草祭 の商品レビュー
恒川光太郎連読み六冊目。そして、現時点での文庫化作品オーラス。かつ、恒川光太郎連読み、自分の中での一区切り。 「美しい山奥」美奥という町を舞台にした連作短編集。 表紙の装丁(読後に見返すと、また、グっとくる)が角川ホラー文庫とは随分違うと思っていたら、中身も。特に中高生が主人公の...
恒川光太郎連読み六冊目。そして、現時点での文庫化作品オーラス。かつ、恒川光太郎連読み、自分の中での一区切り。 「美しい山奥」美奥という町を舞台にした連作短編集。 表紙の装丁(読後に見返すと、また、グっとくる)が角川ホラー文庫とは随分違うと思っていたら、中身も。特に中高生が主人公の『けものはら』『屋根猩猩』『天化の宿』では、こんな書き方もするんだ…、と思わされた。 恒川光太郎初心者は、ココが入口っていうのもアリだと思える。逆にゾクっとする感じは控え目。 個人的好みは『朝の朧町』『屋根猩猩』(この二つの順は微妙)『くさのゆめがたり』『けものはら』『天化の宿』の順かな?! ただし、連作短編なので、順を追って読んでいただかないと……。
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けものはら / 初出 小説新潮 2007年6月号 屋根猩猩 / 初出 小説新潮 2007年9月号 くさのゆめがたり / 初出 小説新潮 2007年12月号 天化の宿 / 初出 小説新潮 2008年3月号 朝の朧町 / 初出 小説新潮 2008年6月号 解説 (吉野仁) 『草祭』...
けものはら / 初出 小説新潮 2007年6月号 屋根猩猩 / 初出 小説新潮 2007年9月号 くさのゆめがたり / 初出 小説新潮 2007年12月号 天化の宿 / 初出 小説新潮 2008年3月号 朝の朧町 / 初出 小説新潮 2008年6月号 解説 (吉野仁) 『草祭』2008.11 新潮社刊 文庫化 カバー装画 ウラモトユウコ カバー印刷 錦明印刷 デザイン 新潮社装幀室 印刷 大日本印刷 製本 憲専堂製本
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美奥 美しい山奥 大昔からある美しい場所であり、人知を超えた異界 ふとした瞬間に日常から異界へと迷い込んでしまう しかしそれは偶然ではなく必然 異界といっても実はそれは 登場人物自身の心の中のことを作者は表現していると思った 読後はそんなに悪くない
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もうちょっと深く、聞いた詳細に書いてくれたらなぁ。でもそしたら恩田陸になっちゃうか。 美奥という土地に惹かれた。恩田陸の常野物語に通じるような。
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美奥という土地の不思議な話。 短編ごとに語り手が違ったり、時間が違ったりするのが、余計に美奥という舞台を面白くさせている。 猩々という短編は、連作短編としてはもちろん、これだけでも十分に楽しめた。この世界、楽しそう。 即席の、被害者の会もオチとして上出来。笑ってしまった。
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【9月の恒川光太郎】◆『夜市』『雷の季節…』に続き恒川本3冊目(絵本除く)。前2冊とは読後感が少し変わり、ちょっとめんくらいました。ここで描かれているのは「対決」ではないのですね。異界に通ずる地「美奥」はただ在って。そこに在るか出るかは主人公の意志に委ねられている。清濁併せ持つ混...
【9月の恒川光太郎】◆『夜市』『雷の季節…』に続き恒川本3冊目(絵本除く)。前2冊とは読後感が少し変わり、ちょっとめんくらいました。ここで描かれているのは「対決」ではないのですね。異界に通ずる地「美奥」はただ在って。そこに在るか出るかは主人公の意志に委ねられている。清濁併せ持つ混沌の異世界。◆ドライな女子高生ものの「屋根猩猩」はいつになくコミカルな展開で面白かったです。◆5篇相互の関係も気になるので、早めに再読予定。【10月の恒川光太郎】は文庫化されたばかりの『竜が最後に帰る場所』を楽しみたいと思います♪【2013/09/30】
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この世と少しずれた先にある「美奥」という美しい町。その土地の因果に触れた者たちの送る5つの不思議な物語。美しい自然の気配と不安を煽る話運び、今回も恒川ワールド堪能しました。「けものはら」「屋根猩猩」は今どきの中高生が主人公なので少々軽めの言葉遣いがいつもの雰囲気と違って新鮮でした...
この世と少しずれた先にある「美奥」という美しい町。その土地の因果に触れた者たちの送る5つの不思議な物語。美しい自然の気配と不安を煽る話運び、今回も恒川ワールド堪能しました。「けものはら」「屋根猩猩」は今どきの中高生が主人公なので少々軽めの言葉遣いがいつもの雰囲気と違って新鮮でした。登場人物が少しリンクしていたり、昔・現代と時代も違ったりと『美奥』という土地の広がり奥行きも感じられました。
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恒川光太郎の綴る怪しく美しい不思議な異界の里「美奥(びおく)」にまつわる5話からなる短編集。各話の登場人物は美奥の地で何らかの形でリンクしており、それぞれの立場で不思議で恐ろしい体験をする。 心中、いじめ、殺人、不倫といった現代社会での生活に存在する苦難故の人の心の闇とその浄化を...
恒川光太郎の綴る怪しく美しい不思議な異界の里「美奥(びおく)」にまつわる5話からなる短編集。各話の登場人物は美奥の地で何らかの形でリンクしており、それぞれの立場で不思議で恐ろしい体験をする。 心中、いじめ、殺人、不倫といった現代社会での生活に存在する苦難故の人の心の闇とその浄化をテーマに優しい文体で語られる物語はホラーというより寓話やファンタジーといったジャンル。 初めて読んだ『夜市』からファンになり探した本書。何とも言えない世界観と文体に癒しを得た読後感は日常にぽっかり存在するであろう異界への憧れなのか。
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「美しい山奥」、美奥を舞台に紡がれる異界とこちらの世界の境界線上。あやしくて美しい話ばかり 個人的にその世界の原点の話が好きなので、『くさのゆめがたり』がお気に入りです 収録作品:『けものはら』『屋根猩猩』『くさのゆめがたり』『天化の宿』『朝の朧町』
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何が好きって、恒川さんの情景描写がほんとうに好きだ。おぞましいものだとか、おどろおどろしいものだとかをこれだけ描いているのに、嫌な印象は受けなくて、怖さの混じった美しさがゆらゆらしている感じ。相変わらずの、ヒトとヒトならざるものの狭間のような場所を舞台にした五つの短編。ユーモラ...
何が好きって、恒川さんの情景描写がほんとうに好きだ。おぞましいものだとか、おどろおどろしいものだとかをこれだけ描いているのに、嫌な印象は受けなくて、怖さの混じった美しさがゆらゆらしている感じ。相変わらずの、ヒトとヒトならざるものの狭間のような場所を舞台にした五つの短編。ユーモラスな感じの「屋根猩猩」が一番お気に入り。
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