辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 の商品レビュー
一気に読んだ。田中正造と言う名をしっかり脳裏に刻んだ。しかし何なんだろうか。子や孫に、正造のように生きろとは言えない。 辛酸入佳境。 最後の最後 「だが車夫は足をがたがたふるわせ、崩れるように梶棒を下した」。権力の前にすべてが敗者である。
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田中正造、名前は知っていたけれど何をした人なのかはほぼ知りませんでした。 タイトルの『辛酸』の通りまさに辛酸をなめる人生。 ただ逆境であっても正義の為に信念を貫く事で辛酸も喜びに変えるという人生感は凄すぎる。
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昔の大河ドラマ原作本”黄金の日日”を読みたくなって城山三郎をチェックしていたら出会った作品。田中正造については一冊くらい読んでみたいと思っていたのだが恥ずかしながらこれまでこの作品は知らなかった。 たくさんの見舞客がやって来ても最後の言葉「みんな正造に同情するだけだ。正造の事業...
昔の大河ドラマ原作本”黄金の日日”を読みたくなって城山三郎をチェックしていたら出会った作品。田中正造については一冊くらい読んでみたいと思っていたのだが恥ずかしながらこれまでこの作品は知らなかった。 たくさんの見舞客がやって来ても最後の言葉「みんな正造に同情するだけだ。正造の事業に同情して来ている者は一人もない。」
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城山さんの作品で一番好きです。田中正造というと日本史でチラッと習うだけで、詳しくは知らないという人が多いように感じます。しかしこれを読むと田中正造という人がどんな人か見えてきます。年表で歴史を追うより、これを読んだ方が分かりやすいかも。
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明治天皇への直訴。鉱毒被害を軽視する担当大臣に「この水を飲め」と 汚染された水の入ったコップを差し出す。 大隈公の屋敷の庭に忍び込み、汚染された土壌を樹木の根元にまいて 立ち枯れさせる。 そんな華々しい議員時代の田中正造ではなく、家庭も省みずボロを まとい、被害民とを率いて資...
明治天皇への直訴。鉱毒被害を軽視する担当大臣に「この水を飲め」と 汚染された水の入ったコップを差し出す。 大隈公の屋敷の庭に忍び込み、汚染された土壌を樹木の根元にまいて 立ち枯れさせる。 そんな華々しい議員時代の田中正造ではなく、家庭も省みずボロを まとい、被害民とを率いて資本家・国・県と戦い続けた晩年を描いた 傑作である。 渡良瀬川遊水地とされた谷中村の残留民は、田中正造亡きあともその 意思を継いで戦いを続ける。 ある者は移住した元住民に懐柔され、ある者は生活の糧を得る為に、 隣接する村に転居する。文盲の村民は県の担当者に騙されて、土地 明け渡しの書類に印を押す。 田中正造の晩年を追いながら、なんの力もない庶民が大きな権力に 向かって行く哀しくも一途な思いが圧巻だ。 水俣病訴訟では東京都でも和解勧告が出た。当時のチッソの被害者 切り崩しには非情なものがあったという。 権力の犠牲になるのは、後ろ盾も何もない庶民であるのは、時代が 変わっても変わらぬのだな。
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たしか小学5年生の林間学校が栃木日光だったかで、その頃に「知ってるつもり?」の田中正造の回のビデオを学校で見せられた覚えがある。田中正造の最期があまりにも寂しく思われて、ずっと印象に残ってたのだけど、今これを読むと寂しいという言葉は出てこない。ただただ壮絶だった。読んでいる途中ふ...
たしか小学5年生の林間学校が栃木日光だったかで、その頃に「知ってるつもり?」の田中正造の回のビデオを学校で見せられた覚えがある。田中正造の最期があまりにも寂しく思われて、ずっと印象に残ってたのだけど、今これを読むと寂しいという言葉は出てこない。ただただ壮絶だった。読んでいる途中ふと、最近あった口蹄疫問題が思い出された。政府やマスコミが収束したと言えば現地の人意外は心配するのをやめて次第に忘れていくもので、現場の人々が辛酸を極めるのはそれから後のことなんだろうな。テレビもネットもない当時の人々の孤独は想像するに余りある。 ところでいまだに足尾では公害の影響で地崩れがおこってるのだとか。なんたる…
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わずか100年前の日本で起きていた生活とは思うには惨めすぎる。こんな国家があったのかと思うとやり切れず、でも今も大差ないかもとも思えてしまう。私たちが知っているようで知らされていない真実というものは意外と足元にもあるのかもしれません... 【開催案内や作品のあらすじ等はこちら↓...
わずか100年前の日本で起きていた生活とは思うには惨めすぎる。こんな国家があったのかと思うとやり切れず、でも今も大差ないかもとも思えてしまう。私たちが知っているようで知らされていない真実というものは意外と足元にもあるのかもしれません... 【開催案内や作品のあらすじ等はこちら↓】 http://www.prosecute.jp/keikan/016.htm 【読後の感想や読書会当日の様子などはこちら↓】 http://prosecute.way-nifty.com/blog/2006/07/16_ebe9.html
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09/6/4 ★★★ あの有名な、田中正造の天皇へ直訴をするまでに至った足尾銅山鉱毒事件について書かれた本。 直訴から10数年後の世間から忘れられていく中でなお、 主に国を相手に戦い続ける田中正造をはじめ谷中残留民の凄惨極まる状況が描かれている。 残留民の生活は凄まじいの一言...
09/6/4 ★★★ あの有名な、田中正造の天皇へ直訴をするまでに至った足尾銅山鉱毒事件について書かれた本。 直訴から10数年後の世間から忘れられていく中でなお、 主に国を相手に戦い続ける田中正造をはじめ谷中残留民の凄惨極まる状況が描かれている。 残留民の生活は凄まじいの一言。 何がそこまで残留民を谷中に固執させるのか。 結局この本ではこの事件の終わりは書かれていない 少し調べてみると、銅山が閉山したのが1973年 銅山運営会社が正式に補償金を払ったのが1974年。 本の舞台から約60年である。 そして今尚付近の農業地では汚染地に指定されている場所がある。
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田中正造については小学生の頃教科書に出てきたので読んでいて、最後亡くなった時に持っていたのはずたぶくろの中にほんの少しの物だけだったというのがとても衝撃的でした。高校生になってから、学校の先生に勧められてから購入し、読もうと思って少しずつ読み進めていたのですが、言葉の難しさという...
田中正造については小学生の頃教科書に出てきたので読んでいて、最後亡くなった時に持っていたのはずたぶくろの中にほんの少しの物だけだったというのがとても衝撃的でした。高校生になってから、学校の先生に勧められてから購入し、読もうと思って少しずつ読み進めていたのですが、言葉の難しさというから途中で投げ出してしまっていました。ここでこうして紹介させていただいたことをきっかけにまた読みたいと思います。
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