島々の消滅までを読み解く。 “疑存島”・・・海図には載っていても存在が確認されない島。 現在の北太平洋の地図と比べると、19世紀後半の水路誌に載った 島々のなんと多いことでしょう。その多くが“疑存島”です。 経度測定の困難さからの誤認、雲等の誤解、そしてねつ造等、 理由は様々ですが、近年までも存在を信じられていた島もあります。 ロス・ジャルディン諸島のように昭和48年にやっと海図から 正式に消えるという事実も。 無人島の発見により得られた、アホウドリ・グアノ(鳥糞)・ リン鉱石等。これらを求めて一獲千金を狙う冒険商人たち・・・ 山師というか・・・彼らは、“疑存島”を捜しに海を渡ります。 それに伴う明治期からの政府の動向、そして歴史の推移。 やがて機器の発達等により、“疑存島”は消え、 多くの生物や鉱物が失われていく・・・まさに夢の跡。 なんといっても冒険商人たちの行動は、まさに小説よりも奇なり!

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2018/10/04
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ああ、地球上に未知の領域がなくなってるのだなあ。具阿野はもうかったのね。大東島がうふあがりというのがここでも出てくる。あの島がうふあがりなんだ。

Posted byブクログ

2013/11/09

著者のサイト:幻想諸島航海記 http://homepage3.nifty.com/boumurou/island/ うーむ、サイトの文章の方がくだけた調子で入りやすい。 読んでてミステリーのように、わくわくするのもそちらかなあ。 おそらくサイトは、その時点でわかっている事柄を...

著者のサイト:幻想諸島航海記 http://homepage3.nifty.com/boumurou/island/ うーむ、サイトの文章の方がくだけた調子で入りやすい。 読んでてミステリーのように、わくわくするのもそちらかなあ。 おそらくサイトは、その時点でわかっている事柄を載せて更新していく形なので、読者からすると、順を追って謎に迫っていく臨場感があるのかもしれない。 より詳しく知りたくなったら、こちらも読むとまた色んな事情が見えてくる、という感じだろうか。 知るほどわくわくとはいかないものですなー。

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2013/08/16

 かつて存在するとされていた中ノ島は実際には存在するはずがない深海上にあったなど、航海するうえであるかも知れない危険な島、暗礁などが地図に記載されていたとのこと。楽しい話です。 しかし、島がなかった為に命の危険が発生することは逆になかったのでしょうか。 南大東島、南鳥島、硫黄島な...

 かつて存在するとされていた中ノ島は実際には存在するはずがない深海上にあったなど、航海するうえであるかも知れない危険な島、暗礁などが地図に記載されていたとのこと。楽しい話です。 しかし、島がなかった為に命の危険が発生することは逆になかったのでしょうか。 南大東島、南鳥島、硫黄島などがどのように日本領に組み込まれていったのかその歴史を見るうちに、100年ほど前まではがアホウドリ、アシカ乱獲、そしてリン鉱などでの一獲千金を狙った山師たちの活躍だったというのが現実だったのですね。その時代に全く顧みられなかった尖閣列島、竹島などが国境紛争の原因になっているのも皮肉です。1907年に発見されたはずの幻の中ノ鳥島が、実は存在しなかったとして抹消されたというのも、ロマンがあった時代の残照のように思います。

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2012/06/12
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読み物としては悪くはない。 けれども、ここの島について詳細に書いている割りに地図がない(というより現在の地図にはないので仕方ないのかもしれないけれども)ので、イメージしにくい。 私が伊豆諸島~小笠原諸島~ハワイに至る地図を頭に入れていないのが悪いのかもしれないけれども、それが頭に入っていないと名前の羅列と消えた歴史の羅列の文章だけにしか読めない。

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2012/01/29

昔の誤認や嘘などからうまれた疑存島。近代まで領土問題などで残り続け、地図上から消えなかった島がこんなにあるとは知らなかった。

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2012/02/02

 マニアックで面白い。なんと,1970年代まで,ありもしない島がいろいろと北太平洋にあることになってたらしい。極めつけは中ノ鳥島で,日本が領有宣言までしたのに,なかった。  そんな幽霊みたいな島々がどうして出てきたのか,などを検証。ざっくり言うと,別の島が違う位置に記録されちゃっ...

 マニアックで面白い。なんと,1970年代まで,ありもしない島がいろいろと北太平洋にあることになってたらしい。極めつけは中ノ鳥島で,日本が領有宣言までしたのに,なかった。  そんな幽霊みたいな島々がどうして出てきたのか,などを検証。ざっくり言うと,別の島が違う位置に記録されちゃったことや,意図的にでっち上げられたかのどっちか。  大航海時代以来,海図が作られきたが,経度の測定には精巧な時計が必要。経度の正確な記録は長いこと難しかった。(緯度は星で簡単)  船が座礁とかするとえらいことなので,それを避けるために海図は作られた。だからあるかどうか確信がなくても,あるかもねということで一応載せておくというのは合理的。それが,領土獲得競争の始まる近代でも残っちゃったために,「一応あるよね」的幽霊島が乱立したというわけ。  アホウドリ(羽毛)とグアノ(リン肥料)という二大資源があったため,それが南洋の島を獲得する動機づけになった。ありもしない島がでっち上げられると,それを真に受けた山師が,「確認してきた」と偽って,先取権を主張。しっちゃかめっちゃかに。経度の測定ミスでは説明できない島々もそう考えれば納得だ。

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2011/10/13

いや、これは抜群に面白い。疑存島――すなわち、地図に記されながら実際には存在しなかった島々と、疑存島に魅せられた人々を主役とした一冊です。 誤解と勘違いと山っ気が生み出した幻の島々と、それらをめぐる探索行や駆け引きが読みどころ。幻の島をめぐっての開拓競争は実に興味をそそられます。...

いや、これは抜群に面白い。疑存島――すなわち、地図に記されながら実際には存在しなかった島々と、疑存島に魅せられた人々を主役とした一冊です。 誤解と勘違いと山っ気が生み出した幻の島々と、それらをめぐる探索行や駆け引きが読みどころ。幻の島をめぐっての開拓競争は実に興味をそそられます。 エピソード的な読みどころも多く、お薦め。個人的には実業家、玉置半右衛門による南大東島の話が印象深いです。全島が私有地、学校や鉄道の支配者も玉置。そして島内では「南大東島通用引換券」(通称「玉置紙幣」)が島民の逃亡を防ぐため発行されていたとのこと。どこのディストピアなのかと……

Posted byブクログ