サトリ(下) の商品レビュー
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2012.4.16読了 レビューは上巻に
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ドン・ウィンズロウ氏は初読み、ここ最近翻訳も多い人気作家さんのようです。トレヴェニアンの『シブミ』を教えてくれた今作品、「シブミ」では壮年期にかかり隠遁していたカウンターテロの暗殺者ニコライ・ヘル、彼のの若かりし頃の冒険譚です。作者を異とする同じキャラの物語を有名人気作家がどう料理するのか?文化的には日本人である緑の目の暗殺者ニコライ・ヘル、とても魅力的なキャラです、彼の持ち味「シブミ」の境地に至るその道程をどのように描いてくれるのか?興味は尽きませんでした。 結論からいくと大満足で、面白くてもう一気読みでした。 「シブミ」の作中においてわずか数行で語られていたに過ぎない事象を取り上げ、スリル&スピードに溢れる国際謀略戦を軽快な筆致で、読者を日本~北京~サイゴンへと誘ってくれたのです。(ここは訳者黒川氏の力も大きいでしょう) まずトレヴェニアンの「シブミ」との整合性、ニコライ以外の脇を占める人物達も、作者ドン・ウィンズロウ氏が「シブミ」を非常に愛していて、その作品世界を損なうことなく己を持ち味をふんだんに生かし「サトリ」を世に送り出したことは称えられることであり、シブミを愛する世界の読者も納得の内容だったと思われます。自分にはそう思えました。 シブミにおいてニコライが会得していた「シブミ」の境地、日本的な侘び寂びの到達点である精神的終着点、これに関しては言いません。著者あとがきにもある通り、この部分において完成されている「シブミ」の世界においてあとから手心なり勝手な注釈を入れるなり、という行為は自殺行為であり、作品を愛する行為とは言い難い。その替り26歳のニコライの肉体の躍動、若さゆえの過ちとそれに派生する危機、彼の秘術「裸-殺」をたっぷりと描いて見せてくれました。 作者が異なりながらも互いを補完しあい、その質を互いに煌かせる全く稀有な作品例だと思います。セットでお勧めです。 ドン・ウィンズロウ氏は続く物語も用意してる気がします、またサイゴン(ホー・チ・ミン市)という街にとても興味を持ちました。
Posted by
訳者あとがきによるとドン・ウィンズロウは仏教徒なのか。シブミの前にサトリってのは順番的にどうかと思うけど、やはりトレヴェニアンのシブミの表現に比べるとサトリの表現は甘いと思う。 でも評価ある故人作家の続編を書こうという文化と勇気は面白いし、その点では成功してるかも。 ウィンズロウ...
訳者あとがきによるとドン・ウィンズロウは仏教徒なのか。シブミの前にサトリってのは順番的にどうかと思うけど、やはりトレヴェニアンのシブミの表現に比べるとサトリの表現は甘いと思う。 でも評価ある故人作家の続編を書こうという文化と勇気は面白いし、その点では成功してるかも。 ウィンズロウの他の作品読んでないから、まずは犬の力っての読んでみたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
利害の異なる立場の関係者が多すぎてわけがわからない。 関係者たちの真意もわからないまま、直感であっちについたり、こっちについたりするニコライに翻弄され場面の持つ意味が表面的にしかわからず、面白さが半減している気がする。スパイものだからと言われればそれまでだが。人物相関図とかあると助けになるんだけど、無粋というものだろうか。 全体としては可もなく不可もなくな感じだった。 上巻の方が『シブミ』感はあった。 ■このミス2012海外7位
Posted by
普通、かな。やっぱり、ウィンズロウらしさは失われるし、へルの物語としては、トレヴァニアンのほうがいいしとどっちつかずになる気がする。
Posted by
あとがきを読んで表紙の 原案 シブミ 作トレヴァニアン の意味が分かりました シブミの主人公ニコライ・ヘルの若い時のお話でした これはシブミも読まなくては 話はスパイ物になるのかな? 主人公のニコライ・ヘルが物凄く強い そして冷静沈着 シブミ、サトリの題名にあるように日本人の...
あとがきを読んで表紙の 原案 シブミ 作トレヴァニアン の意味が分かりました シブミの主人公ニコライ・ヘルの若い時のお話でした これはシブミも読まなくては 話はスパイ物になるのかな? 主人公のニコライ・ヘルが物凄く強い そして冷静沈着 シブミ、サトリの題名にあるように日本人の心をもった外国人 ギリギリの緊張感が堪らないです それぞれの思惑が絡み合う 最後に勝つのは誰か(まぁ普通に主人公なんですけどね) 暗殺者「コブラ」の正体にも驚きました 朝倉恭介シリーズの緊張感を思い出しました
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった! 楽しかった! 久々のノワールというのか、暗黒の世界、といっても犯罪とかではなく、合法的な組織が繰り広げる壮大な戦い。 だましあい、不意打ち、拷問・・・ 今一緒に食事をしている相手が味方なのか敵なのか、一瞬の隙も許されない息詰まる展開に目が離せない。 そんな物語の主人公は、ロシアの貴族の末裔でありながら、熱い緑茶を好み、日本庭園を愛で、湯をはった浴槽につかり、状況を囲碁になぞらえて分析する日本の心を持った暗殺者。 張り詰めた緊張感のなかで、そういった「和」の部分をほどよく織り込んである。 そういう部分も読みやすさの一因かもしれない。 あとがきを読むと、これは「シブミ」の前日譚とある。後日譚ではなくて。 やっぱり読もうかな、大きい字の「シブミ」 これを読んでいるとき、今公開中の映画「シャンハイ」がオーバーラップした。時代は違っても、混乱の世の中では、常に駆け引きで成り立っているような、やるせない気持ちにもなる。
Posted by
上巻を読み終え、下巻にはさらなる盛り上がりを期待していたが、残念なことにパワーダウンを感じてしまった。エンタメ小説を面白くする技はふんだんに使われていたが、どれもその効果はいまひとつ。全体としては悪くはなかったけれど……。
Posted by
トレヴェニアンの造り出した世界を忠実に受け継ぎ、さらに楽しませてくれたウィンズロウに脱帽。読みやすく、暗殺の場面のスリリングで、最後の展開に驚きも待っている。次の作品も期待したい。
Posted by
スパイ小説としては大変面白く読める。ページターナーとしてのウィンズロウの安定感は抜群で、展開の速いストーリーから目が離せず、ラストまで一気に突っ走る感覚は流石だと思う。しかし悲しいかな、『シブミ』の世界は蘇らない。ウィンズロウの『サトリ』と認識して読まないと途中で激しく萎える。 ...
スパイ小説としては大変面白く読める。ページターナーとしてのウィンズロウの安定感は抜群で、展開の速いストーリーから目が離せず、ラストまで一気に突っ走る感覚は流石だと思う。しかし悲しいかな、『シブミ』の世界は蘇らない。ウィンズロウの『サトリ』と認識して読まないと途中で激しく萎える。 『シブミ』のラノベ版とでもいうか、とにかく軽い。また、日本的精神が垣間見えるシーンがない。作中では日本が完全にスルーされているかの如く、おざなりにパラパラとそれらしき要素を撒くだけ。当然、『サトリ』のニュアンスも違ってくる。ニコライのキャラもかなり違和感がある。(『サトリ』を会得した人物が嫉妬するのはどうも解せない)とは言え、両作品とも独立した別モノなので、その都度比較して読む方が間違っているかもしれないが。もちろん、『シブミ』を未読でもなんら支障はない。むしろ未読の方が楽しめるかも。 舞台が変わったり、謀略が網目のように張り巡らされていたりと、ストーリーの拡がりは相当なものだが、奥行きは浅く深みに欠ける。ウィンズロウはスパイ小説も巧いということと、トレヴェニアンの偉大さを再認識した作品だった。
Posted by