サトリ(下) の商品レビュー
日本的な要素は少しあるが、基本的には中国とベトナムを舞台にした美男美女のアクション物。 退屈せず最初から一気に読める!
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元ネタの『シブミ』っていう作品を全く知らずに読みました。ドン・ウィンズロウ作品は過去に何作か読んでいるのですが、よくあるエセアジア、ヘンテコジャパーンの類でなく、本当にアジアや日本が好きできちんとした知識に基づいて描かれていることに好感が持てました。孤高の暗殺者、ニコライ・ヘルの...
元ネタの『シブミ』っていう作品を全く知らずに読みました。ドン・ウィンズロウ作品は過去に何作か読んでいるのですが、よくあるエセアジア、ヘンテコジャパーンの類でなく、本当にアジアや日本が好きできちんとした知識に基づいて描かれていることに好感が持てました。孤高の暗殺者、ニコライ・ヘルの素手での瞬殺ぶりもアクション映画好きとしては見逃せません。キアヌあたりを主役に是非映画化してほしいです。
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これでもかっていうくらい、デスフラグを乱立させながらも、見事に切り抜けていくニコライ。アクション映画を見ているような感覚で面白かった。謎だった暗殺者が、あの人だったとは、、意外でした。まー大体いつもわからないんですけどね。。本書は別な小説「シブミ」の前日譚らしいので、機会があった...
これでもかっていうくらい、デスフラグを乱立させながらも、見事に切り抜けていくニコライ。アクション映画を見ているような感覚で面白かった。謎だった暗殺者が、あの人だったとは、、意外でした。まー大体いつもわからないんですけどね。。本書は別な小説「シブミ」の前日譚らしいので、機会があったら読んでみようかな。
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書店の平積みコーナーを見てびっくり。東野圭吾の『真夏の方程式』が早くも3刷となって何列もの平積みを作っているのは予想通りとはいえ、ドン・ウィンズロウの『サトリ』上下巻が、まるで村上春樹の新刊のように東野圭吾を超える勢いでいいコーナーをシェアしている風景には驚いた。 実は『サ...
書店の平積みコーナーを見てびっくり。東野圭吾の『真夏の方程式』が早くも3刷となって何列もの平積みを作っているのは予想通りとはいえ、ドン・ウィンズロウの『サトリ』上下巻が、まるで村上春樹の新刊のように東野圭吾を超える勢いでいいコーナーをシェアしている風景には驚いた。 実は『サトリ』を読了したばかり。睡眠時間の確保すら危ういほど自分の時間が持てなくなっている昨今の生活の中で、本を読む時間はさらに持てなくなっている状況を、少しでも改善しようと、昨夜は3時過ぎまで『サトリ』の読破に費やしたのだ。でも最後の20ページが読めずに、体力が尽きて、読み終えたのは今日。 ウィンズロウにしてはクライムでもハードボイルドでもなく、殺し屋青年を軸にした冒険小説なのだがトレヴェニアンという稀代の冒険小説作家の作り出したニコライ・ヘルという東洋人の魂をもった西洋人を書き継いだ(むしろオリジナルの『シブミ』の前日譚になるのだが)傑作国際活劇小説である。 少しもウインズロウらしさが失われておらず、何よりもその語り口がいつもどおりなので、トレヴェニアンを読んだことのないぼくのような読者でも、しっかりしたウインズロウの作品として手に取り、楽しむことができる。 しかしこの平積みの状況は何としたことだろうか。おしゃれな本を求めたやってきた今風のアゲハギャルみたいなまさか字を読むわけではないよな。長谷部の『心を整える』に影響された何かを整えようとする人たちが読む対象とする本でもないよな。実用的という意味では、全然その気配のない作品だし、あえて言えば短い文体による簡潔でスピーディな、ウィンズロウ特有の読みやすさ。そしてクールでライトでしかも迫力のある活劇の語り口。あるいは上下巻を別色に刷ったことによる平積みでの目立ちか。まるで村上春樹の『ノルウェイの森』がクリスマス・プレゼントとして売れた頃みたいに(ノルウェイは赤と緑のどぎついカバーでまるで、ラッピングされたクリスマスプレゼントのように、まさにクリスマスに売り出され、大ヒットとなった。小説の内容は暗くてエッチでちっとも大衆受けするものではなかったのに…)。 いずれにせよ、どんな形であれ、どんな理由であれ、海外の冒険小説が、今こうして目の前に平積みにされ、多くの異人種によって手に取られようとしている。なんだか、わくわくするじゃないか。
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盤上は一進一退。死活を見極め慎重に大胆に攻めるヘル。SATORIとは白と黒、攻めと守り、愛と憎しみ、羨望と嫉妬の両方を知り、その中央に自身が存在すること。 もはや個人としての存在は薄くなり、生命体としてのみの存在となる何者でもない誰かと変化していく主人公。テンポ良く進んでいき、物...
盤上は一進一退。死活を見極め慎重に大胆に攻めるヘル。SATORIとは白と黒、攻めと守り、愛と憎しみ、羨望と嫉妬の両方を知り、その中央に自身が存在すること。 もはや個人としての存在は薄くなり、生命体としてのみの存在となる何者でもない誰かと変化していく主人公。テンポ良く進んでいき、物語のスピードはやや荒っぽいくらいにスピードアップしていく。そのため乱雑に打たれたような石の一つ一つに意味は無く、その打ち手の筋がそれないことだけが生命線。もはやこのゲームは囲碁ではなく、3次元的なまさにHUNTER×HUTERの軍儀の世界に突入し、資本主義と共産主義、独立と支配という世界の思惑を利用しながら自分の信念を守り生き延びる一人のスパイの物語は一旦幕を閉じる。
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全然知らなかったんだけど、友人のすすめで買ったスパイ小説がこの「サトリ」。ベトナム戦争時代に、毛沢東が主権を握っていた中国においてのスパイ活動それからつづくベトナムでの活動を描いた傑作です。この作品は著者が、伝説のスパイ小説作家トレヴェ二アンが書いたスパイ冒険小説「シブミ」の続編...
全然知らなかったんだけど、友人のすすめで買ったスパイ小説がこの「サトリ」。ベトナム戦争時代に、毛沢東が主権を握っていた中国においてのスパイ活動それからつづくベトナムでの活動を描いた傑作です。この作品は著者が、伝説のスパイ小説作家トレヴェ二アンが書いたスパイ冒険小説「シブミ」の続編を依頼され書いたもので残念ながらシブミを読んでいないのでどのくらいうまく世界観を引き継いでいるのかは判断できないが、「シブミ」を読んでみたくさせる見事な物語になっている。一気に上下刊読ませてくれる展開で、見事の一言です。おすすめです。
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トレヴェニアンの「シブミ」という小説は以前から読みたいと思っていたんですが、なかなか機会がなくて取りこぼしていました。 ウィンズロウがその前日譚という設定で「サトリ」を書いたというのでとりあえず読んでみました。 いやあ、なかなか良いですねぇ。非常にきめ細かく取材を重ねていて、...
トレヴェニアンの「シブミ」という小説は以前から読みたいと思っていたんですが、なかなか機会がなくて取りこぼしていました。 ウィンズロウがその前日譚という設定で「サトリ」を書いたというのでとりあえず読んでみました。 いやあ、なかなか良いですねぇ。非常にきめ細かく取材を重ねていて、かつ主人公やその他の人物の造形が好ましい。 「シブミ」は、もう絶対読まなくちゃ! という気にさせます。
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中国から脱出してからの話。登場人物が更に多くなってきて訳がわからない状態に。どんでん返しもあったけど、結末が好みでなかったです。
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短いシークエンスで視点をパッパと切り替えるスタイル等ウィンズロウ節全開です。 主人公のキャラクターを借りてきたという話で、なにもトレヴェニアンの文体模写をやろうという訳ではないので、これはこれでありだと思います。 そもそも、本家トレヴェニアンにしても、「夢果つる街」のような激シブ...
短いシークエンスで視点をパッパと切り替えるスタイル等ウィンズロウ節全開です。 主人公のキャラクターを借りてきたという話で、なにもトレヴェニアンの文体模写をやろうという訳ではないので、これはこれでありだと思います。 そもそも、本家トレヴェニアンにしても、「夢果つる街」のような激シブから「ワイオミングの惨劇」のようなハチャメチャまで作品ごとにスタイルが違うわけで、「文体模写」は一筋縄ではいくものではないでしょうが。 「シブミ」と比べてニコライ・ヘルの造形が軽いという感じは確かにありますが、これは国際謀略の世界にデビューするハメになった26歳の青年のお話であるということに留意すべきですし、ニール・ケアリー風味だと思えば納得も行くというものです。 必殺の日本拳法「裸-殺」は、「シブミ」でもやっぱり胡散臭く、これは忠実にトレースされているようです。 キャラクター造形といえば、敵役はなんとなく弱いような印象を受けましたが、ベルギー人ド・ランドやチベット人タセルなど脇役はなかなか魅力的でした。 ウィンズロウ節全開なので、どんどん読めます。 「犬の力」ような力押しのウインズロウもいいですが、こっち(ニール・ケアリーもの)のウィンズロウも、やはり捨てがたいものがあります。
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トレヴェニアンの「シブミ」の前日潭。ウィンズロウっぽくないなと思いながら読んでいたのですが、日本文化への理解の浅さも、32年前の作品が下敷きで、熱狂的な読者が、古典に縛られているのだからしかたないか。。
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