GOSICKs(Ⅳ) の商品レビュー
ふたりの会話が微笑ましすぎる もうわたしを待つのは「神々の黄昏」下のみだけど あぁ、見たくないでも見たい 終わってしまうのが辛い いつまでもふたりの退屈しのぎという名の冒険たちを見ていたかった でも、物語は動きはじめて、もう止められない
Posted by
“「むっ?いったいなんのことだね、君?」 「こらっ。とぼけようったってそうはいきませんよ、ヴィクトリカ」 一弥は真面目な顔で言った。 姿勢よく、右、左、右、左......と、一人で行進するように規則正しく足を踏みだしながら、 「さっきの、セシル先生と寮母さんの噂話のことだよ。ブロ...
“「むっ?いったいなんのことだね、君?」 「こらっ。とぼけようったってそうはいきませんよ、ヴィクトリカ」 一弥は真面目な顔で言った。 姿勢よく、右、左、右、左......と、一人で行進するように規則正しく足を踏みだしながら、 「さっきの、セシル先生と寮母さんの噂話のことだよ。ブロワ警部の部下、イアンとエバンはどうして手をつないでるのかってお話。警部が事件を見事解決して、同時に部下の手と手がくっついた。......どう考えても、犯人は君だよ。間違いない」 「すかすか南瓜の、迷探偵」 ヴィクトリカが面倒くさそうに、短く返事をした。 とたんに一弥は悲しそうな表情になって、 「君、そんな呼び方、しないでくれたまえよ。だいいちぼくは南瓜じゃないし......」 「茄子のヘタ、トマトの葉っぱ、ほうれん草の芯、スイカの種」 「......さっきまで泣いてたくせに」 一弥はそう言いながら、空いているほうの手で、ヴィクトリカのぷくぷくのほっぺたを、つん、とつついた。” 嵐の前の静けさが漂っていてそれがちょっと怖い。 “ヴィクトリカは言葉を選ぶように、氷でできたような無表情をわずかに翳らせた。 「君、今日は一日、楽しみたまえ。みんなと一緒に広場を駆け回って......」 「ウン!」 「そうして、明日になったらだな、いや、今夜のうちに荷物をまとめて......。忘れずにサー・ブラッドリーの遺産であるペニー・ブラックを入れたまえ。そしてお祖母ちゃまの指示に従ってすみやかに学園を出て、村の駅から列車に乗り、従姉のフラニーと合流して......なるべく遠くに逃げるのだ」 「遠く?逃げる?なぁに、それ」 「あ、いや......。君は、帰省、するのだったな。大事な家族のもとに帰り、お祖母ちゃまのところで安全に過ごすといい」 「そうね。ヴィクトリカ、でもあなたは?冬季休暇って短いけど、どっか行くの?」 問いかえされて、ヴィクトリカの表情がかすかに曇った。しかし老女のようにしわがれた低い声には一切の動揺がなく、冷え切った声色で、 「いいや。わたしはずっとここにいるのだ。百年も前からい続けた亡霊のように」 「そ、そうなの?ま、いいや。じゃ、休暇が終わったらまた会おうね!グッバイ、ちっちゃな灰色狼ちゃん!」 「......うむ」 アブリルが手をばたばた振って、また地面を蹴って元気よく走り去っていった。 そのまましばし、ヴィクトリカは立ち尽くしていた。 やがて、ちいさな手を片方、ゆっくりと上げると、遠ざかっていくアブリルの後ろ姿に向かって、ぱた......ぱた......と、ちょっとだけ手を振ってみせた。友達にこっそり別れを告げるように。”
Posted by
GOSICK外伝連作集第四弾。 冬の聖マルグリット学園ではリヴィング・チェス大会が開かれ、生徒や教師たちが思い思いに仮装しています。 今回のお話はチェスがモチーフ。 これまで謎のままだった登場人物たちの秘密がいくつも明らかになります。 嵐の前の静けさ、という感じ。
Posted by
大きな争いが起こる前の最後の穏やかな時間。どこかほのぼのとした1日に起こった出来事。警部の髪型の秘密、部下が手を繋いでいる理由が明らかに。
Posted by
どんどん久城が恥ずかしげもなく会いたかったとかなんやら言っちゃいますな。 かわいいぞ久城。 冬のマルグリットもなかなかよい。
Posted by
クリスマス前日に開催されるリビングチェスの大会の中で、グレヴィールが代償を払って解決した事件など過去の出来事が語られながら物語は進んでいきます。このおかしなリズムで語られる生き生きとした登場人物の行動が楽しいです。特に寮母のゾフィさんとセシル先生の会話が一番好きです。ヴィクトリカ...
クリスマス前日に開催されるリビングチェスの大会の中で、グレヴィールが代償を払って解決した事件など過去の出来事が語られながら物語は進んでいきます。このおかしなリズムで語られる生き生きとした登場人物の行動が楽しいです。特に寮母のゾフィさんとセシル先生の会話が一番好きです。ヴィクトリカの世話をしていた女性がちゃんと彼女を人間として見ていたのも嬉しかったな。そして終盤に忍び寄る嵐の前兆が最終巻でどのような結末を迎えるか楽しみにしています。
Posted by
春夏秋冬の『冬』物語。 他の3作と同じように短編集で、今回の謎はおまけ程度のもの。 そのかわりに、主要な登場人物達の過去や感情の交わりが今までより深く書かれていたように感じました。 ヴィクトリカも今まで以上にデレてたし(笑) この先に嵐が待っているとわかっていても、辛い気持ちで...
春夏秋冬の『冬』物語。 他の3作と同じように短編集で、今回の謎はおまけ程度のもの。 そのかわりに、主要な登場人物達の過去や感情の交わりが今までより深く書かれていたように感じました。 ヴィクトリカも今まで以上にデレてたし(笑) この先に嵐が待っているとわかっていても、辛い気持ちで読み進むことがなかったのは、所々に希望と、誰かが誰かを想う心が散りばめられているからなんだろうなぁ。 GOSICKのキャラクターを知る上では欠かせない1冊です。
Posted by
最後の外伝…かな? 嵐が近づきつつある中最後の穏やかな一時… 次の巻で終わりなのでしょうか…?寂しいけどどんなラストになるのか楽しみです。
Posted by
これまで語られなかったグレヴィールの髪型にまつわる事件などが語られた。 今までになくヴィクトリカが表情豊かになっていてかわいい 古き者たちと新しき者たちの争いをチェスに例えているのは個人的に気に入った。
Posted by
Gosickの外伝シリーズ第4巻(冬編)、通算10巻目にあたります。内容は淡々としていますが、大きな嵐(第2次大戦)が近づきつつあり、いよいよ本編も大きく動き出しそうな気配を感じます。この巻は嵐の前の静けさの中で、ヴィクトリカやクレヴィール、アブリルなどのエピソードを描いたもので...
Gosickの外伝シリーズ第4巻(冬編)、通算10巻目にあたります。内容は淡々としていますが、大きな嵐(第2次大戦)が近づきつつあり、いよいよ本編も大きく動き出しそうな気配を感じます。この巻は嵐の前の静けさの中で、ヴィクトリカやクレヴィール、アブリルなどのエピソードを描いたものです。次巻、大いに期待ですね!
Posted by