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考えながら学ぼう 日本史へのいざない(2) の商品レビュー

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2012/01/05

以前紹介した『日本史へのいざない』の続編です。今回は元始から近現代の中から19のテーマ(プラス通史1)で日本史を語っています。さまざまな史料をもとに、普段意識することなかった視点から日本史をひもとていてくださいますので、大変いい刺激となりますし、読む者に生徒になった感覚をわかせて...

以前紹介した『日本史へのいざない』の続編です。今回は元始から近現代の中から19のテーマ(プラス通史1)で日本史を語っています。さまざまな史料をもとに、普段意識することなかった視点から日本史をひもとていてくださいますので、大変いい刺激となりますし、読む者に生徒になった感覚をわかせてくれます。 とくに今回面白かったのが菅原道真の遣唐使廃止に関わる話で、普通日本史教科書には「遣唐使は約20年に1回派遣された」と書いてありますので、794年の平安時代開始からもおおよそそのような間隔で派遣されていたと思いきや、実は廃止されるまで平安時代は2回しか派遣されていなかったこと、しかも894年に派遣するかどうかが取りざたされたとき、その前の派遣は約60年前だったとのことです。そしてこの894年の議論は中国からの要請で、もしこの要請がなかったら道真が建議するまでもなく自然に遣唐使は廃止されていたのでは、と著者は述べています。可能性の話としても興味が引かれます。 他にも成立過程に見る平仮名の“り”とカタカナの“リ”の違い、江戸時代の村方三役(名主、組頭、百姓代)の成立などは目からウロコが落ちました。とくに村方三役は、教科書にはセットで出ていますが百姓代が一般化したのは村方騒動が頻発した18世紀以降で、「つまり、村方三役をセットで覚えてしまうと、百姓代の成立自体が、長い江戸時代における村落の大きな変化を象徴している、という点を理解しにくくさせてしまう」とのことでした。 ただ、今回も参考文献の多くがやや古いものばかり(もちろんここ2,3年の本も参考にされていますが)でしたので、最新の研究成果をどこまで反映しているかは疑問が残りました。

Posted byブクログ