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温故一九四二 の商品レビュー

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2012/03/05
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帯によると日本軍が飢えた中国人民300万人を救ったとあるが、救った話が中心ではない。 国民党の蒋介石がなぜ 河南の3000万人の飢えを(多分)知りながら放置したか。 アメリカ人ジャーナリストは蒋介石に直談判し、なぜそれが実効的な救済策にならなかったのか。 そしてなぜ日本軍は人民を救ったのか。 人の判断と実行というものは、その人たちの範囲にゆだねられる。 蒋介石は全中国を相手に思考していたし、ジャーナリストは米国に訴え、蒋介石に訴えた。 衣食足りて礼節を知るというが 食料がなくて、政府がないということの恐ろしさである。 飢えている人を救えるのは飢えていない人なのである。 スタインベックの怒りの葡萄を思わせるが、飢餓の窮乏状況はあんなもんじゃない。 歴史をしり、人間の真実を知るために読んで損のない本。 ストーリーテリングを楽しむのではなく考える材料を提供してくれる本だ。 併載の村のお頭も 村の秩序と時代時代でのお頭の役割と振る舞いが描かれていて、これも面白い、 今度映画化されるというが楽しみである。

Posted byブクログ