ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻 の商品レビュー
1920年代に書かれたユーモアミステリー古典小説の傑作選。「(美智子)皇后陛下もご愛蔵」でも有名。「ジーヴスもニ、三冊待機しています」とお誕生日での回答。こちらはおそらく、原書だと思われます。 内容は、優秀な執事が難題を解決するという鉄板プラットフォームの原型。とにかく、読後感は...
1920年代に書かれたユーモアミステリー古典小説の傑作選。「(美智子)皇后陛下もご愛蔵」でも有名。「ジーヴスもニ、三冊待機しています」とお誕生日での回答。こちらはおそらく、原書だと思われます。 内容は、優秀な執事が難題を解決するという鉄板プラットフォームの原型。とにかく、読後感は爽快で爽やか。なんたって頭を使わずに読めるお気軽小説。個人的には、もう少しひねりの効いた刺激が欲しい。
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やんごとなきお方の愛読書ということで恐れ多くも拝読。 事前知識が全くなかったので読み始めていつの時代の本かと思ったら、20世紀前半の小説ということで納得。 イメージにある古き良き英国の香りと申しましょうか、こういう人たちによってそのイメージが形成されたのかもなぁと思わされる次第。...
やんごとなきお方の愛読書ということで恐れ多くも拝読。 事前知識が全くなかったので読み始めていつの時代の本かと思ったら、20世紀前半の小説ということで納得。 イメージにある古き良き英国の香りと申しましょうか、こういう人たちによってそのイメージが形成されたのかもなぁと思わされる次第。 ゆったりとその空気感を楽しむ本かと思われ。
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「その本、人は死ぬのですか?」 なんの本だったか、人に勧められて私の訊いたことである。 「誰か殺されるのですか?」 大事なことではないか。 殺人があるのか、犯罪はあるのかというのは。 探偵がいるのかというのは。 あいにく「ない」とのことだった。 その人はゲラゲラ笑って全否定したの...
「その本、人は死ぬのですか?」 なんの本だったか、人に勧められて私の訊いたことである。 「誰か殺されるのですか?」 大事なことではないか。 殺人があるのか、犯罪はあるのかというのは。 探偵がいるのかというのは。 あいにく「ない」とのことだった。 その人はゲラゲラ笑って全否定したのだ。 「人は死なない。殺されない。だから探偵は出てこない」 ううむ、残念。 実はこれもである。 人は死なない。殺されない。よって探偵はいない。 しかしジーヴズがいる! 『ジーヴスが来て一週間もたたないうちに、僕は自分のことを自分で処理するのをやめてしまった。』(8頁) ジーヴスを雇う人は言う。 バーティ(バートラム・ウィルバーフォース)・ウースターその人である。 ロンドンのマンションすまいの彼は、貴族の家に生まれて、気のいい、ただし服の趣味の突飛な――派手なチェックのスーツや、紫色のシャツ、燦然と輝く藤色の靴下――ひとことで言えば、服の趣味のよくない青年である。 ジーヴズはその従僕だ。 「機略と手際」をモットーとし、紳士に仕える紳士として文句のつけようがない従僕である。 バーティのところにはしょっちゅう厄介ごとがくるのだが、なぜかうまく片が付く。 ジーヴズの手によって。 厄介ごとといっても殺人のようなものではなく、犯罪といえば泥棒くらいなものだ。 他にたとえば恋のキューピットだろうか。 たとえば、バーティの友人ビンゴは非常に惚れっぽい。 春になるごとに女性に恋をして結婚を考える。 それに協力させられるのがバーティだ。 バーティのお気に入りの服も――趣味の悪いあれやこれやも――うまく始末されていく。 ジーヴズは話題になったことがある。 そこでばーっと目に入るようになった。 探偵小説だとか、ジーヴズが執事であるとか、教養小説だとかいう印象、情報があるが、違う。 ジーヴズは従僕(valet)だ。 そしてこれはユーモア小説だ。 ゲラゲラ抱腹絶倒ではない、クスッと笑みがこぼれるようなシリーズである。 あるいはニヤリとするような。 人は殺人ではないものを読みたくなる時がある。 理屈っぽくないもの、陰惨ではないものを読みたくなる時がある。 そんな時に読むべきはジーヴズシリーズだ。 そして、問題になるのが読むべき順番である。 長編やら短編やらあるというではないか。 そして全集が――え、14巻もあるの?! そういう人に、私はこれをお薦めする。 短編集である。 ジーヴズの初仕事から載っていて、いわば、おさえるところはおさえた短編集である。 これで気に入ったら、シリーズの他作品に手を出せばいいのだ。 先の先を読む人ジーヴズである。 人はジーヴズになりたいのか、ジーヴズに仕えられたいのか。 あなたはどちらだろう?
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人に勧めてもらった。 玉野五十鈴の誉れにチンパシーを育まさせざるを得ない。 日常ミステリーをチーマにしてるので今までハード系のミステリーに親しんできた自分としては新たな分野となったが面白かった。 シーヴスとバーティの絡みが面白い。 バーティはシーヴスを使っていると思っているが...
人に勧めてもらった。 玉野五十鈴の誉れにチンパシーを育まさせざるを得ない。 日常ミステリーをチーマにしてるので今までハード系のミステリーに親しんできた自分としては新たな分野となったが面白かった。 シーヴスとバーティの絡みが面白い。 バーティはシーヴスを使っていると思っているが、実際のところはバーティはシーヴスの掌の上でおどらされているだけでバーティはどこか友達というかはGoogleとかに似ている感じ。 また、ビンゴはとても面白い方。突拍子のないだこと!!
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面白かった。タイトルからてっきりミステリだと思ってたら、ユーモア小説だった。 ピーター卿とバンターとか、黒後家蜘蛛の会のヘンリーみたいな、そんな話かと思いきや全然違った笑 「賢い従僕と間抜けな主人」型の物語ということで、パーティーのお間抜けぶりがあまりにも。でも、バカな子ほど可...
面白かった。タイトルからてっきりミステリだと思ってたら、ユーモア小説だった。 ピーター卿とバンターとか、黒後家蜘蛛の会のヘンリーみたいな、そんな話かと思いきや全然違った笑 「賢い従僕と間抜けな主人」型の物語ということで、パーティーのお間抜けぶりがあまりにも。でも、バカな子ほど可愛いというか、むしろもっとおバカなビンゴもいて、いやはやバンターも大変ね。というか、(コントロールしやすい)主人のことは気に入っているとしても、あれこれ手を回してくれるの、もはやお母さんね…。 この物語を当時皇后という立場の人が取っておいて、上皇后という立場になって読んでいるのかと思うと、なるほどというか、なんというか、こんなこと書いちゃあなんだけれども、なんとも言えないおかしみがある。 『バーティーくんの変心』みたいな、ジーヴズの立場からの作品をもっと読みたいな。面白かった。
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英国における主人と従僕の関係はその時代によっては厳格で絶対なるもの、ではあるが陰では知性ゼロ精神的には取るに足らないと言い放ち、主人であるウースターを思いのまま操るジーブス。何だか今一つのウースターの為に先手先手で動き窮地を逃れているようにみえるが結局のところジーブスが勝手いいよ...
英国における主人と従僕の関係はその時代によっては厳格で絶対なるもの、ではあるが陰では知性ゼロ精神的には取るに足らないと言い放ち、主人であるウースターを思いのまま操るジーブス。何だか今一つのウースターの為に先手先手で動き窮地を逃れているようにみえるが結局のところジーブスが勝手いいように采配。基本ファッションセンスで対立し、ウースターが折れる。 面白いのか?微妙である。
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なんか気晴らしになるような楽しい本ない!?って言われたらおすすめしたい。藤色靴下をめぐって冷戦状態でも、あっさり素直にジーヴスを褒めちゃうバーティと、なんだかんだ(扱いやすい)ご主人との暮らしを気に入ってるらしいジーヴスが面白い。バーティとビンゴってスポンジ・ボブみたいな挙動して...
なんか気晴らしになるような楽しい本ない!?って言われたらおすすめしたい。藤色靴下をめぐって冷戦状態でも、あっさり素直にジーヴスを褒めちゃうバーティと、なんだかんだ(扱いやすい)ご主人との暮らしを気に入ってるらしいジーヴスが面白い。バーティとビンゴってスポンジ・ボブみたいな挙動してそうだよね。
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絵にかいたようなボンボンな青年の所へ 優秀な執事が就職した。 もちこまれる『珍』なのか『迷』なのか かなり悩む事件の数々。 すべて終われば執事の言うことがもっともなのですが そこまで考えられるのがすごいな、と。 いや、そもそも青年の周囲には 何故これほどまでに凄い人物たちが…。...
絵にかいたようなボンボンな青年の所へ 優秀な執事が就職した。 もちこまれる『珍』なのか『迷』なのか かなり悩む事件の数々。 すべて終われば執事の言うことがもっともなのですが そこまで考えられるのがすごいな、と。 いや、そもそも青年の周囲には 何故これほどまでに凄い人物たちが…。 ついでに、青年はセンスを矯正されればいいかと。 実物を、ちょっと見てみたいです。
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20世紀初頭のイギリスで、金持ちで未婚の青年バーティーの悩みを解決する従僕のジーヴズのお話 美智子上皇后陛下が誕生日に公表した文書で「ジーヴスも2、3冊待機しています」と言及したことでも有名になった小説 100年前のストーリーにもかかわらず、現代作家でもよく見かけるフランク...
20世紀初頭のイギリスで、金持ちで未婚の青年バーティーの悩みを解決する従僕のジーヴズのお話 美智子上皇后陛下が誕生日に公表した文書で「ジーヴスも2、3冊待機しています」と言及したことでも有名になった小説 100年前のストーリーにもかかわらず、現代作家でもよく見かけるフランクで皮肉の効いた会話で語られるので読みやすい ただ、固有名詞や時代や地域特有の文化・風習に関しての知識がないため、すべてをちゃんと理解して読もうとすると時間がかかるかも 気はいいけど少しおつむのゆるいバーティー・ウースター 幼なじみで、惚れっぽくてバーティに輪をかけておつむの弱いビンゴ・リトル バーティーの伯母で、執拗に結婚させようとしてくるアガサ・グレッグソン 爵位を継ぐようなアッパークラスの人たちだけど、若者達はろくでなしばかりで、どの程度のリアリティと時代性を反映しているのかよくわからない そんな中、タイトルを冠するジーヴズの先見性や情報収集能力と謀略っぷりが際立つ 持ち込まれる厄介事は、恋人からの難題、親友ビンゴの恋の相談、アガサ叔母の持ち込む厄介な縁談等々 そんな問題に対してジーヴズはスマートに、そして自らの利になるように解決する もしかして、執事もの原点だったりするのか? バーティのフランクな語り口調は現代作家の小説にも共通するものがある あと、バーティの取り入れるトレンドファッションアイテムについてジーヴズが嫌悪の態度を序盤で示しつつ、解決した後の会話で「処分していい」「既に」というやり取りが面白い ってか、ジーヴズの解決方法は一応バーティの望む結果になっているけど もっとスマートな解決方法があったのでは?と思えるところもいくつか 真珠のアレに関しては、結局お金は取られてると思うんだけど、そこんとこはよいのですかね? まぁ、全体的に金銭的な面に関してはバーティが損してるのを許容しているエピソードの傾向があるかな さすがはアッパークラスですね
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上皇后美智子様もご愛蔵、で有名になった小説。 事件簿、というのでミステリ系かと思ったのですが、どちらかというとユーモア小説です。本当にイギリスのユーモア小説! という感じの、皮肉の効いた洒落た会話が特徴的。 内容紹介にあるように「どんな難題もそつなく解決」しているのかというと、...
上皇后美智子様もご愛蔵、で有名になった小説。 事件簿、というのでミステリ系かと思ったのですが、どちらかというとユーモア小説です。本当にイギリスのユーモア小説! という感じの、皮肉の効いた洒落た会話が特徴的。 内容紹介にあるように「どんな難題もそつなく解決」しているのかというと、割と大騒ぎになっている事件もあるので疑問ですが、まあコメディですし結局主人がいいならいいのかなと。 この主人も頭の方はいまいちですが結構いいやつで、嫌味なほど優秀でちょっと毒舌なジーヴズといいコンビ。面白かったです。
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